2017年01月17日

道士郎でござる(西森博之)1~8巻【完結】

年末年始にかけて「道士郎でござる」を読み返していました。

西森博之先生の漫画で今のところ一番お気に入りの漫画です。

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1巻だけ0円だったりもするので(今日現在)、試し読みもできますよ。
でも1巻より2巻以降のほうがテンポよく、エンジンかかってる感じがするかな?



内容を紹介しましょう。

幼いころ母のもとを離れ、父親と一緒にアメリカ・ネバダへ渡った道士郎。
その道士郎が日本へ帰国するというので、母・兄は久しぶりに会えるのを楽しみにしていたのだが、
帰ってきたのはアメリカ育ちにはとても見えない侍? 武士!?……ないでたちの少年だった!

ということですし、タイトルも「道士郎でござる」なので、この道士郎が主人公なんだろうな~と思ってしまうのですが主人公はフツーの少年・小坂健助なんですよ!
フツーの家庭に生まれ育ち、フツーに女の子にあこがれ、高校生になったし青春とか期待しちゃう感じ?ただ平穏に暮らしたかっただろうに……道士郎に出会い、殿・主君として慕われるようになってしまってからはとにかく波乱の毎日に!

西森博之先生というと、「今日から俺は!!」、「天使な小生意気」など不良が活躍する漫画を思い出す人が多いと思いますね。まあ、「道士郎でござる」も不良とかヤーサンの抗争だの上下関係だのケンカだのシャレになんないやつだのいろいろに巻き込まれるわけですよ。
普通の少年の健助が……

で、健助は弱いのでケンカなどしないのですが、なんだかんだと周囲が勘違いしていくことで
どんどん仲間を増やしていきます。
不良しかいないという悪名高い高校へ転校することになっても、トップをなぜかなぎ倒し、自分が慕われる側になることでピンチを回避していきます……その過程がね。痛快というか。うおーやったな健助!そうだそうだ健助だ!みたいな、読んでて応援しちゃうんですよね……

キャラクターもみんないいキャラですよ。口下手で、暗い過去とおかれた状況からクールにならざるをえないヒロイン・白瀬エリカちゃんも強く、美しい。
一見ほおっておいても自分で何とかできそうだし、実際何とかしちゃいそうなエリカが本当は健助のことを頼りにしているってところがなんともいい。
健助が陰でこそこそ行動してエリカを励まそう、一緒にいようとしてくれていることを、たとえ上手くいかなかった時でもエリカはちゃんと気づいて感謝してくれてるってのがいいよね……報われるというか、読者の私はそんな二人をみて「ウンウンよかったね健助……エリカちゃんいい子や~」とじんわりするわけですよ。

あとは時々爆発的に面白いギャグがあって、何度も読んだのに吹いちゃうところがあって(笑)
基本的にギャグマンガだもんねこれは。結構強烈ですよ。
「兄ちゃん、トロ!」ってやつとか(?)

8巻で終わっちゃうのがもったいないようで、しかしピリッと高い密度の物語が一気に読めるところがおすすめのポイントでもあります。
posted by 藤村阿智 at 10:58| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月10日

ずっと独身でいるつもり? (おかざき真理・雨宮まみ)

ずっと独身でいるつもり? (おかざき真理・雨宮まみ)


こちらのエッセイが原案の漫画作品。



結婚してないというだけで周りから言われる言葉。
言われなくても、だれよりも、一番自分が考え続けてぐるぐるしている言葉、
「ずっと独身でいるつもり?」

私はいまは結婚しているんで、言われてないですけど、結婚してないときはずっと似たような言葉を言われましたよ。
結婚しないの?とか 結婚とか興味なさそう とか
つい言っちゃうのも、なんとなく聞きたいのもよくわかるんだけど、
なんだろう……「自分が置かれていない立場」について考えちゃうのは人間の当たり前というか、
選ぶのか選ばないのかが選べないという複雑な気持ちも誰でもあるはずなのに、
なんでか人が何を選ぶのか何を選ばないのか気になってしまうというか……

なんというか、人は人の選択を知って安心したいんだろうね……
・わたしとおなじこちらを選んだ人はやっぱり(しあわせだ/ふしあわせだ)
・わたしとちがうあちらを選んだ人はやっぱり(しあわせだ/ふしあわせだ)

だから、結婚しないの?とか、後悔するんじゃない・みたいなことを人に聞く場合、
相手のことを心配してるんでもアドバイスしたいんでもなくて、
自分が正しい・いい自分であるということを確認したいだけなんですよ多分……
だから誰かにプライベートなことを聞く前に、何のために聞くのか、相手は絶対心にしこりを残すけどそれでも聞きたいのかを自分に問い直したほうがいいと思うね。


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変に語ってしまった。漫画の感想ブログなんだってば……

しかし全編つらい気持ちになるんだよね。
いわれる……これ……とか、ああ〜〜おもいだしたくない、んでいまの私だってまだまだ課題や選ばなくちゃならないことがあるのに、人に知られたくない、けど人のことを知りたい、私も絶対こっちだって確信できるほうを選びたい!!そして思い通りに幸せになりたい!!
っていう気持ちになりながら読むというか。

独身だとみんなが心配する。
しかしその心配はなんなんだろうか?本当に私はかわいそうなのか?
私と違って既婚のあの人は完全にしあわせなんだろうか?

結婚って妥協も必要よ!とかいうけど、妥協が必要とかいう点は正直「気にならないので問題にもしていない」点ならいいけど、こだわっちゃってるところって妥協したら幸せになんかなれないじゃん。

2話の眼鏡女子、由紀乃さんだって、昔の彼氏が今見るとかっこよく見えて、そうだ〜この人と寄りをもどそうかな……と甘い想像をしてるところに、
「ちくちくといちいち言葉にとげがある人だったということを思い出す」
わけじゃん。こんな人、私が友達だったら「その男はやめておけ」って言いますよ……
しかも「アレルギーがあるからナッツをよけている」最中に「相変わらず神経質だなー」とか言ってくるのは、ナイナイナイ! だめ、その人!
ほかのどこを妥協しても、そんな性格で嫌だって言ってもやめないような、私を小ばかにしてくる人とは結婚したって将来そこを妥協し続けなくちゃいけないわけですよ。
年収が低いだの、見た目が好みじゃないだのそういう点とは違うんですよ……

自分が好きなようにやって、幸せな毎日をすごしてるのに「幸せそうね、でもかわいそう」とか言われるのも最悪。言われたことある。だから読んでてつらいというか、この漫画に出てくる独身女性全員頑張れ!
最後にまみさんが結婚しようと準備を進めてたのに結局婚約破棄してしまうんだけど、この相手のイヤさがわからない人はやばいんじゃないか。うう〜やだやだ〜


私は電子書籍で買ったんですけど、スマホとかの小さい画面だともったいないほど絵や構成がきれいなので、
ぜひPCから読むか、紙本の購入を薦めたいです。見開きの絵も多いしね。

posted by 藤村阿智 at 12:11| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする