2009年10月25日

漫画家失格 (市橋俊介)

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私の好きなジャンル「エッセイマンガ」。
市橋俊介さんという漫画家さんが、漫画家として底辺の生活を描くという
なかなか旬な感じのエッセイです。

旬な感じ、というのは、最近そういう「ダメ人間系漫画家」というのは一代ジャンルを築いたと思うからですよ。
昔から漫画家のエッセイはかなりある。しかも、漫画のエッセイだと、間違いなく漫画家が描いているので、マンガを描くことが中心になってくる。
中にはマンガを描く仕事の描写はほとんど無く、ほかのテーマに搾られていることもある。(子育てとか)

私は同人誌だけどマンガを描いている人間として、マンガを描くエッセイを読みたい。だから漫画家が漫画家としての自分をテーマにした漫画は楽しみで仕方ないのだ。


この「漫画家失格」もなかなかおもしろかった。
でもなんとなく中途半端?
そんなに悲惨な感じもしないし(底辺ではないよね、生活も漫画家としても)
貧乏ネタもインパクトは無かった……というのも自分も結構貧乏してて似たようなことをしていたので、「マンガが商業誌で発表できてるだけ、底辺ではないよな」とか思ってしまうからだ(笑)

自虐とか、マンガを描くしか生きる道が無いとか、深い葛藤をみるなら
「僕の小規模な失敗」(福満しげゆき)がオススメだし、
すごくきつい生活とか栄枯盛衰を見るなら
「失踪日記」(吾妻ひでお)がおもしろいし、
……といった感じなので、もっととんがったところが見られればなあと思ってしまうのでした。

絵は市橋さん自身が「描きたくない」と言ってるワリには凄くきれいでうまい絵だと思いました。線もとってもきれいだし。
同じエッセイなら、例えばなにかにチャレンジする「チャレンジ物」とか、もっと深く掘り下げられるような体験(美大に通ってたときの学校生活とか?)で名作が生まれそう。
posted by 藤村阿智 at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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