2009年12月06日

お茶にごす。11巻(西森博之)

お茶にごす。 11 (少年サンデーコミックス)
お茶にごす。 11 (少年サンデーコミックス)
おすすめ平均
stars素晴らしい終わり方
stars悪魔が天使と出会いそして
stars胸キュン
starsもっと続いて欲しい…泣
starsやられた

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これにて完結。
またひとつ良作が誕生しました。

一見不良に見える少年が茶道部へ入部。
自分とは違う世界に住むような美少女、姉崎部長に憧れて、
「やさしい人間になってやる!」と奮闘する悪魔まークン(あだ名)の物語なのであります。

不良と茶道部というギャップがすでに楽しいポイント。
まークンは、正確には不良ではないのだけど、その無表情・無感情さと強さが彼を「最強の不良」という地位に押し上げていた。
対する茶道部部長・姉崎さんは上品で和の心を、茶の道を追求し、許しの笑みをたたえた美しい人。

そういえば、西森作品の女性は強い人が多いね。
姉崎さんは精神的にとっても強いけど、おてんばではないし、上品。こういうヒロインは初めてじゃないかな。
だいたいは、夏帆ちゃんのような元気一杯の女の子と、対立しつつもお互いが好き……というイメージだった。

周りを固めるキャラクターも個性的だけど物語の邪魔をしない配置がすごい。コレだけ魅力的な「キャラクター」がいて、モブに収まらないのにごちゃごちゃしない。
女子が好きで変態な茶道部顧問とか、弱い人代表アニ研の部長とその部員、青ヒゲの樫沢……どれも物語を楽しくしてくれている。

メインキャラもまた良い。
まークンの相棒、山田はイケメンで飄々としていて頭もいい。面白いほうに転がるのが好きなタイプ。軽いけど、いつも傍観者として見守っていて、いざというときに助けてくれたり。
感情が強いのも良い。主人公のまークンが無感動の人なので、読者の感情移入を助けるためにも山田は欠かせない。
このタイプも新しいキャラクターだなあ。

まークンの永遠のライバル、夏帆ちゃんもかわいい。
どちらかというと子どもっぽいところがまたいい。
恋したことないんだろって言われて、恋しようとがんばる姿とかかわいすぎるだろ。


物語は最初、まークンががんばって優しい人になろうとしてからまわりし、結果は良かったけど「それって優しい人なのか?」と疑問を残しつつもかわっていくところが見所。

中盤は姉崎さんや周りの人たちと仲良くなって、ただ恐れられていたまークンとは明らかに変わっていく。
その変貌に、他の不良さんたちがからんでくるようになったり……

で、後半はちょっとまークンも考える。自分のためじゃなく、人のためにどうするべきか。
そこで本当の「優しい人になりたい理由」もわかってくる。シリアス展開がちょうどいい分量はさまれているところがすごい。あくまでコメディを忘れない感じが楽しめる点だとおもう。
「天使な小生意気」のときもシリアス展開があったけど、結構多めだったので重い雰囲気が強くなりすぎるとつらくなってしまう。


そして引退・卒業してしまった姉崎先輩。
まークンの恋はどうなるのか。もう会えないのか……
まークンは優しい人になれるのか!?

最終巻もテンポ良く読めます。
おススメです!
posted by 藤村阿智 at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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