「のだめカンタービレ」で人気の二ノ宮知子さんのエッセイ漫画。
二ノ宮さんはほとんど家事・子育てにノータッチで、夫のPOMさんが家事・子育て・事務仕事などなどこなすスーパーイクメンという内容はなかなかぶっ飛んでいる!
二ノ宮さんの漫画は、私も読み始めたのは「のだめ」の3巻が出た頃だが、のだめが面白かったので
一気にほとんど全部の二ノ宮作品を購入して読んだのだ。
「天才ファミリーカンパニー」
「平成よっぱらい研究所」
「GREEN」
このなかでは「平成よっぱらい研究所」がエッセイ漫画。
このよっぱらい漫画を読んでいると、「ダメママ日記」と銘打たれている「おにぎり通信」も
なんの違和感も無く読めてしまうんだけど、この「おにぎり通信」を人気漫画家による育児エッセイだと思って購入した人には反感を買っているようだ。
amazonの評価★が低い。私が見たときは10件のレビュー、★2.5。
★2.5って結構無いですよ。1件ぐらいしかレビューがついてなくてそれならあるけど、
10件もあればかなりの割合が低い点をつけてるように見える。
大体レビュー描くときなんて、
・すごいよかった
・すげーむかついた
・毎回書いてるから今回も書こう
ってぐらいで、1番上と3番目はそんなに悪い評価をつけないから、2番目の割合が多いとレビュー件数が増えても点数が下っていくんだろう。
中を読んでみると、やっぱり
「こんなの育児漫画じゃない」
「こどもが主人公じゃない、目線に愛が無い」
「いくら仕事が忙しくても、もしだんなが二ノ宮さんみたいだったら嫌」
「共感できない・参考にならない」
って感じで評価が下っている。
育児マンガの主人公は2パターンあるとおもっていて、
親が主人公
子供が主人公
読者は基本的に子どもが主人公の「育児エッセイ」を読みたがってるんだろうな。
私は、この「おにぎり通信」は育児エッセイじゃないと思ってる。
帯にも「子育てファミリーエッセイ」って書いてあるし、
「子育てをしているご家庭の日々の様子」であって、育て方でもないし、自分が育ててるという話でもない。
子育てをしている人が読んで「共感できる」とか、「参考にならない……」とか評価するものではないのでは、と思った。参考になるところとかがあったらむしろラッキー!ぐらい。
二ノ宮さんなんか漫画家の中でもすごく売れっ子で忙しいだろうし、ほかの育児エッセイを描いてる漫画家さんの中でもかなりトップクラスだと思う。あとは東村アキコさんとか?東村さんはシングルマザーだったり、とにかく大変だろうからそんなに叩かれないのかな。
「おにぎり通信」は普通の、子育てしてる女性から見たら「なにこれ!?」って思う内容なんだろうなあ。
男性は二ノ宮先生に共感?するかもしれないが、普通の男性より飛びぬけて仕事量も収入もあるだろうから、共感仕切れるかは微妙なところ。
私は「こんな人もいるんだ(笑)」と、身近じゃない人の生活が漫画で読めて楽しいと思うんだが。
私はエッセイ漫画が好きだ。とくに、エッセイ漫画家のものじゃなくて、普段フィクションのストーリー漫画を書いている人のエッセイ漫画が好きだ。
評価が比較的高い人は、育児漫画として読んだのではなく「二ノ宮先生の周囲の様子が読みたい」「平成よっぱらい研究所をすでに読んでいる」という感じの人。エッセイとは言え読み物として楽しんだ感じ。
ファンだから評価が甘くなってるんだ、といわれればそうだけど、私としては
参考になる、ならないじゃなくて楽しめるか否かだなあとおもってるけどね。
平成よっぱらい研究所―完全版 (祥伝社コミック文庫)
これを読み返したら、たぶん「おにぎり通信」のほうでは、本気でたたかれそうな部分は……書いてないんじゃないだろうかと……思う……
よっぱらい研究所のほうも読み返した感想をかこうと思ってるけど、
「のだめ」にも感じていた私の感覚とのズレは、よっぱらい研究所を読んで理由がわかった気がする。
二ノ宮さんが面白いと思う人間(キャラ)、いまいち面白いと思えないのかもしれない。
私が面白いと思う人たちと、二ノ宮さんの漫画に出てくる面白い人、の感覚がずれてるんだなぁ。
だから、むしろ「おにぎり通信」のほうが良かった。二ノ宮さん本人は好きだし、子どもも十分かわいいしだんなさんもすてき。
2巻以降も楽しみ。
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