私が中学生の頃から好きな漫画家さん、桑田乃梨子先生。
読み返す頻度も高いんですが、今回はこの「真夜中猫王子」文庫版を読み返し。
改めて読むと、「猫王子」も面白いなあと再確認。
現在は桑田先生の漫画は、発売前に登録してるネット書店からお知らせが来るので、大体すぐに購入できるけど、
「猫王子」の初出の頃は平成12年〜13年っていうから、情報はいまよりも自分で探しに行かなくちゃならない時代。
でも、猫王子はほぼリアルタイムで購入してたな。
そして、リアルタイムで読んでたころは「すげえ!面白い!」ってすぐにはまるような気持ちにはなっていなかった。
今読むとその理由もわかるし、だからこそ何度読んでも面白いんじゃないかと思える。
フツーの女子高生、駒根 澄(こまね すみ)は、おなじクラスの仲良し男子・日向守永(ひゅうがもりなが)にイケると思って告白したのに、あっさり玉砕。
傷心のまま、告白&フラレ現場におっこちてた猫のマスコットを記念に持ち帰る。(笑)澄ちゃんは日向に未練アリアリ。
持ち帰った猫のぬいぐるみは、なんと呪われた異国の王子だった!
国家を狙う者の手により、王子とその仲間は呪いの魔法をかけられ、昼はぬいぐるみ(マスコットサイズ)、夜ははんぱに顔だけが出る着ぐるみの猫になってしまうのだった……
と、設定は言うまでも無くとっぴなんだけど、あとはいつもの桑田先生のお得意な「キャラクターの会話で読者を引き込んでいく」ちからで引っ張られていく。
読んでいるうちに、設定とかきっかけなんかは、「それのおかげでみんなにあえてよかったな〜」っていう、新しい出会いのためのものにしか思えなくなってくる。
・「わかりました、あきらめましょう」が口癖のおっとりした王子
・軍人で王子の親衛隊長、まじめで固くて「なんか黒っぽい」所だけが特徴のヴィンセント
・細かいことは気にしない、明るい料理人スタニスラス
・教育になってるのか怪しい言動ばかりの教育係スタンリー
・ヴィンセントの婚約者(だというけど二人ともツンデレでどうしようもない)のアンジェラ
全員猫になってる。ごはんはカリカリでいいらしい。
澄ちゃんの家で、帰る日を夢見てにぎやかに暮らしてる。
桑田先生は、きっちり終わらせるタイプの漫画家だと思うので、この「猫王子」もきっちり終わる。
日向と澄の関係も、王子たちとの関係も最初とは変化していく。
終わる頃にはこのキャラクターたちと知り合えたことがうれしくなっている。