子どもの頃りぼん読者だった30代〜40代あたりを中心に、伝説になってるのが岡田あーみんという漫画家。
少女マンガ雑誌「りぼん」に載っていたギャグマンガがその作品だけど、
他にない強烈な印象と想い出を残している漫画だっていう人も多いんじゃないでしょうか。
私も数々のギャグマンガを、新旧問わず読んでいると思うけど、
ギャグマンガは奥が深いな……
笑える漫画、という共通点があるのに、作品はそれぞれ独立したジャンルに思えるものが多い。
岡田あーみんもすでに岡田あーみんというジャンルと言える。と思う。
こいつら100%伝説 (1) (りぼんマスコットコミックス (530))

「こいつら100%伝説」は、時は戦国時代、とあるお城のお姫様はその身分から命を狙われがち。
そこで忍者の少年たちと、その師匠がすむ屋敷に姫をかくまうことになった……というお話なんですが、
基本的に時代考証なんかどうでもいい、時代劇のアイテムやギャップすらギャグのネタに
してしまうという貪欲さ。途中からそういう設定なのもわすれがちだし。
とにかくギャグの密度が高い。くだらないものからハイセンスなものまで、ガンガン出してくる。
惜しみない。
テンポがいい。
岡田あーみん氏は「普通」をちゃんとわかっていて、そこからちょっとずれることで生まれるおかしさを、
きちんと漫画にして見せてくれるギャグマンガ家だと私は思っている。
ゴルゴに似た感じの「未来から来たサイボーグ・ターミネーター」が暴れた上にレギュラーキャラになるとか、
麻は燃やすとやばいガスがでて悪い作用があるから読者は真似しちゃいけないということをちゃんと伝えるこの漫画はえらい!
とか、90年代だから出来た少女マンガらしくないネタも盛りだくさんだと思う。
作者のあーみん自身が忍者たちと一緒に活躍する回なんかはメタ発言通り越しすぎてて笑うしかないもんね。
集英社の兵士たちが侵入を防止しようと「ジャンプ」して飛んでくるんだけど
「ビジネスジャーンプ うわー失敗した」ってくだりは大丈夫なのか心配になってきますが……って
ギャグマンガをテキストで説明することほどばからしいものはない。それぞれ読んでくれ。
私がリアルタイムで読んでた頃一番笑ったのは、お姫はんが極丸に「スキです極丸さん」って告白したって回かな。読んだことのあるひとなら「あれかww」ってなると思うけど。
とくにまとまりもなく感想終了。
この漫画のすごさは、25年ちかくたった今でも、通常コミックスが在庫ありで手にはいるところですよ。
(それだけ重版されてるってこと)
文庫化、愛蔵版化のスキなし!
こいつら100%伝説 (2) (りぼんマスコットコミックス (577))

こいつら100%伝説 (3) (りぼんマスコットコミックス (642))
