2015年05月26日

発達障害の人のことを描いた漫画(最近読んだものから)

発達障害のことが話題になっている。

私も日ごろから、発達障害のことをもっと知りたくて、そしてたくさんの人が知ったらいいと思っている。

最近読んだ本の中から、発達障害や「生きにくさ」を感じている人が出てくる漫画をご紹介。

ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)
ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)

作者を投影したキャラクター、ニトロちゃんは発達障害らしく、人と違ってて生きづらい毎日を送っている。
普通と違う反応のせいで、友達をびっくりさせたり、親を困らせたり、先生に嫌われてしまったり。

エッセイ形式というよりは、「ニトロちゃん」を客観的に見守りながら、起こった出来事を綴ったり、ニトロちゃんがそのときどういう気持ちだったのかを描いていく。
だからこそ、押し付けにならず、読んだ人はニトロちゃんのことを考えられるようになっていると思う。
人と違うことを打ち明けることは、甘えているわけではないことがわかる。

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母親やめてもいいですか
母親やめてもいいですか

待ち望んで妊娠→出産した愛する子どもの様子がちょっと変わっているので調べてみると、
発達障害だと判明して、発達障害と闘おうと情報をあさり、戦い、疲れ、母親をやめてしまった人のエッセイ。
発達障害の子どもとどう向き合うか、そして自分がどうなってしまったのかが赤裸々に綴られている。

最後の最後で描かれている「広汎性発達障害がなくなるようにと願って、それが娘への愛だと信じていたけど、見知らぬ子が娘の身体を引き継いで、娘の魂は天に召されるとしたら……いやだ!」ということにたどり着くまで、苦労も悲しみも、取り戻せない結果もたくさんありすぎて、読者として私の胸につらい気持ちが残る。

ちょうど一年ぐらい前に書いた感想もあります。
http://honyonda.seesaa.net/article/398261436.html

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プロチチ(1) (イブニングKC)
プロチチ(1) (イブニングKC)

人とのコミュニケーションが上手に出来ず、会社を辞めてしまった直(ナオ)は、産休が明ける妻と入れ替わりで主夫&育児をすることに。育児初日でテンパりつつも、自分がいろんなことをうまく出来ないのはアスペルガー・高機能自閉症・発達障害といわれる特徴のせいだと思いあたる……ところからはじまる、「プロチチ」として育児をやりながら直が生きる力を獲得していく物語。

妻の花歩とも、幼い息子の太郎や周りの人間とぶつかることもあるけれど、自分を自覚してからの直はめげない。周りも少しずつ理解して協力してくれる。
いごこちのいい職場も見つけ、自分のできること・得意なことを少しずつ活用できるようになって行く……

読者に伝えるちからは、さすがベテラン漫画家:逢坂みえこ先生のすごいところ。
1巻の感想はこちらにも。
http://honyonda.seesaa.net/article/413544775.html
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発達障害は、本人も周りの人も、どちらも「発達障害とはどういうものなのか」を少し勉強するだけで、格段に生きやすい環境になるんじゃないか。ある程度のパターンというかメカニズムが共通しているのだから、自分がなぜイライラしてしまうのか、なぜ相手に伝わらないのか、それを知るだけで今後変えていくことが出来る。
だからこそ、いろんな漫画・書籍・ネットの記事などで、伝え方や考え方を知ることはいいことだと思う。
発達障害ではない人に対してだって、誤解のないように伝えたり、敏感に空気を読める人でないと対処できないようなことを減らしたりできると思うんだよな。いろんな人とのかかわり方を知ることで、普段の人間関係がもっと円滑になっていくと思う。

posted by 藤村阿智 at 14:02| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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