2015年06月18日

犯罪と本

最近、神戸連続児童殺傷事件の加害者が手記を出版したとかで、話題になってます。
神戸連続児童殺傷事件 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

私も出るって聞いたときは読みたいと思ったんですけど、
「出るからには被害者遺族の了解を得たものだろう」と信じて疑わなかったんですよ。
毎年、事件がおこった時期になるとその後の話を気にしていて、毎年出される被害者遺族の方のコメントを欠かさず読んでいた。

今年のコメント内容も届いた加害者からの手紙についてだったけど、いままでとちょっと違っていた。

だからこそ、「被害者遺族の方へ送った手紙のような内容で出るのか」と思ったのだけれど
被害者遺族からは怒りの声が上がっていた。
そんな、被害者遺族の感情が傷つけられるような本は、私は手に取る気になれない。
個人的な感情を抜きにすれば、その本が出ることは禁じられたことでもないし、そこも自由であるとは思う。

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加害者が書いた本といえば永山則夫元死刑囚が書いた小説がいくつもありますね。
永山則夫 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%B1%B1%E5%89%87%E5%A4%AB
神戸の事件と同じく少年犯罪、しかしこちらは死刑が確定し、神戸の事件が起きて逮捕された直後に死刑が執行されたという人物です。
Wikipediaにも書いてありますが、逮捕されて獄中で執筆した本ということもあって、印税は遺族への支払いに当てられたようです。

あとはパリ人肉事件の加害者、佐川氏も本をよく出していましたね……
不起訴になって帰国後で、被害者遺族が他国だから問題にならないんですかね。

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私が読んだ本の中からも、犯罪関連のものをいくつか。
けっこう読んでるんですが、手元に置いておかずに処分してしまうことが多いジャンルなので、いまも手元にあるものを……

加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)

良書です。加害者の家族たちが、事件発覚後にどういう扱いを受けるか。何を思うか。実際どうなったか。
仮名のエピソードから、多くの人が知っている事件の加害者の家族も。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の家族たちが、事件のあとどうなったか。事件の前はどうだったのか。
家族と親しかった記者によるレポートもあります。
神戸の事件の加害者家族も出てきます。そのエピソードで心に残るのは、加害者の親が警察に「被害者の名前をご存知ですか?」と問われて答えられなかったという話。(71P)

普段連絡を取り合ってても疎遠でも、もし家族がいるなら、
自分が犯罪を犯さなくても「加害者家族」になる可能性はある。
そのときどうなるのか。家族は何を思うのか。家族の責任はどこまで? 加害者家族はどう生きればいいのか。
そんなことを考えながら読める本です。

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「連続殺人犯」の心理分析
「連続殺人犯」の心理分析

天才少年、ジェイソン・モス氏による本。
アメリカの犯罪者の中でも、かなり凄惨な殺人事件の加害者であるシリアルキラーたちと、
ジェイソン・モス氏が文通して分析した……という内容。
他に類のない本なので(いまはもう死刑になった加害者とのやり取りがたくさん)保存してある。もう新刊で買えないし。
それぞれの加害者についての紹介と、意外と普通の内容の文通。

最終的にはジョン・ウェイン・ゲーシーと文通の末、面会に行ってしまう。
ちょっとでもアメリカの犯罪について知ってたら名前だけ聞いても震えちゃう感じの恐ろしい人物です……。
で、面会室で二人きりになってしまい、モス氏はゲーシーに首を絞められる。危ういところで流石に助けが入ったけど、もう少しであたらしい犠牲者になってしまうところだった。
ひどい目に遭った。殺人犯との文通はもうやめる。
……というところで本は終わる。

著者のジェイソン・モス氏がなくなったというニュースがあったときは驚いた。
リアルタイムでニュースを見て「えっ!?あのジェイソンくん?」ってなった。
まだ20代だったはず……この本が出版されてから5年後ぐらいですね。

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死刑囚 最後の晩餐
死刑囚 最後の晩餐

これは気軽な読み物です。
うーん、いくらなんでもそんな言い方するのは抵抗があるな……
でも本当に。

アメリカでは死刑の前に食べたいものをリクエストできる制度があるそうで、
死刑囚たちも「これから死刑だけどなんか食べておきたいものある?」って聞かれたら
好きなものを食べたり
別に何でも良かったり
それぞれの個性がここでも見えてくるわけですよ。

本の中身はその死刑囚の紹介と、犯罪の内容の紹介、死刑の方法と。
「トーマス・グラッソ 蒸したムール貝12個、バーガーキングのダブルチーズバーガー、ミートボール、スパゲティ、マンゴー、ホイップクリームを添えたパンプキンパイ、イチゴミルクシェイク」
「ハロルド・マックィーン 2種のこだわりチーズケーキ(丸ごと2個)」
って感じで最後にリクエストして食べたものがカンタンなイラストつきで紹介されています。

上の本でも出てきたゲーシーは、これから死ぬのにカロリーを気にしてダイエットコークを頼んだりって所がまたぞっとして……

巻末には、「犯罪を犯すなら、どの州で実行するか考えたほうがいい。刑務所ミシュラン」みたいな企画もあって、アメリカってすげーなと思いました

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あんまり手元に持って無かったです。
事故のルポルタージュはあまり処分しないのですが、犯罪関連はルポルタージュでも著者と意見が合わないと読んでてつらくなってしまう。出来事だけ淡々と知りたいならネットのほうが私には合ってる。
だから、どこか遠いところの話のような気がしているアメリカの本が二冊もあるのかもしれない。

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アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)
アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)

フィクションで漫画です。

突然小さな子どもの命を奪われた一家。
親が目を話した責任を問う声、マスコミだけでなく一般人からもひどい扱いを受ける被害者家族。
そして家族を殺されてしまったという悲しみ、事件の真相を知りたいきもちがつのる。

犯人は捕まったが、意外な人物だった……
犯人側の家族も巻き込まれ、後悔と贖罪の中で初めてお互いを知り合う。

とにかくどちらの家庭もつらい話。
キレイにまとまりすぎているかもしれないけど、それでもつらいのには変わりない。

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重大事件と本とのかかわりが、今後どうなっていくのか見守っていたいです。

posted by 藤村阿智 at 13:00| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする