桑田乃梨子さんの漫画は発売されたらすべて買うのです。
「だめっこどうぶつ」は、生き物(その種族)としてどこかダメなやつが集まる森で繰り広げられる、
着ぐるみキャラたちの四季の楽しみや、ぐでぐでしたりほのぼのしたりねたみうらみしたりって言う様子を描いた四コマ漫画です。もう10年も続いている長期連載作品ですよ。
7巻も変わらず面白かった。
でも、7巻を読み始める前にカバー折り返しの「作者自画像&コメント」をチラッと見ちゃったんですよ……
!!
っと私が激しく動揺してしまいました。
涙する桑田先生のイラストと、いつも傍らに描かれている愛猫「にょろり」の姿がないのを見てしまったのです……。
中学生の頃に桑田漫画に出合ってから20年以上、ずっとファンで漫画はすべて買って読んでいるのです。
1999年発売の「飼うか飼われるか」という動物エッセイも発売してすぐ買って読みました。
「飼うか飼われるか」は作者が飼っている動物のエピソードではなくて、読者投稿や作者が取材に行ったペット関連施設や動物園・水族館などのレポート漫画が収録されています。
しかしその「飼うか飼われるか」の執筆中(1997年ごろ)に、桑田先生が迷いネコを拾います。
飼い主が現れず、そのまま桑田先生んちのネコになった「にょろり」さん。
とまどいながらも溺愛する様子が少しずつかかれるようになります。
「飼うか飼われるかR」として復刊してるので今もそのエピソードは読むことが出来ます。
元の本より収録が増えているので前の本を持ってる人にもいいかも。
その後発売される単行本の、最後にいつも収録されている「おまけまんが」の中にも毎回にょろりさんは登場するようになります。
にょろりさんが来てから描かれた「真夜中猫王子」は、いままでよりいっそう猫の描写が愛らしくなって、さすが猫を飼うと違うな〜と感じます。
にょろりさんと桑田先生、というエッセイも。
「日々是敗北」
さらに「にょろりがもしかしたら執事のように考え、行動しているのかもしれない……」と
ある意味妄想のような、いやいやエッセイで事実のような、不思議な「現実逃避漫画」である
「ねこしつじ」シリーズもあります。
4冊も。
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桑田先生のマンガについて書き込む2ちゃんねるのスレ(@少女漫画板、最近見てないな……)でも、
以前からおまけ漫画を読んだ人が「にょろり元気そうでよかった」とか「にょろりの近況が気になってオマケ漫画から先に見てしまう」という書き込みをしていました。
「にょろりがシニア向けフードを食べるようになったとあって心配。でも15歳だもんな」って書き込みも見た記憶があります。
あそこの住人のみんなは今どういうことを書いてるのかな。(だからといって見に行く気も起きない……よけい悲しくなりそうで)
読者の多くがにょろりさんのことを気にしていたんだと思います。
私はここ数年、猫のことを考えれば、にょろりさんは20歳近くになっているのだからお別れのときが来るのかもしれない。と思って、おまけ漫画を読むのも勇気がいるようになってました。
なのに「だめっこどうぶつ」7巻では(この記事の最初に描いたとおり)手が滑って本編を読むより先に知ってしまい……
「えっ!! 今回のオマケ漫画にはなんと描いてあるのだろう」と、単行本の最後を見ましたが、7巻にはオマケ漫画はありませんでした。
かわりに、カバーを取った(本体のほうの)表紙に、にょろりさんが旅立ったことがそっと描かれていました。
いち読者にすぎない私がこんなにさびしいなんて、実際に18年も一緒に過ごしていた桑田先生の寂しさは想像しきれません……
改めて、いろんな桑田本のオマケ漫画にすこしずつ描かれているにょろりさんのことを読み返したりしています。