いわゆる「メシマズ」は「料理が苦手な人」ということにとどまらず、
「独自解釈で良かれと思ってアレンジを加える人、思い込みが激しく、しかも出来上がりに違和感を持たない人」
って感じなんでしょうか……賞味期限が切れている、どう考えても合わない食材をあわせる、ほかと違うことはイイコトだと思ってるというか。
私もおおざっぱで、レシピ見ないし目分量ですが、冒険しないし最小限の味付けしかしないので、メシマズにはならずにすんでいるようです(……と思いたい)。
もちろん漫画にもキョーレツなメシマズ系キャラがいますね。
でも考えてみたけど意外と思い出せないもので、とりあえず読んだことある漫画のキャラで思い出せるものを紹介してみます。
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【独創的すぎる奇跡の料理タイプ】
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)
まずはやっぱり私の大好きな「エスパー魔美」から、主人公の魔美くんを。
「缶詰をあける」以外の手順がある食事は、インスタントラーメンですら不味く出来上がるほどの腕前。
魔美くんの作ったサンドイッチを見た高畑さんの感想、「ギハハハ、巨大!」「にぎやかだね。なにが入ってるの?」って食べ物に向けた言葉じゃない!!(笑)
魔美くんのざんねんなところは、そんな腕前なのに料理が好きだということ、「料理は女性がやるもの」というこだわりをなぜか持っちゃってるところ、レシピどおりにやって失敗してもレシピがおかしいと言い張るところ、かな……
でも途中のエピソードでは、料理が爆発した挙句に味見で自分がぶっ倒れて、高畑さんのおいしいご飯に涙したり、お母さんの言うレシピをきちんと守って「食べられる料理」を作ろうと少しずつ成長してるから、大人になったころには上手に出来るようになるんじゃないかな。
【自分の好きなものは皆好きだと思うのかなタイプ】
ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)
ハチクロはね、……はぐちゃんと山田さんがね。両方すごくてね。
ミントのおにぎりとかね。フルーツがご飯に絡まる系とかね。隠し味のチョコが勝ってる系とかね。
本人たちは結構「あらおいしい!」みたいな反応なのもすごいね。生半可なメシマズじゃないですよ。
きっと結構食べられる味なんだろうなあとは思う。パインラーメンみたいな? 男子が食わず嫌いをしているだけでさ!
【何が入ってるか不安系】
ドラえもん(13) (てんとう虫コミックス)
こちらもチャレンジ精神がありすぎて不安になる系。有名な「ジャイアンシチュー」の回が収録されているのは13巻でございます。
ジャイアンは曲を作る、歌う、リサイタルを開催する、ファッションモデルやアーティストにも興味のある、好奇心旺盛なタイプですが、料理にも食材ですらない「セミのぬけがら」を入れてきたり、すでに完成している食べ物「大福」「しおから」もつっこむというすごい独創性です。まさにオリジナル。
英語で煮込み料理の総称だという「シチュー」を料理名に入れてくるあたり、これが「ごった煮」であることを自覚しているとしか思えない。
ジャイアンは各方面でオリジナリティが「サービスを受ける人々」に違和感を与えてしまっていますが、本人の「おもてなしの心」は間違いなく存在している……と思うのですがいかが?
全部自分でやろうとせずに、それぞれをプロに任せる支配人のような仕事に向いてそう。旅館やホテルなど。
ジャイアンさんの魅力については別サイトでさんざん語っています。
よろしければソチラも見てみてください。
ジャイアン心の友の会
http://www.blackstrawberry.net/g/g.html
【荒っぽささえなおせばなんとか……】
パーマン 1 (藤子・F・不二雄大全集)
藤子F先生作品には料理が苦手? なキャラがいっぱいいるんですな……
ちなみに出木杉くんは料理が上手で、のび太も「くやしいけどうまい」って言うぐらいですよ。
「パーマン」ではパー子が料理苦手キャラです。炊飯器でご飯を炊いても炭のかたまりに。なんつうか料理がちからまかせ。
でも正直パー子はまだ小学生だし、普段はスーパーアイドルとして多忙な毎日を送ってるし、「うちではお手伝いさんがやってくれますの」なんてふざけたように言ってるけど実際そうだろうし……
藤子先生の漫画は、女の子キャラたちがみんな魅力的で、なのにステロタイプな「女の子はこうあるべき、男から見た・大人からみた良い女の子はこれ」っていう押さえつけの表現は無いんですよ。たとえそういう風に言ってくる状況やキャラがいても、それは脇役たちで、メインの少年少女はそんなものには反発してのびのびやりたいと思ってる。
藤子F先生自身、3人の娘さんに囲まれて、女の子の生き生きとした姿を間近で見ていたんだろうなあと思う。
いでじゅう!(10) (少年サンデーコミックス)
「いでじゅう!」はヒロインの桃里ちゃんは料理が上手なタイプ。
10巻の夏合宿の回、女子バレー部と一緒にご飯を作るエピソードで、バレー部の後輩・山咲ちゃんが見事なメシマズっぷりを見せてくれる。具のはみ出した餃子。シャクッとなぞのアクセントがたまらない茹でじゃがいもっていう、微妙なラインで料理が出来ない人がやりがちな失敗を出してくるところがさすがモリタイシ先生!
山咲ちゃんも多分、私とおなじで「まいっか」で生きてるタイプ!
【ちょっとずれてるだけタイプ】
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)
主人公・琴子も、ドジでダメな女の子だから、当然のように料理が上手じゃない。
でもさ、「お弁当にネギ」「卵焼きにカラ」「焦げてる」程度はもうたいした問題じゃないよ。
あとちょっとのテクニックが必要なだけ。
素敵な専業主婦のお義母さんもついててくれるし、お父さんは板前だし、入江くんも料理上手だし。
そんな中で自分も料理したい、上手になりたいってがんばるところがえらいですよねえ。
イタkissで好きなシーンは、入江くんに「コーヒー入れるのだけはコイツ(琴子)がうまいから」ってぽそっといわれるところですよ。読んでて「琴子!よかったね!入江くんいい男だね!」って琴子の友達かのようにはしゃいでしまう。
【味覚が合わないタイプ】
うる星やつら〔新装版〕(1) (少年サンデーコミックス)
ラムちゃんが作る料理も、食べられない系ですね。
しかしこれはなんつうか……宇宙の食い物だから……
ラムちゃんの故郷はとにかく味付けが辛いらしい。あと見た目はとがってるね。
ラムちゃん自身は地球の食べ物も問題なく食べられるみたいだし(辛さを足してるときもあるけど)
まさか自分の星の食べ物が地球人に合わないとは想像できないんだろう。
だからそのうち改善するんじゃないか。
テンちゃんには「うちらの食べ物を地球の生き物にあげちゃダメだっちゃ」みたいに叱ってるのにね(笑)多分味以外は地球人にも害がない食べ物……をチョイスしているんだろう。うん。
【ある意味忘れられない食べ物】
ピューと吹く!ジャガー (3) (ジャンプ・コミックス)
それはピューと吹く!ジャガー3巻に登場する食べ物だ……
ピヨ彦の実家から巨大なマツタケが送られてきた……興奮するいつもの仲間たち……
めったに手にはいらない代物、高級食材、ありがたいもの、マツタケ……
ジャガーさんが自信マンマンに「一番マツタケを堪能できる料理を作る」と言い切った……
ワクワクテカテカして待つ一同の下に運ばれてきたマツタケ料理とは……
ガム……
巨大なガム……
確かにマツタケを堪能することが出来たのであった……
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結局藤子ネタが多くなってしまった。
同時に「うまそうなご飯を作るキャラが出る漫画(グルメ漫画以外で)」と言うのを書こうと思ってたけど
いまいち面白くならなそうなのでやめときます。