読んだ。
なかなか読み始められなくて、つい買ってから2か月ぐらい置いたままになっていたけど……
ようやく読みました!
ポーの一族は大好きで、とにかく好きで、別格なのですが
やはり新作も好きだ。
絵柄は変わったかもしれない、でも、萩尾先生の漫画は最新作「王妃マルゴ」も愛読しているし、「残酷な神が支配する」も何度も読んでいるので違和感なく読めてしまう。
中身は変わらず美しいですよ。
ちょっと要素が多かったような気がするけど、それでもすんなり入ってくるし。
キャラクターや舞台、時代、立ち位置やそれぞれの考え方を、説明せずに言葉遣いや立ち振る舞いに入れ込んでくる手腕はいつ見ても本当にすごい。
第二次大戦中のイギリスで出会った、ドイツ人でユダヤ人の美しい少女と、永遠の時を生きるバンパネラのエドガー、アランを中心に、今を生きるということ、永遠に生きるということを同時に描いていく。
エドガーは、最愛の妹を亡くしてからというもの心に大きな穴をあけたまま時を過ごしていて、
出会う美しいものを愛することで穴を埋めようとしているように見える。
エドガーがいれば、一緒にいられればそれだけでいいと思っているアランには
「自分では穴が埋められない」と言う現実が常に突きつけられているようで、アランの立場になっても切ないんだよねえ。
エドガーは大きな心の穴を抱えたまま、ふわふわと幻のように、人々の記憶にだけその姿を残して時を旅している……
また番外編のように、あたらしいポーの一族が描かれてもいいなあと思った。