2016年06月01日

100回お見合いしたヲタ女子の出産記(肉子)

100回お見合いしたヲタ女子の出産記



婚活漫画を二冊出している、肉子さんの最新エッセイ。
最初の子どもを授かるところから、二人目出産まで。

レビューの評価は低めですが……
わたしは期待通り楽しめました。発売がわかってから、読むの楽しみだったんですよ(*´ω`*)

レビューの人たちが期待した内容じゃなかったというのもわかります。
確かに出産の話が詳しく、これからの人には参考になるように書かれているというわけではない。
私の場合、エッセイマンガは大体「描いてる人が好き」っていう理由で買うからなあ……
おなじテーマで、どんなに役に立つ内容でも、面白くなかったり描いている人が好きになれなかったら読んでも面白くないし。逆に参考にしないために、私の行動に悪影響を及ぼすかもしれない(笑)

本の内容をちらっと。
肉子さんがお見合いでであって結婚した相手と、実際の結婚生活はどうなのかという話。
なかなか自然に子どもができなくて、病院で不妊治療の結果赤ちゃんを授かり、出産した話。
いままでの本に載せきらなかった婚活ネタなど。

妊娠して、プレママ学級みたいなところで無駄にペアを作らされたりして
「お見合いパーティーとおなじ!」ってなるところとか、面白いけど恐怖!
私は人と無差別にかかわるのが嫌いなので、そんな「同時期に妊娠している」程度の共通点の人と
積極的にかかわりたくないんだけど……
肉子さんもそんな感じに「しんどい!」って思いながらなんとかこなしてる姿に涙。

エッセイ漫画、私が読んでいて面白いな〜と思うのは、こういう「その人が体験して何を思ったか」という視点ですよ。
だってママ学級でペアを組むのが別に苦痛じゃないとか、特にトピックじゃない「みんなやってる」ことだと思ってエッセイに描かれなかったりするでしょ。でも知らない世界ですよ。「そんなのやるのか〜」って。

ハウツー本を買って、自分の体験しか描いてなかったりしたらちょっと「読むところないなあ」って思うかもしれないけど、エッセイ漫画だもんね。


夫婦揃ってオタクだからこそ、子どもにオタクアイテムを禁止したくなる気持ちも描かれていたり。
確かに自分たちは好きで楽しんでいるけど、人(とくに子ども)には悪影響なんじゃないかって心配になりますよね……


お見合いエッセイのほうの感想も書いてます。
100回お見合いしたヲタ女子の婚活記(肉子)

あれ、2巻の感想書いてなかったか。


 

posted by 藤村阿智 at 11:43| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月13日

進撃の巨人19巻 (諌山創) 感想

進撃の巨人19巻読んだ。

進撃の巨人(19) (週刊少年マガジンコミックス)



ここ数巻は物語がどんどん動いていい感じですね。
とはいえ、思い返せばけっこうテンポがいい漫画なのかな……
リアルタイムで単行本を集めてると「なかなか進まないな〜」と思いますが。

19巻では、謎だったマルコの最後についてが描写されたのと、
巨人側の人(3人)がどういう気持ちで「巨人襲来の日」をすごしていたのか、
かつての仲間たちが殺しあうことについての葛藤がありましたね。

積み重ねた日々と、本来の立場のふたつが揺さぶりをかけてくる。
ここまで見守ってきた読者も一緒につらい気持ちになるなあ。

アクション的にも「どうなっちゃったの?これからどうなるの?」って感じで
20巻も楽しみです……

最大の謎「なんで壁内人類は死を願われているのか」がまだまだわからないですね。
少しずつ語られはじめたけど……
ラベル:少年漫画
posted by 藤村阿智 at 17:10| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月18日

バクマン。(小畑健・大場つぐみ)全20巻【完結】+映画版感想

※映画も観たので感想を記事の最後に付け加えます。
大いにネタバレアリなのでネタバレを見たくない方は見ないでください。


すでに完結している「バクマン。」実写映画化の予定もありますね。
再読中なのでついでに感想と覚書を書いておきます。
ネタバレあり

漫画家について描いた漫画をコラムとして特集しようと思ったんですが、
バクマンはリアルタイムで単行本を購入して全巻持ってるけど、
読み返したことがないな……と思ってこの機会に読み返そうかと。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)
バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

1巻は主人公のサイコー(真城最高)とシュージン(高木秋人)の二人が出会い、漫画を描く目標を同じくするところまで。
恋のために漫画家を目指すってのはいいですね。それぐらいはっちゃけてて、中学生らしい勢いがあるほうがいい。あと、漫画周りのネタが殺伐としてるので、恋愛周りぐらいは思い切ったフィクションがあったほうが読んでるほうも安心しますよね……

読み返してみると、フェミニストの人ならガンガン突っ込みそうなせりふがすごい出てくるなあ。
ヒロイン・亜豆美保ちゃんに対するサイコーとシュージンの会話もすごいし、基本的に「女で頭が良すぎてそつないやつは好かれない」って評価なのがすごい……デスノもそうだったもんね、一番かっこよかったナオミさんは退場しちゃったし。
見吉ちゃん(1巻の終盤で出てくる)は好きなんだけど、彼女も「オバカだけど尽くすタイプのかわいいやつ」って感じだからなあ。バクマンで好きな女性キャラは漫画家の……ってまだ先のほうで出てくるキャラでございます。
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バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)
バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)

2巻。男キャラだと新妻エイジが好きだからがっつり出てきてうれしい。
見吉ちゃんもいいよね〜出てくると明るくなって。
かわりに漫画界隈は殺伐としている。アンケート重視だという現実や、漫画を描く難しさとか……
でも意外と「すげー努力してがんばった → 面白いって言われる漫画が描けた」って感じでぼかされちゃってて、具体的にどういう漫画が描かれてるかってのがわからないからちょっと残念。もちろんそういう「スゲー面白い漫画」とか、「天才が描いた漫画」とかを作品中にだすのが難しいのもわかるし、無くていいんだけど、せっかくだからソコの頭脳戦もリアルに楽しみたいきもちになっちゃう。

バクマンシリーズで一番楽しみなのは、毎回挟み込まれてる「大場ネーム → 小畑ネーム → 完成!」って言うおまけページ。あれが何より、一番漫画を描く上で参考になると思う。
大場ネームの単調でシンプルな構図(これが生きるストーリーもあるだろうけど)から、少年誌向けの迫力と動きがあって、魅力的でわかりやすい画面にどうやって変化させるのかがわかる。
「そうか〜そのコマは一つにまとめちゃっていいんだ」とか……
漫画家志望でバクマンを読んでる人がいたら、何よりも「原稿ができるまで」を熟読するといいと思います。
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バクマン。 3 (ジャンプコミックス)
バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

表紙が新妻エイジ。いいですね。
この巻のみどころは、やっぱり新妻エイジと亜城木夢叶が出会うところかな。
天然天才キャラの新妻エイジと、大部分を計算でこなすタイプの亜城木夢叶だけど、漫画を好きな想いが一緒だからライバルでありつつも仲良くなっていく。
33歳でまだデビューできてない中井さん、だれよりもアツい福田くんも登場するね。
ヒロインのミホちゃんも声優として一歩を踏み出すし、少しずつ前に進んでいる。
進んでいるといえばシュージンと見吉の関係も……

「バクマン。」はテンポがいいから、ほとんどよりみちをしないでどんどん前に進んでいく感じ。
1巻の始まったころからは、実際の時間も1年経ってしまった。

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バクマン。 4 (ジャンプコミックス)
バクマン。 4 (ジャンプコミックス)

連載への長い道のり。
早く連載を始めたくてあせるサイコーとシュージン、じっくり育てたいと思っている担当の服部さん。
まあ大人と子どもの時間間隔はだいぶ違うからねえ。

漫画のほうは新人のライバルが出揃ってきた!
1巻の感想で言ってる、好きな女性キャラである蒼樹紅先生も登場です。
男性キャラだと、漫画家っぽくないおしゃれ(?)な福田さんもいいですよね〜。
たまにいますねこういう漫画家さん……少ないと思うけど……
エイジはあいかわらず、だけど、初登場あたりに比べるととがったところが無くなって、素直ないい子に。確かにこのタイプは自分が納得すると理解と対応が早い気がする。
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バクマン。 5 (ジャンプコミックス)
バクマン。 5 (ジャンプコミックス)

5巻。いやなタイミングで担当が替わるという、初連載だったら不安だろうなあ〜という状況に。
さらにアシスタントが三人来る。やっぱ週刊誌の連載だと3人いるか……
蒼樹先生と中井さんのコンビで描いた読みきりが好評にもかかわらず連載にならないということで、二人の仲も終了しそうになるところは燃えますね。なんとか持ち直したし、これからも信頼を深めていくけど……中井さん……かわいそうな男よ。
恋愛方面では、サイコーと亜豆ちゃんの二人にも波乱が。まあ波乱と言ってもお互いの信じて待ってる部分が揺らいだりとかそういう暗い話じゃないので安心して読めますね……結局ラブラブだし。
5巻で「オッ」と思ったのは、チーフアシスタントの小河さんが「デッサンの狂いが無いか確かめてるか」って聞くところかな。連載作家で絵がうまいというサイコーですら、「苦手な向きの顔はウラから描いてる」って言うところ。細かいところに注目するとより面白いです。
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バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
バクマン。 6 (ジャンプコミックス)

6巻。もうずっとオツカレな目をしてたサイコーがとうとうぶっ倒れる。
入院して手術するハメになってもまだ描くという。
まあ漫画だから、そこで描いちゃう主人公でいいんだけど、体験談だったらまずい話なわけで……
ソコにフィクションらしく「仲間の漫画家たちによるボイコット」っていう非現実が飛び込んでくるところがウマイ。

ロング休載は免れたけど、せっかく再開した連載漫画の順位がやばくて連載終了の危機……
果たして会議の行方は!?というところで6巻は終わって、7巻へ強烈な引きです。

個人的見所は、担当:ミウラさんが珍しく(?)担当として頼りになったシーン。
アンケートの順位が下ってきて、何とかテコいれを……と、原作のシュージンが漫画のネタや方向性を決めるにあたってファンレターを参考にし始める。
ファンが喜んでくれる展開やキャラクターの登場ってのは、誰もが考えるところだとは思うけど。
そのネームをミウラさんはバッサリ「ダメだ!」「一番やっちゃいけないことだ」って切るところがカッコイイ。
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バクマン。 7 (ジャンプコミックス)
バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

7巻は表紙からして、ふたりとも頭を抱え込んじゃってるモンね。苦難の7巻です。
まあ6巻で引いた連載会議の結果、「偽探偵TRAP」は連載終了(打ち切り)になったわけです。
そして次の連載の準備。けっこう慎重になるサイコー&シュージンに比べて、ガンガン行きたい担当のミウラさん。
前回けっこうかっこよかったのに、7巻では「ミウラはハズレ」って扱いに……(笑)
すったもんだとけんかしたり離れワザをしたりして、なんとか自分たちの描きたい漫画を貫こうとする二人。

恋愛関連の話も盛り上がってきていいですね。シュージンの周りは女子が多いなあ〜
蒼樹先生もぐんぐん可愛さが増していくところ。中学の同級生・岩瀬さんも再登場でど〜なることやら、って終わりです。
蒼樹さんと岩瀬さんのやりとりなんか、蒼樹先生のほうが年上なだけはあって余裕の分析ですね。

それにしてもヒロインのはずの亜豆ちゃんは出てこないねえ……設定が設定だから仕方ないし6巻で一杯出て宝いいのかな。
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バクマン。 8 (ジャンプコミックス)
バクマン。 8 (ジャンプコミックス)

いい構図の表紙ですね〜。
8巻は断然、シュージンをめぐる恋模様が見所。
蒼樹紅先生もすっかり可愛くなっちゃって……この辺からの姿を知ってると、最初のほうの蒼樹さんも可愛く見えてしかたない。

漫画のほうはギャグマンガで連載ネームを作ってるけど、苦手もあってなかなか進まないようす。
ツンツンで気に入らないキャラとして1巻に出てた才女・岩瀬さんも返り咲いてにぎやかに……
8巻序盤で(シュージンにとって)意味不明な言動をする岩瀬さんをみて蒼樹さんが「子供だこの子……」って呆れるところが好きです。デスノートの「ダメだこいつ……早くなんとかしないと」に似た雰囲気がある(笑)
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バクマン。 9 (ジャンプコミックス)
バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

この辺面白くてガンガン読んじゃうので、感想をおいてけぼりにしそうになる。
感想を書くのが遅れて溜まっちゃうと、感想を書かなくなっちゃうから、続きを読みたいきもちは我慢して9巻の感想を。

ようやく難産だったギャグの連載が開始。評判は悪くないけど、やっぱり本来得意なものじゃないかんじ……
亜城木夢叶が連載に苦しむ様子の合間に、見吉家の父親とのエピソードが出たり、ひそかに生まれつつあるライバル・静河流の様子がはさまれたり、シュージンが結婚したり。

結局苦手な内容を無理して描いてたギャグマンガは終了させる意向で。
まあ作家が終わらせたくても終わらせられないってのはあるでしょうね……
だからって失踪したらもう二度と漫画かけないだろうし(少なくともその雑誌では……)。

影で暗躍してた服部さんも改めて協力することになって、追い風が吹いている!……と言えるのかな?

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バクマン。 10 (ジャンプコミックス)
バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

ほぼ1巻分かけて、次の連載のためのネームを描き続けてる。
バクマンはテンポのよさはいいところですよね。ムダにエピソードにページ数を割かないところ。

見所は……やっぱ最後の方の連載会議かなあ。会議で話あってるだけだけど熱い展開に(笑)
ベタだとは思うけど……

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バクマン。 11 (ジャンプコミックス)
バクマン。 11 (ジャンプコミックス)

やっぱりまとめて四冊読んじゃったら感想書くのがしんどくなってきた。
読んだのは昨日……とかでも、そのあと続きの巻を読んだら古いほうからどんどん読んでたときの気持ちとか感想を忘れてしまうなあ。
11巻はいままでのちからを終結させた連載漫画「PCP」が開始、ほかの連載陣と直接対決が始まる。

岩瀬さんがライバルとしてガンガン打ち込んでくるところがいいな。
一瞬岩瀬さんと新妻さんのカップルが出来上がるのかとヒヤヒヤするところとかも(笑)
しかし岩瀬さんはもてなさそうですね……美人なのにね……

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バクマン。 12 (ジャンプコミックス)
バクマン。 12 (ジャンプコミックス)

12巻。
表紙は平丸さん。平丸さん好きだな〜。
「PCP」ドラマCD化に当たってとうとう亜豆ちゃんが亜城木作品のヒロインを演じることに。
しかし「PCP」はアニメにならなそう……
アシスタントの白鳥くんも活躍し始める。ほかのアシスタント二人のほうが漫画家目指してたのに、絵が描ければそれだけでいい……って言ってた白鳥君が一番に漫画家への道を進み始める(笑)

白鳥君の絵の描き方にサイコーが驚くところいいなあ。下書きをどれくらいの細かさまで描くかって人によりますよね。確かにあっさり下書きを描ければ描画スピードは上がりそう。
この先、絵の話広がったっけなあ?もっと絵を描く話も読みたかったんだけど。やっぱりストーリーの話が中心なんだよね。漫画の見せ方とかのほうももうちょっと掘り下げて欲しい。

実際のマンガの名台詞を使って盛り上げるところもありますね。
こういうところが面白いところ……で問題なところでもあると思うけど。
現実世界とリンクしてるように見せるところはずるい。面白くなってるけどずるい。

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バクマン。 13 (ジャンプコミックス)
バクマン。 13 (ジャンプコミックス)

13巻はいいですね〜。
シュージンは白鳥君にかまけっぷり……に見えて、見吉ちゃん・サイコーが不安になってくるところとか。
見吉ちゃんぐんぐん可愛くなってくるね。結婚して魅力が増したねえ……
よく考えたらメインの女性キャラには恋人がいて、読者が「俺の嫁」とか言う隙がないね(笑)
見吉はシュージンの嫁(ほんとうにw)で亜豆はサイコー(人名)の嫁って感じで。

恋愛縛りの読みきり合戦が決まって、全員が恋愛モード。
平丸さん&蒼樹さんのカップル好きだな〜。よかった中井さんに押し取られなくて。

最後には脅威の新人が登場して……続きは次巻!
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バクマン。 14 (ジャンプコミックス)
バクマン。 14 (ジャンプコミックス)

13巻の最後で出てきた新人・七峰くんが注目されてから落ちぶれるまでをこの14巻1冊で描いている。
たくさんの漫画好きが力をあわせて作ったら面白い漫画が書けそうってのはわかるけど、
だったら編集部が原作・原案として作った漫画を絵のうまい人が作画すればいいってことに
なってしまうけど、そうはならないってことはやっぱりある程度少人数で作ったほうが面白い漫画が出来るんだろうね……

14巻では中井さんがスーパーアシスタントとして復活、すがすがしいクズっぷりを見せ付けてくれます。
そんな殺伐とした中で蒼樹さん&平丸さんはほのぼのさせてくれますねえ……
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バクマン。 15 (ジャンプコミックス)
バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

15巻。14巻に引き続き七峰君。
担当の小杉さんが出してくるのが辞職願じゃなくて異動願なところがなんかぬるい(どうせ自分で出すなら辞表じゃないのか)
そして七峰君の完全敗北、正直あっさり勝てたのですっきりはしてるけど「やった!」って感じにあまりならずに流しちゃったかな? その後の平丸さんのかっこよさで全部持っていかれてるというか。
「平丸さんかっこいい! 七峰?そんなのもあったっけね……」ぐらいのテンションに……

サイコーが小学校の同級会に行くところはなかなか。小粒なエピソードだけどこういうのいいよね。

そして連載は順調だけど、世の中では漫画のマネをするやつが現れて、作者の精神状態がピンチに。
デスノートとかもまねは出来ないまでも、いろいろ言われてたもんねえ。
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バクマン。 16 (ジャンプコミックス)
バクマン。 16 (ジャンプコミックス)

バクマンはリアルタイムで新刊を買ってたけど、読み返すのは今回が初めてなんだな。
覚えてるけどこの先がどうだったか覚えてないっていう状態がずっと続いてる……

16巻はとうとう新妻エイジ作の人気漫画「CROW」が終了。
読者としては理想の終わらせ方なんじゃ。作者じゃなくてさ。
だって面白かった漫画が最高に面白くなって終わるんでしょ。名作になりそう。

「バクマン」世界のジャンプにも、福田組以外の作家がいる(ONEPIECEとかも連載してるみたいだし)らしいけど、CROWがずっと1位、ほかの架空漫画家も上位をキープとか言われると、
ONEPIECEとかどれぐらいの順位なんだろ……ってついつい思ってしまう。
時間は2016年になってるからね。その頃に終わってるのかもしれないけど。

急に昔の漫画家が面白い話を持ち込んでくるようになって編集部があわただしくなるところで
次巻への引き。黒幕はあの人なんだろうか……
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バクマン。 17 (ジャンプコミックス)
バクマン。 17 (ジャンプコミックス)

17巻。表紙には亜豆ちゃんいるけど、ここのところ本編ではちっとも出てこない。
見吉ちゃんも出てきてはいるけどにぎやかし程度の活躍に……
恋愛方面が作品に影響するのは平丸さんと中井さんぐらいだな(笑)
岩瀬さんはよくも悪くも影響ナシというか……

七峰君が復活して、この世を金と知恵で動かそうとするけど結局うまく行かないかんじ。
こういうところはバクマンも王道だなあと思う。悪いことというか、読者が「そんなのやだなあ」と思う人は成功しないというところ。
七峰君はほんと、ジャンプにこだわらずに他紙でそれをやるか、自分の雑誌を立ち上げれば勝利できると思うんだけど……亜城木夢叶に勝つどころか、ジャンプをつぶせるかもしれないしねえ。

お世話になった編集長が去り、サイコー&シュージンが本当にヒットさせられそうな漫画を思いついたところで、18巻へ続く!
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バクマン。 18 (ジャンプコミックス)
バクマン。 18 (ジャンプコミックス)

18巻。18巻はなかなか盛りだくさんの1冊でした。
読みきり対決から、掲載誌移動までやってのけて連載開始。
ここまで読んで思うけど、漫画のつくりとしてはこの「バクマン」に描いてあるとおり、やっぱり王道なんだよね。読者の「予想を裏切る」ようなエピソードが語られつつ、読者の「期待を裏切らない」展開というか。
つまり「いままでに観たことが無い!」と思わせながら、実は「いつもの安心できるパターン」にはめているという。

この巻の見どころはやっぱり平丸さんと蒼樹さんだよね。
平丸さんのプロポーズ大作戦は、「ドラえもん」ののび太的な状態になっちゃったけど、逆に女性が読んでもなんだかほっこりして「こんな風に結婚申し込まれてみたい」って感じなんじゃないでしょうか。
「壁ドン」ばかりじゃないですよドキドキイベントは。
普通に考えると「平丸さんは蒼樹さんのどこが好きかって聞かれて『顔!』とか言ってたし、蒼樹さんが年を取ったらどうなるんだろう?」って心配しちゃうところだけど、蒼樹さんが才女でいい人だから、結局年を重ねても魅力がかわらずに、平丸さんもずっとドキドキメロメロのまんまなんじゃないだろーかという安心感がありますね……
どっちかというとサイコー&亜豆のほうが心配(笑)
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バクマン。 19 (ジャンプコミックス)
バクマン。 19 (ジャンプコミックス)

バクマン。 20 (ジャンプコミックス)
バクマン。 20 (ジャンプコミックス)

バクマン最終巻に向けたエピソードが続く、19巻と最終巻の20巻。

最初から「漫画のアニメ化、恋人の亜豆がヒロインの声を演じる」ってのが目標で、それをめざして20巻近く活動してきたわけですよ。ライバルたちとしのぎを削ったのもすべてそのため。人気を取るのもすべてそのため……

19巻では、人気を取るために考えて書いた漫画がとうとうアニメになる話が来る。
しかし、アニメに必要な「連載が続く」という条件を考えずに書いてしまったので、納得の行く終わらせ方をすると、1年程度で物語が終了してしまうという問題が発生。
……先ほどの「アニメ化だけのために」がんばってきてた姿勢と、ここはブレてるんだよなあ。
ココに来て突然「納得の行く形で連載を終了し、後に残る名作として完成させたい」ってのが、今までと別人の願いみたいに感じる。
ここまで何度も違う漫画を連載してきて、あせることもないって言う心境になったということなのかなあ……
一応「亜豆にとっても(傑作のヒロインという)代表作になってほしい」という理由付けみたいなことはあるけど。

連載が短いけどアニメ化することも落ち着いて、あとはヒロインに亜豆が選ばれれば大団円なんだけど、
ここでもひと波乱。
なんと漫画の作画担当と人気声優の純愛が発覚☆
コネなんじゃねーのかって言う疑惑がもちろん持ち上がる。

亜豆ちゃんががんばったり、周囲にも「熱い思いに答えたい」って言ういい人がいたからハッピーエンドにはなったけど、実際だったら「なんか変なうわさたっちゃったな。どんなにうまくても今後亜城木と亜豆の組み合わせは避けたほうがいいな」ってなりそうです……

この最後の展開も、王道らしい読者の期待にそった展開でよかったです。
そこに「川口たろうの日記」っていうアイテムを絡めてきたところが「なるほどな〜」って感じ。
真城さん亜豆さんおめでとうございます。
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【全20巻総括】

読み返そうと思ったきっかけは、とある人が
「高校生の息子が『バクマン。』のことを、絶対感動する、すごくいい漫画だから読んで……と薦めてきた」
と言っていたから。40代のかーちゃんに、高校生の息子が、すごくいい漫画だ、読めというほど。
私も1巻から20巻まで全部読んだけど、そんなに良かったっけ? っていうか高校生が感動するような内容だっけ? とおもって読み返して、やっぱり「わかるけどなんかイヤだなあ」とちょっと思ってしまった。
イヤだなあとおもった気持ちは具体的に語らなくても、多分高校生も、自分が大人になるか、いろんな漫画や映画や小説に触れていけば、だんだんバクマンの順位も下っていくんじゃないかって思うから大丈夫だと思うんだけど……



いえ、漫画としては良くできてるし、面白いと思いますよ。
キャラクターも魅力的。
まさに、大場つぐみさんはこのバクマンに出てくる高木(シュージン)タイプの原作者なんだと思う。
バクマンで繰り返しいわれてた、「天才じゃなくて計算するタイプ」。(天才でもあると思うけど……)
だからノンフィクション(実際にある風景、実在する人物、本当のシステム)をうまくフィクションにいれてくることで、フィクションだけでは作り出せない面白さを作ってるんですよね。
これが同じ内容でも、架空の世界で行われている架空の少年漫画で連載するための漫画家バトルとして描かれていたら、ここまで面白く感じないと思うんですよ。
そこまで計算して、ノンフィクションを混ぜ込んで「事実は小説より奇なり」ってのに価値を見出すタイプ(つまり一般の人だけど……)に受ける内容を計算していると。

あと、キャラクターを本当は大事にしていない感じが出ていて……
バクマンでも途中に「一話完結じゃない一話完結」みたいな説明が出てくるけど、「以前に張った伏線のような設定を引っ張ってくる」って言うのを、実際にバクマンの中で使っているわけですよ。
いざとなったらその設定やエピソードは使わなくて終わっちゃっても「回収されていない伏線(謎)」にならない程度のエピソードを用意しておいて、後で持ってきて「あのときの話がここで生きてるのね」って思わせるのがうまいというか。

私が「この人はキャラクターを大事にしてるな〜」って思う漫画では、同じように昔のエピソードが再び語られたりつながったりするけれど、計算じゃなくて「このキャラクターのエピソードを読者に伝えたい」って言う気持ちが伝わってきたりするんだけど、バクマンではそこも計算されているように感じてしまう。
静河くんのその後なんてムリに書かなくてもいいんですよ!
「神の視点」で物語を見てきた読者(=神)に、キャラクターのその後をとりあえず全部報告してる感じに見えてしまうというか……「あの人どうなったの、存在をわすれてるの」ってつっこまれたくないダケなんだろうかとかんぐってしまう。

考えればジャンプの漫画はそういう感じの漫画が多いかもしれない……
ワンピースで「あのときのあれがここで!」って思ってもキャラクターを大事にしてるな〜って思うことが無いというか……

同じ作者だから比べてもいいかな?ということで、
デスノートと比べると、デスノートは上記の「キャラクターを大事にしている風」が見えなくて、逆にいさぎよいところがいい。「あの人のその後」を計算で描いたり掘り起こすよりは、主人公周りの事件を決着させたらほかは言及しなくてもいいんじゃないか。
ノンフィクションをあまり混ぜ込んでこないところもいいと思う。設定をしっかりさせたフィクションのルールでどれだけやれるかっていうのはわかりやすいし、漫画というジャンルで真っ向勝負って感じがかっこいいよね。

バクマンも、「努力・友情・勝利」を描いた漫画だとは思うんだけど、努力はいまいち見えてこない感じだったかな。なんかいつの間にかスキルがあがってて、本人たちも描写的にも「天才じゃない、計算する努力タイプ」ってなってるけど、結局は天才だったのかな……って思っちゃう。
まあ、ジャンプの漫画家には天才じゃないとなれないですよ。

ジャンプに絞ってたからしょうがないけど、他にもいろんな漫画家がいて、いろんな漫画家という仕事の進め方があるって言うことも読者に伝わればよかったかな……


ぐちぐち文句ばかり言ってますけど、漫画家を描く漫画の中でも異色で面白いものだったと思います。
少年漫画らしい王道の物語で、この漫画こそが何度も作中で言われていた「王道の邪道」作品だということが一番のみどころなのです!


--------------------------------------------------2015/11/18追記

【映画版「バクマン。」感想こちらから。】ネタバレアリ。

映画版、実写のバクマン。も観てきました。

大胆な改変もいくつかあったけど、原作そのまんまなところもあってなかなか面白かったです。
特に中盤まで、映像の見せ方なども「おお〜こんな映像やストーリー、映画で観られるのか」と思うほど新鮮で面白かったです。
その分、後半でいまいち失速した感じがあるかも。
つまりピークは真城&高木がエイジとまんが対決(心理描写としての対決)するシーンがクライマックスに感じたということ。


大胆な改変はまず、亜豆ちゃんと真城の関係が変わっていること、新妻エイジの性格。

亜豆ちゃんは真城と両想いってのは変わってないのですが、亜豆ちゃんがぐんぐん立場をUPさせて引き離して行き、とうとう真城は置いていかれてしまう。かわいそう。夢に向かってがんばってたのに、カラダを壊して、落ち込んでるときに振られるっていう最悪パターンですよ。もともと、原作でも序盤はおとなしめで印象が薄めのヒロインだったのに、映画ではさらに嫌な女の子になってしまってるような……いっそ両想いでもなくするか、そもそも亜豆ちゃんを出さないってのもアリだったかもなあ。

新妻さんは、原作では「天才だけど漫画への愛ゆえに他の漫画家へのリスペクトもハンパなく、行動的で素直な性格、先の道を開拓していく先駆者」としてカリスマがあったとおもうんだけど、映画では天才にはちがいないけど嫌なやつっていうキャラになってて、まあ2時間の映画でわかりやすいライバルにするためにはそうするしかないと思うけど、エイジファンの私としてはさびしかったな。

細かいところでは、私がバクマン登場キャラで数少ない好きなキャラ・見吉ちゃんと、女流漫画家の蒼樹さんは出てこなかった。まあしょうがない。かわりに中井さんが遅咲きの漫画家に昇格していた。

ラストの展開は急な感じだったかな。あんなにがんばってアンケート1位をゲットしたけど、その後人気は急落、数ヶ月もしたら打ち切りで連載なしの無職状態に。高校も卒業だし、どうすっぺ……新作描こ!ってところで終わってるんですよ。
病院抜け出して、肝臓の数値が悪い状態を押してまでがんばったのにね……

あと、高木がなあ。原作担当はすることなさそう、な感じ? アシスタントがいない状態で描いてたから、高木がアシスタントのようなことをやらされてたし、原作は片手間にアシスタントも出来るのか〜みたいな印象に。
高木も真城も、とくになにかをやってるふうでもないのにぐんぐん上達して「短期間でうまくなってる……!」ってなるのは、原作どおりです(笑)


よかったところは、平丸先生のキャラと、服部編集担当、福田さん、中井さん、編集長のキャラ。
キャラは総じてよかったですね。川口たろうもすごくよかった。
平丸先生は原作のようなかわいさがなくて、とにかく金にうるさい芸術家みたいだったけど、それでいいんです。平丸先生のシーンは劇場で笑いが起こってた。
服部さんも、原作のようなわかりやすい熱さはないものの、マジメでキャラが立っててすごいと思った。


おまけ。藤子不二雄ファンとしては、細かい見所がいっぱいありましたね。
集英社で、ジャンプの編集部だとはっきり言っているのに、なぜか編集部内とか個人の持ち物にドラえもんやオバQ、パーマンなどがたっくさん。
「キャベツの炒め物」「毒ヘビは急がない」「オレの恋人はまんがや!」など、トキワ荘&まんが道ネタもいろいろ。

映画バクマンを観たらまんが道が読み返したくなって、いま1巻から読み返しています……
(まあ、バクマンは今年読み返したばかりだもんね。)
posted by 藤村阿智 at 10:40| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月02日

3月のライオン11巻(羽海野チカ)

3月のライオン 11 (ジェッツコミックス)



10巻はなかなかの盛り上がりだったので、その続きである11巻は発売されてさっそく買いました。

10巻で登場して読者の敵意を一身にあつめたであろう、三姉妹の父親は11巻でなんとか撃退。
よかったよかった。
ちゃんとあかりさんががんばったところも良かったですね……
こういう展開でありがちな、「でもちょっとはいいところもある人間だった」とか、「いい人間のいい行いでわるいやつの心が動かされて、この後いい方向へいきそうだ」って言うごまかしではなくて、
「やっぱりダメな人間はダメだから遠ざけるしかない」って方を描いてくれたのは良かった。
最近そちらのほうが流行っているので、あちこちでみる意見・対処のような気もするけど、三月のライオンほどの注目作でやってくれることの意義はあると思う。
漫画なんだから救いも欲しいとはおもうけどね。

零くんの恋というか未来設計、周りがなんとなくぼやかして先に進めなくしちゃうのはかわいそう
(;;)
たまにはこういう恋で、猪突猛進する展開があってもいいじゃんかよ(;;)
もう家族になっちゃえよ……
もたもたしてると、羽海野先生の絶望的展開手腕が発揮されて、ひなちゃんが(最近とんと出てこない)後藤にかっさらわれるかもしんないと思って不安じゃないか……出てこないから逆に怖いよ……


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2015年08月11日

進撃の巨人17巻(諌山創)

進撃の巨人(17) (講談社コミックス)
進撃の巨人(17) (講談社コミックス)

ネタバレがど〜してもいやな人は以下スルーで。たいしたこと書かないけど。

17巻も16巻に引き続き面白い展開。
いままで引っ張ってた数々のなぞが明らかになっていくからすっきりするのかな。

ラストでも、ここ最近放置されてた別件の問題に言及してて、次巻にも期待しちゃう。
私だけなのかもしれないけど、実はキャラの顔の区別がいまだにちゃんとできてなくて、
「あれ?この人とこの人同じ人なのかな……?」って不安になっちゃう。
最後のメガネの人って……でもちょっと確認したけどめがねも若干違うような……うーん……
って感じです!!

しかし、人気漫画だから長々と語ってもおかしくない過去のエピソードも、すっきり簡潔に語りますね。
こういうのは、サイドストーリーが外伝で充実しているからでしょうか。
私は原作以外はアニメしか見ていないので答え合わせ出来ませんが、原作のテンポが適度に速いのは好きですよ。

進撃の巨人、「擬音が面白い……」とひそかに注目してるんですが、
17巻で一番気に入ったのはウソ予告の「ポチョム」っていう音です。
ポチョムって。諌山氏は若いはずなのに、なんか擬音が懐かしい感じ。
ラベル:少年漫画
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2015年07月27日

フイチン再見!(村上もとか)1巻〜5巻

【5巻の感想を追記しました:2015/7/27】

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

とっくに書いたと思ってたのに、まだ感想書いてなかった。
いま、4巻発売をきっかけに再読中です。

女流漫画家・上田としこさんの人生を描いたマンガ。すごい。
上田としこさんといえば、私には「フイチンさん」でおなじみのひと。
母が「フイチンさん」が大好きで、復刻版を購入して、私も読みました。
その後大人になってから、アニメビデオが発売されたことを知って、それを制作会社から通販で購入して、母と一緒に見ました。
でもそういうきっかけがなかったら、私の世代には上田としこ先生は、まったく身近じゃない作家かもしれない。
上田トシコ - Wikipedia

長生きなさって、2008年に90歳でなくなったときはニュースで聞いて亡くなってしまったことに驚きました。
いつまでもフイチンさんみたくお元気でいらっしゃるような気がして。

この「フイチン再見!」は、そんな上田としこ先生の生涯を描くマンガになると思います。
もちろん、作品以外の先生についての情報はほとんどなかったので、こうやってマンガで読めることはすごいことだと思ってます。

以下マンガの感想。

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

1巻は、第一話で上田としこ先生が漫画家として活躍されているシーンから。
もう第一線の人気作家として、多忙な毎日を過ごされ、一緒に住む家族たちの生活を支えています。
そこに、なくなったはずの父親の幻が現れる。会話しているうちに、思い出されるのは幼い日から今日までのこと……

ハルピンでの生活が描かれる1巻。私、そういえばハルピンのことなにもしらないな。だから、西洋のような町並みがあったということ、そこに日本人、中国人、ロシア人、ユダヤ人とさまざまな人が住んでいたこと。なにもかも興味深いです。日本人で、お嬢様である「としこ」も、楽しみも悩みもあるのです。

1巻の後半では東京へ戻ってくる。学校は日本の学校へ通うため。兄の友人からの紹介で、イラストレーターで漫画家の松本かつぢ先生の弟子になったものの、先生はなにも教えてくれないで、もって行く絵やマンガにマルバツをつけるだけ。
それも6ヶ月続けていたら、先生からイラストの仕事をいただく。

周りの女学生は、どんなお相手のところへ嫁ぐのか・どういうお嫁さんになるのかを考えているのに、としこはひとり自立するためにマンガの道を目指す。

フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)

2巻。先生の紹介もあって、新聞に連載を始める。
父の反対も押し切って、マンガをもっと上手に書けるように、東京で絵の練習を続ける。
日本は戦争の時代に。絵を描く、マンガを描く、それももしかしたら危ういかもしれない時代。
友人の紹介で出会った近藤日出造氏には、「お嬢さんすぎて世間離れしているから、漫画家に向いていない」といわれてしまう。
働いてもっと世間を知ったほうがいい。とのアドバイスを受け、仕事を探すものの、女性の給料はとしこが父から送ってもらってる仕送りの3分の1しかないことを初めて知り愕然とする……

今まで読んだ戦争時代の話と、あまりにかけ離れた生活をするとしこの姿が逆に目新しい。
こうの史代さんの「この世界の片隅に」でも、戦時中といえども楽しみをもって暮らしたり、節約の中に贅沢を感じていたりと、「戦争は戦うだけじゃなく、生活のとなりに戦争があるんだ」ということを改めて感じたものですが、この「フイチン再見!」でのとしこの姿は、贅沢ができないはずだった時代に、多くの民衆より一段上の裕福な生活を送る人がいたこと、そしてそんな人ですら戦争の渦に巻き込まれ、世間の目を感じながら生き、思うがままには生きられなかったということを表していると思う。

・真珠湾攻撃・開戦の一報を、としこが銀座のパーラーで久しぶりのホットケーキをランチにほおばりながら知るシーン
・ハルピンでの生活中に雑誌や文化などで触れたアメリカの大きさ・強さを、裕福でインテリだからこそ肌で感じている
というところは、いままでに私が読んだ戦時中を描いた作品の中には出てこなかった、新しい目線だと思った。

フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)

3巻。画学生仲間の弦田氏に肖像画を描いてもらい、これまでの仲間と学んだ3年間を想いながらハルピンへ「帰国」するとしこ。
過激なハンガーストライキを経て、働くことを父に認めてもらったとしこは満州鉄道に勤め始める。
巨大な、国家そのもののような鉄道会社。
そこで知る、勤労女性の待遇の低さや、周りの人間とどうかかわっていくかの経験。
貧困と罪が身近に転がってるのを知る。
このマンガ、出てくる風景もきれいで人々も服装もみないいんですが、食べ物がおいしそうでいいですよね〜。としこがいいものを食べてるってのもあるかも(笑)
女性の環境を向上させるために立ち上がったとしこと、それを良く思わない人たちとの対立もある。
3巻はマンガをほぼ描かない。一回だけ、ポスターをマンガのように描いて、自分が人に与えられるマンガとは何かに気づくシーンは、この先重要になってきそう。


フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)

4巻。滅私奉公にいそしむとしこは、志願して慰問列車に乗り込み、鉄道沿線の各所をめぐる。
そこでも、であった少年たちの心をつかんだのはとしこが描くマンガ!
1945年8月を迎えて、日本は戦争に負ける。「だが、満州の日本人の”戦争”はここからはじまったのだ――」という裏表紙の言葉通り、あっという間に変わっていくとしこの周辺。
終戦の日はもう我慢せずにケーキを食べに行く! と息巻くとしこだけど……
戦争は終わったはずなのに、敗戦国としての試練がつぎつぎ襲ってくる。

本当にすごい話ですよ。この辺の、終戦後の満州のエピソードはほかの本でも読んだことがなくて、いままで触れてこなかった。上田家の居住していたアパートメントに三千人の日本人が避難してきて、ちからをあわせて共同生活を始めるんですよ。すごい……
「絵がかける」ことはここでもフルに活用される。

5巻の予告が最後にあったけど、不穏な感じですね……1巻の冒頭で語られてるからわかってるけど、つらいエピソードが増えそうだ。

フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)

4巻で終戦。5巻は終戦後ハルピンに残った日本人に起きたこと。
敗戦国・日本へ、掌を返したような中国・ソビエトからの仕打ち。
あちこちで起こる残虐な出来事が「明日はわが身」という不安のなか、としこたちは家族でひっそりと生きていく。
それでも、人気漫画のキャラクターを拝借して書いた絵が売れるところなどは希望もありますね。
また、日本が負けても変わらずに支えてくれる現地の中国人のあたたかさ。
行きずりの中国人兵士から受けた寛大な対応もあって、どんな状況でも100%つらいってことはないのかもしれないと思える……

シベリア抑留の話もそうだけど、終戦で日本はあっという間に復興に向かって、昭和30年には近代化が進んでるのに、海外に取り残された人たちの終戦後の苦労は大変なもの。
自分の国に帰るってことがこんなに大変だとは。

劣悪な状況の中、やさしくしてくれた人たちとも別れて日本へ向かうとしこたち一家。
でも、移動を始める前にとらわれてしまったお父さんがどこでどうしているか気になる……
っていうか、ああ……つらい展開です。そして6巻へ続く。


【続きを読んだら追記します】
ラベル:漫画家マンガ
posted by 藤村阿智 at 10:44| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

僕だけがいない街6巻(三部けい)

僕だけがいない街 (6) (カドカワコミックス・エース)


1巻から5巻まで出てるところで購入したので、そこまでは がーっと一気に読んでしまった。
間をおいて6巻の発売。


【以下ネタバレあり】

5巻の途中まではうまくいきそうだったのに、やっぱりあの人が犯人だということが判明……したところで主人公・サトルは退場するハメに。

いままでは時を巻きもどすちから「リバイバル」を使うことでなんとかやり直してきたけど、
自分の危機にちからを使えなくて(使えないルールなのかは微妙なところ。本人もちからの詳細をわかってないみたいだから……)
巻き戻った分の時間を、眠ってすごしちゃってほとんどスタート地点に戻ってきてる……ってかんじかな。


「真犯人」の過去のくだりは、まああってもよかったけどなくても良かったのかも。テンポがそこだけ違う気がして。

目覚めたサトルが、自分が活躍して解決したはずの過去を覚えていないというのはなかなかびっくりしたし面白い展開だと思った。

この後は真犯人との決着までが描かれるのかな。10巻以内……あと数巻でまとまれば全体的に面白い漫画になりそう。

なんとなくはまりきれないのは、やっぱり能力の範囲・弱点・制限・引き金がわからないせいかなあ。
私はお堅いSF脳なもんで……とくにタイムトラベルのちからって言う、いろんな能力の中で最強クラスのちからの適用範囲や条件が解析・説明されないのはつらい。

私自身が「タイムトラベルは怖い」と思ってるからなあ……うまく行ってる展開のときのほうが、「せっかくやったのに過去に戻っちゃったらつらい」って言う不安が「僕だけがいない街」を読んでるあいだずっと心のどこかにある。

あー、「ひぐらしのなく頃に」で何度も「ああーうまくやったのに……」って気持ちを覚えてるせいかな。あれはでも「そうなる条件」がなんども説明されてたからがんばれたんだよな〜。
posted by 藤村阿智 at 13:54| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月07日

逃げるは恥だが役に立つ1巻〜4巻(海野つなみ)

hontoで電子書籍版1巻が0円だったから読んでみたんですよ。
kindleでも0円なんでよかったら試し読みをしてみてください。
ただし試し読みをしたらいまでている分全部を買ってしまうでしょう。私がそうでした。

逃げるは恥だが役に立つ(1)


森山みくりさんは就職難の昨今、就活がうまくいかないからと大学院まで行った結果、余計に就活がままならなくなり、派遣で働いてみたもののそちらも契約終了。しかも親は遠くへ隠居するという。
そこで、みくりが仕事として家事代行をしていたクライアント・津崎平匡さんと相談の結果、
契約結婚! 仮面夫婦! 愛はない事実婚状態
……に仕事として取り組むことに。









4巻まで読み終わって。

二人は! 契約結婚したときは足並み揃って、お互いを一番理解して、上手に結婚生活を送っていたのに!
いまや契約結婚をこじらせてしまっている


少女マンガ……というかヤング向け女性コミック? (kissはどういう位置づけなんだ……)
なのでさわやか〜で大人な悩みの少女マンガという感じなんですが、
とにかくこれはジタバタ案件ですよ!(※読んでいると照れてクゥ〜となってモッハァー!となってもどかしくてジタバタしてしまうという案件)


あんまり、人がちゃんと話し合わないでお互いモンモンとしてるだけですれ違っちゃうのって好きじゃないんですが(自分がそういうタイプなので同属嫌悪です……)
この二人はいい感じですね。まだ我慢できるし、みくりさんかわいい。小賢しかわいい。平匡さんかわいい。ジャスト私好み。いちいち童貞っぽいところとかこじらせちゃっててめんどくさいところとか。いや二次元の好みの話ですけど……
主人公として読者寄りのキャラであるはずのみくりさんも、実は考えが読めないキャラクターですね。
だからまだどうなっていくのかわからない。


特殊な舞台設定やキャラ設定でもないのに、ひとつのとっぴな「契約結婚」という話題だけでここまでぐっと来る内容にできるのが作者さんのすごいところ。さすがベテランですね。世界もそんなに広くないところで展開しているのに、このこじんまりさがテーマにあっててちょうどいい。


5巻まで出ているんですが、ほかの本も買う関係でとりあえず4巻までにしちゃったので、はやく5巻が読みたいような、読んじゃったら今度6巻が出るまでが長いような。


こちらもどうぞ。
逃げるは恥だが役に立つ 5巻〜8巻の感想
ラベル:女性
posted by 藤村阿智 at 16:30| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月30日

銀の匙13巻(荒川弘)

銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)
銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)

【ネタバレ少しあり】

13巻は細かいエピソードの積み重ね巻といった感じ。
とくになにか大きな出来事があるわけじゃないけど、
いままでの行動が少しずつ結果になって進んでいく様子を見せている。

馬術部での部活動の集大成として大会出場。
勉強の成果あって御影ちゃんも大学の推薦を受けられる(?)ように。
八軒と大川先輩の会社も少しずつテストを重ねてる。
それぞれの卒業後の進路も固まりつつある……

13巻の最後では駒場からのなにかありそうな連絡、で14巻に引き!
ラベル:少年漫画 北海道
posted by 藤村阿智 at 11:24| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

親なるもの 断崖(曽根 富美子)第一部、第二部【完結】

WEB広告で気になっていた漫画をとうとう買って読んでしまった。
「親なるもの 断崖」
昭和初期、北海道・室蘭に生きた女郎たちの話。
広告を目にした人は多いのでは……「しこめの女郎が誕生した」っていうなんか怖そうなバナー画像が印象的なもの。





広告自体は「まんが王国」のものなんですが、スマホ用の漫画サイトなのね。
読みたいな〜って思ったけどスマホで漫画読むの好きじゃない。好きな漫画の二冊目・電子版をスマホで見るってのはやるけど、初めて買う漫画はせめてPCで見たい。

……と思ってたら、まんが王国で人気が出て、書籍が復刊するんですって。
でも書籍はまだ発売されてなかったし、値段も高めになっちゃうので、kindleで購入。
一気によみました。

いや、一気によまざるをえない。
以前ケッチャムの「隣の家の少女」を読み始めたときに、あまりにも悲惨な描写が続くので「物語を終わりまで見届けることで、この話から脱出したい」と思ったときと同じきもちになっていた。悲惨だな〜と思ったときに途中でやめられる人すごいなって思う。結末すら悲惨だった場合でも、物語が終わってないと悲惨な状況がずっと続いているような気がして……(「隣の家の少女」感想はこちら


以下、「親なるもの 断崖」のあらすじ、感想など。ネタバレありだと思います。
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開拓使、軍事需要でたくさんの人が流れ込んできた北海道。室蘭は断崖に囲まれた町で、人々は鉄工所で働き、線路を引き、森を切り開いた。
同じ頃日本中で農民は貧困の中にいた。「親に売られる少女」が続出、物語の中心になる四人の少女も貧困のために生まれ故郷を離れ、室蘭の遊郭で「女」を売るためにつれてこられた。

……とまあ最初の設定から暗く重い話です。第一部はとくに、笑えるところもなくてずっと重い。
松恵、梅の姉妹は器量よしで人気が出ると思われたが、すでに16歳になっていた松恵は初日から「客を取らされる」。そしてショックで首をつってしまう……
残された梅は大好きだった姉ちゃんの分まで働く、と11歳にして女郎になり、あっという間に一番人気の女郎に。

小学校を出ていて教養と品のある13歳、武子はカラダを売る女郎ではなく、芸を売る芸妓に。

だれよりもまっすぐに、貧困で苦しんでいる親を楽にさせたいと、カラダで役に立ちたいと思っていた道子は器量がわるいという理由で女郎にもなれず下働きに。


吉原とか、京都とか大阪の遊郭のイメージはちょっとはあったけど、室蘭の遊郭ってワタシにはイメージが無くて……もともと都だとか人がたくさん暮らしている都会の「遊び場」と違って、男たちもひどい環境で働いている中で、ストレスを発散するために設置されている遊郭だからなのか、このまんがの舞台になっている遊郭は本当に環境がひどい。

さらに遊郭にもレベルがあって、四人が来た遊郭は「幕西」でも上級な場所。もっと悪い場所がたくさんあるらしい。
ずっと下働きをさせられている道子は、自分もきれいに着飾って客を取りたい。男に必要とされたい。と、下級の女郎に成り下がって壮絶な環境に自ら落ちていく。
でもこの物語の中で、一番笑顔のたえないのは道子なんだよね……


さらに戦争がはじまり、戦争は日常を大きく変え、戦争が去った後にはほとんど何も残らなかった。
でも室蘭の断崖を親とし、その懐で生き、子でありながらまた親となっていくという生き様が描かれていました。


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戦争の話や、歴史の話では、ちょっといまだ論争が続いている部分を断定している描写もあって
素直に「歴史の中にはふだん語られることの無い、こんなことがあったんだ〜」と思い切れないところもある。
第二部はとくに、同じ苦しみと問いかけが何度も繰り返されるので、読んでて混乱するというか「進まない」感じがあるかも。
ラストは見事でした。救いがないと途中で読むのをやめちゃうよりは最後まで読んだほうが読者は救われるだろうね。

あと、広告を見て「こういう内容のまんがかな」って思うと多分違います……
少なくとも「しこめの女郎が誕生した」っていうのが内容ってことはないです。
お梅ちゃん(美人の女郎さん)は脇役で、しこめの道子ちゃんが悲惨な目に遭う話なのかと思ったら、もうずっとお梅ちゃんが主役のようにハードモードでキツイ話でした。
なんか広告でも道子ちゃんがぶさいくぶさいく言われて見世物になってるようでかわいそうよ。いい子なのに。

amazonレビューには「男がクズばかり。もっといい男もいるとおもうけど」ってあったけど、場所や環境を考えるとこういう人ばかりでも不思議じゃないし、そもそも女郎が人間として扱われてないんだからこうなってもしょうがないだろうなと思う……
男の中では、茂世さんはいい男ですね。
ラベル:女性 完結
posted by 藤村阿智 at 11:33| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月04日

うちの妻ってどうでしょう?7巻(福満しげゆき)

うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)
うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)

福満しげゆき氏の、愛妻を観察した四コマ風エッセイまんが。7巻。最新刊にして最終巻になってしまった。

年に一冊ずつぐらいだけど、出るのを本当に楽しみにしてたんですよね……
「僕の小規模な生活」のほうも6巻で止まっちゃってたので、題材の似たこちらも楽しみにしてたというか。
ほかのも買いましたよ。
福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
こちらとか。

「うちの妻ってどうでしょう」6巻ではとうとう家を買い、子どもも二人になって、ほんとに……
「僕の小規模な失敗」から見守ってきたわけですよ……
同世代で、自分と似たところがあるというか……学歴が高いわけじゃないけどなんか自分は賢いような気がしているのに、本物の高学歴よりやっぱり劣ってることにうちのめされたりとか……あと……生活力のとぼしさとか……

文体まで福満氏っぽくなってしまった。

最初は「なんだこの四コマ風になってるけど四コマずつじゃない漫画は!」って思ってたし今も思ってますけど、でも楽しみにしてたし読み返しもしてたんですよ。

7巻は、もう早いうちから終了が決定していたようで、そこに向かってちょっといままでの形式を変えてみたり、漫画が終わることへの不安を綴ってみたり、いつもどおりといえばいつもどおりですけど、さらに光る何かがあったように思います。

妻の描き方について某先生からも指摘があったとのことで、ちょっと初期の描き方にもどす感じになってます。正直うれしい。妻かわいいよ。妻〜

「ボクとゾンビ」というテーマから、あの「新作ドラマの設定が福満氏の漫画に似てる」騒動の悲哀まで描かれているのですが、字が多い(笑)

7巻で好きなエピソードは

■176話のあのメニューが夕食に並ぶときに必ず言う言葉
 こういうの好き(笑)一見つながりがないところがまたいい。

■178話〜179話の盛り土のはなし 家の周りに突如謎の盛り土が置かれるように……
 原因には早い段階で「アレじゃないかな……」と思い当たりましたが(ワタシには身近な話だったので)、ミステリー仕立てで怖さが伝わってきて良い!

■193話の奥浩哉先生がストーリーを考えてくれる話
 奥先生のすごさを感じる回……!
 しかし「GANTZが植田まさし先生の絵柄だったら……成立するだろうか」っての、なにそれ読みたいよむしろ読みたいよ!

で、ほんとに終わってしまったわけですが、
「それでも日々は続きます」(オビの言葉より)ってことなんですよねえ。

またどこかでエッセイ描いてください。WEB連載でも最終的に紙本で出すタイプの媒体とかだとうれしいなあ。

ほかの福満しげゆき作品の感想もあります。

僕の小規模な生活(福満しげゆき): 漫画の感想ブログ ホンヨンダ
http://honyonda.seesaa.net/article/403974268.html

僕の小規模な失敗 福満しげゆき: 漫画の感想ブログ ホンヨンダ
http://honyonda.seesaa.net/article/114635781.html
posted by 藤村阿智 at 16:41| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月02日

とめはねっ!14巻(河合克敏)

とめはねっ!鈴里高校書道部 14 (ヤングサンデーコミックス)
とめはねっ!鈴里高校書道部 14 (ヤングサンデーコミックス)

楽しみに読んでいた漫画の最終巻。
とてもいいシリーズでした。

よく「登場人物の成長物語で〜」ってあらすじをいわれる話はあるけど、
「とめはねっ!」は本当に、登場人物たちが成長していく話だったと思う。
しかも、不良がいい人間になる。とか落ちこぼれが立派に成功する。とかそんな話ではなく、
普通に成長期の少年少女が、周りのいい大人たちに導かれ、自ら体験して発見して学んで、数々の知識や技術を得て成長していくという話で、だからこそ一見しただけでは地味に見えても、とてもいい漫画になっているのではと感じます。

望月さんと縁くんの二人は、高校に入学したときはまだ書道に触れてもいなかった。それが賞をとるほどの腕前になる成長ぶりを、確かな説得力で語っていく。
縁くんの片思いのゆくえも気になるところで、書道の面白さだけじゃない魅力も。

私自身、絵を描いているわけですが、書についての話や、技術と練習と作品と伝えられるもの……というたくさんのポイントが、書と絵に共通するんだなあと思いながら読みました。
また、作者・河合先生の画面構成というか、白黒のコントラストは、書に通じるバランスがあると思うんですよねえ。


14巻は、170話の最後で縁くんの渾身の書がついに完成するシーンから、171話はずっと泣きながら読んでしまった。173話の、三輪ちゃんの入れ知恵で望月さんが大人を丸め込もうとするシーンで笑って元通りに。

最後まで恋の行方ははっきりしないながらも、ま、あとはうまくやってくださいよ!と素直に応援できる終わり方でした。


また最初から通して読もうかな。
最近、もういちど通して読みたい漫画がいろいろ増えてしまった。
まだ読んでない方も、とめはねっ!の14巻はいいボリュームでどんどん読めちゃうと思うのでお勧めです!
完結したこのチャンスにぜひ。


13巻の感想もあります。
http://honyonda.seesaa.net/article/412122950.html
ラベル:オススメ
posted by 藤村阿智 at 14:34| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月01日

でぃす×こみ1巻(ゆうきまさみ)

でぃす×こみ 1 (ビッグコミックススペシャル)
でぃす×こみ 1 (ビッグコミックススペシャル)

ゆうきまさみ先生の漫画を読むのは久しぶり。


私が好きで読んでいる「漫画家漫画」ジャンルとして購入しました。
・漫画家が漫画描いているところのエッセイ
・漫画家が主人公・中心人物の漫画

これに当てはまる漫画はけっこう読んでいます……


「でぃす×こみ」は、少年漫画家をめざしている高校生の女の子・渡瀬かおるちゃんが主人公。
かおるちゃんはめでたく新人賞を受賞した……はずで、その授賞式から始まるんだけど、ようすがおかしい。
じつは受賞作「でぃす×こみ」というまんがは、かおるちゃんが描いたものではなく、兄の弦太郎が描いて勝手にかおるの名前で投稿した漫画だった!しかもBL(ボーイズラブ)!

と、いうわけで、その事実を隠したままプロデビュー・漫画執筆をすべく、妹と兄の二人三脚で漫画制作が始まったのである。


……という出だし。
やっぱりいいキャラはおにいちゃんだな〜。ゆうきまさみ先生の漫画っぽいキャラクター。主人公じゃないところがさすが。主人公は振り回される立ち位置が一番いいですよね。
編集さんとの打ち合わせとか、漫画を良くするために手を加えていくところとか、漫画を描くに当たって参考になるシーンも盛りだくさん。もちろん漫画を描いたことなんてなくても楽しめると思う。

1話ごとにはさまれている、「表紙のラフ案」もすごく参考になる。
どれも(上記に画像がある)実際の1巻の表紙にはちょっと「足りない」かんじがいい。なるほど、それよりこういう風に変更して最終的にこの表紙になったのか……と。
悩みながら描いてる女子高生。本当に受賞した漫画を描いたのはだれ? いまはどういう関係?
っていうのを表紙イラストで魅力的に伝えようとモサクした結果、この表紙になったんだなと。すばらしい。


描いている漫画の内容も、ボーイズラブだって言うのがひとくせあっていいですね。
まったく「腐女子(ボーイズラブを愛好し、すぐにひとの関係性をボーイズラブ化するような女性のこと)」ではないかおるちゃんと、なぜか「セツなくも美しい物語」をつきつめたらボーイズラブにいたってしまったおにいちゃんの弦太郎がコンビになっているところがいい。
弦太郎のほうも「腐男子」じゃないので、練った結果(投稿作のアイディアに)ボーイズラブになっちゃったわけでしょう。だから、これからあたらしく描く作品もボーイズラブを描くなら、「萌え」じゃなくて「計算」でつむいでいかなくちゃいけない。そこが、「BL!俺がBL!」ってゆうき先生が悩みながら描いているのとリンクして面白くなってるのかもしれない。
ラベル:漫画家漫画
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2015年05月29日

おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (栗原まもる)

おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (マーガレットコミックス)
おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (マーガレットコミックス)

漫画家・栗原まもる先生と一緒に暮らしている二匹の猫さんたちを描いた猫マンガ(エッセイ)。

いや〜もちろん、猫たちのかわいいところとか、面白いエピソードとかがたっぷりつまった一冊なんですけど、ほかの漫画と違うところといえば飼い主の様子まで楽しめちゃう所ですかね!

ジムさん、リリーさんももちろんかわいいですよ。
しかし栗原先生の「おまえらかわいいっ!」っていうポイントが面白すぎる。
ジムさんとの出会い・そしてお迎えにいたったエピソードとか。
癒されポイント、ソコ!?……ってかんじになることまちがいなし。

私はもともと、普段はストーリーマンガを描いている人のエッセイマンガはコマ運びや構図がダイナミックで楽しいと思ってるのですが、「おまかわ」も例に漏れず猫エッセイとは思えないダイナミックさ。

2匹の猫がまるっきり違う個性なのも、2匹いるからこそ比較できて、くっきりわかって面白い。
病院へ連れて行くときに、ジムさんには苦労し、リリーさんは楽だという話なんか、実際に猫を飼っている人には「うちもそうなのよね〜」と共感できる、あるあるポイントなのでは?

へんな場所に入っちゃってる、外にはばたこうとする、大事なものをぶっこわす、一緒に寝てくれない、えさをねだるばかり……と猫と暮らしていると起こる困難もすべて「かわいさ」で吹っ飛ぶというところが猫のすごいところ……というか「かわいい!」で最終的には許しちゃう、飼い主の栗原先生の様子を遠巻きに眺めたい。そして眺められるのがこのマンガ、ということでw
「猫として間違ってるリリー 可愛いリリー」……親バカ!!眺めたい!

ジムさんはスコティッシュフォールドだとおもわれるので、スコ飼ってる人にはしぐさや性格などをより楽しめるのでは。
実際、本を購入した人の感想で「表紙のスコちゃんが可愛くて買いました」って方もいらっしゃったし、猫を飼っていると同じ種類の猫だというだけで親近感がわくんでしょうね。リリーさんはなんて種類の猫さんだろう?
【追記】リリーさんはブリティッシュショートヘアーという種類とのこと、調べてみたらこれまた可愛い写真がいっぱい……結局わたしも猫好きなのかw

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電子版もあります。
内容は同じとのことです。

おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 2匹との出逢い編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 2匹との出逢い編 (マーガレットコミックスDIGITAL)

おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 可愛いは正義編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 可愛いは正義編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
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2015年05月25日

岡崎に捧ぐ1巻(山本さほ)

岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)
岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)

岡崎に捧ぐ|山本さほ|note
https://note.mu/sahoobb/m/m6d7f0f032e74

上記のnoteで1話や最新話など数話が読める。

発売前日に初めて読んだ1話、2話の岡崎さんエピソードにすっかりやられて、即単行本1巻を購入ですよ!

結果としては、1話と2話の雰囲気と、それ以降の雰囲気はだいぶ(印象と)違ったんだけど、全編楽しめました。私としては作者の山本さんみたいに子ども時代をすごせてたらよかったなあと……
内容は山本さんの小学生の頃の思い出エッセイです。
べったりくっついてた友人の岡崎さんとの思い出がたくさん。

どのエピソードが面白かったかってあげるの難しいなあ。こまごまと、面白いところがたくさんあったからなあ。
一番最後の、ちょっと遠くまで冒険する話がよかったかな。
山本さんの子ども時代の懐かしい文化もいいんだけど、ちょっと私と時代がずれてるせいか、文化が関係ない話のほうが心に残る感じ。
しかし私が同じクラスにいたら、多分変人枠で変な同級生ネタとしてキャラにされるほうだな……


文具好きの私としては「文房具という免罪符でおもちゃ(的な文房具)を学校に持ち込む」って所とかぐっときました。(笑)
あとはかみつきばあちゃん? あれは売り物ではなくて景品だったと思うけど……でもそういうエピソード出てくると「オッ」て思う。

2巻以降も楽しみ。
posted by 藤村阿智 at 14:04| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月21日

Spotted Flower 1巻(木尾士目)

Spotted Flower 1
Spotted Flower 1

「げんしけん」シリーズの作者、木尾士目先生が「楽園」で連載している漫画。
連載自体も知らなかったけど、コミックスの発売も知らなかったから情報ゲットしてさっそく購入。

帯に「そんな未来」って書いてある。
内容のほうでも、はっきりと名言はしていないけど、この二人はげんしけんの「あのひととあのひと」に見える。

作品の中ではこの「新婚夫婦」の名前は明かされない。
妻のほうは妊娠しているようだ。
夫は重度のオタクのようだ。
妻はオタクじゃないようだ……でも理解はありそうだ。

と、いうわけで、「げんしけん」を読んでる人には「公式パラレル同人誌」のように楽しめるのがこの本。

新婚でラブラブで妻がえっちすぎるだろ(笑)
……好物です

妻の友人のあの人(と思われる巨乳お母さん)がどうどうと、どばーんと、見せてくれるところも見所です。
個人的にはおばあちゃんに名づけを頼みに行く回がお気に入り(笑)
posted by 藤村阿智 at 13:25| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月16日

進撃の巨人16巻(諌山創) 感想

【注意:多少ネタバレあり!】

進撃の巨人(16) (講談社コミックス)
進撃の巨人(16) (講談社コミックス)

15巻に続いて、なぞが明かされていく展開ですね!
「巨人のちから」について・グリシャ父さんがあのとき何をしたのかについて・レイス家について・謎の黒髪の女性について、などなど……

それにしてもヒストリアとエレンはつらい立場ですね。エレンの絶望っぷりってば。ヒストリアのたくましさが余計に浮き彫りになるんだけど、エレンはいつも周りの女性の強さ・美しさを引き立ててばかりだな!
でもそれぞれの女性に、以前に「エレンに救われた記憶」みたいなのが残ってるから、一見ヘタレでも愛すべき存在のエレン。こういうところうまいなあと思う。
ジャンの「てめぇ一回だって自分の力一つで何とかできたことあったかよ?」って突込みが厳しいw
posted by 藤村阿智 at 18:27| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月06日

かくかくしかじか 5巻(東村アキコ)感想【完結】


5巻で完結。

発売の前の日あたりに、「マンガ大賞2015」も受賞した話題作。

かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)
かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

私もこのシリーズを好きで読んでいて、きちんと完結して、「アキコ」のこれまでと今が、飾りすぎることもなく書かれていたと思う。
先生の最後の言葉のくだりは泣いた。

まじめに描かれているエッセイだと思うし、思い出せないところを「思い出せない」と綴る正直さもいいと思った。
数ある「漫画家によるエッセイマンガ」の中でもいいマンガだと思う。

ただ、これで大賞を取っちゃってよかったのか?
東村さんはフィクションのマンガも描いているわけだから、エッセイという本当にあったことだからこその「話のちから」に負けないフィクションのマンガでまた大賞を狙って欲しい。

5巻は東京の風景が書かれてるコマにあまり意味を感じられなくてテンポがちょっと悪くなってるところが多くて残念だったかな。

コレまでの巻の感想も以下に書きました。

かくかくしかじか1巻(東村アキコ): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/360562367.html

かくかくしかじか(東村アキコ) 4巻: ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/403606810.html
posted by 藤村阿智 at 19:16| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月27日

祝福の歌姫(桑田乃梨子)

祝福の歌姫 (バーズコミックス スピカコレクション)
祝福の歌姫 (バーズコミックス スピカコレクション)

桑田乃梨子先生の、2014年に出た単行本。

ファンタジーです。
「オッスわたし魔女 たいていのことは歌でなんとかできます」
……と始まるとおり、歌を歌うことでさまざまな能力を発揮できる魔女の物語。

主人公の歌姫(後に名前はハニィと判明)は歌でいろんなことをなんとかできる系魔女の中でも魔力の強いほうだが、とにかく自他ともに認める音痴。

ただひとり、彼女の歌声を美しいといってくれるのはこの国の王子だけ!
ということで、めでたく王子に仕えて国を守る歌姫の座に収まるのでした(将来安泰)。
でもそれはゴールじゃなくて、物語冒頭の話。

音痴だからと一人ぼっちにされても
隣国の強い魔女(ライバル?)が現れても
歌姫を快く思わない王子の家臣がいても

これは桑田まんがなんだから、たいして大事にもならず淡々と世界はそこにあるのです。
1巻で終わっちゃってさびしい。
ラベル:桑田乃梨子
posted by 藤村阿智 at 20:24| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月16日

くちびるに歌を 小説、映画、コミック全三巻(原作:中田永一 マンガ:モリタイシ)の紹介と感想

【2015年3月16日映画の感想に追記しました(2度目鑑賞)】
【2015年3月6日映画の感想に追記しました】
【2015年1月29日映画の感想を追記ました!】
【2014年12月25日原作の感想、映画のことを追記しました!】
【2014年10月18日三巻の感想を追記しました!】

モリタイシ先生の単行本は全部持っている私。
新作も毎回楽しみにしてる。

でも「くちびるに歌を」を買ってなかった。なぜなら原作付き作品だから。
なんとなく、原作があるならそれはモリ先生のいつものマンガと違うんじゃないか?
と、小説もマンガも原作主義の私は思ってしまって、敬遠していたのだ。

「くちびるに歌を」2巻が発売されてから、毎日のようにtwitterでつぶやかれる感想ツイートを
モリ先生自らがリツイートしていて、それを読んでいるうちに
「私の心配は杞憂なんじゃないか?」という判断に。さっそく購入。
一時は品切れになってて、ちょっと手に入れるまで時間がかかってしまった。
以下感想。ネタバレありだからまだ読んでない人はマンガを先に読んでね! 面白いよ!

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くちびるに歌を 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
くちびるに歌を 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

長崎の島が舞台。方言女子かわいい。
美人の柏木先生が、産休の先生の代わりに学校にやってきて、合唱部の顧問に。
女子しかいなかった合唱部には、先生目当ての男子がたくさん入部。
桑原サトルくんはその生い立ちから教室では透明を決め込んでたし、中三にして人生をあきらめているようだったけど、
ひょんなことから合唱部に入ることになって、そこから彼の生活は姿を変えていく。

モリ先生はモテそうなイメージなんですが、なぜかこういう「もてない、根暗、引っ込み思案」な少年キャラを描くとその描写はピカイチですね。
1巻はキャラそれぞれの立ち居地と相関図、それぞれの悩みや謎になっている部分の洗い出し。
物語は始まって、一気に厚みを増す。
いままでの作品と違って原作があるからか、1巻で見えてくる情報量の多さと、舞台設定の輪郭のはっきりする感じが新しい。

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くちびるに歌を 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
くちびるに歌を 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

2巻は物語に厚みを増すようなエピソードと、新しい関係が作り出した新しい悩みと、過去の出来事に決着をつけるための戦いの前夜。
↑上手に言えてないんだけど……

元からいた合唱部の女子と、不順な動機で入部した男子の対立。
美人の柏木先生は、対立すらも暖かく(?)見守っている様子。
それぞれの行動が、どういう考えから来るものなのかが丁寧に描かれている。
伏線が、この先、事件が起きることを予感させる。

メインの女の子たちが全員かわいいなあ。
柏木先生ももちろんいいし(巨乳美人なのにサバサバした姉御肌!)
部長のメガネもまじめさもキレっぷりも友達になりたい勢いだし
長谷川さんのある意味あぶなっかしいところも魅力的だし
ナズナちゃんのかませいぬっぷりもまた……

モリ先生は人の心の動きを描写するのが、本当にうまい漫画家さんなので、
こういう青春群像劇がすごくあってるんじゃないかと思う。
人の二面性とか、押し殺した本音とか、絵と構成で魅せてくるよね〜。

3巻で完結らしい。
2巻で起きたいろいろな事柄、心配事、きっちり3巻で読めると思うと楽しみ。

あと、おまけマンガも毎回楽しみ(笑)
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こちらが原作。マンガが完結したら読む!
くちびるに歌を (小学館文庫)
くちびるに歌を (小学館文庫)

【三巻発売で最後まで読んでの感想。ネタばれもあるので未読の方は注意】
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くちびるに歌を 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
くちびるに歌を 3 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

三巻読んだ。
三巻買ってから、感想書くまでに時間がかかったのは、「読むなら一気に読み返したいな……」と思ってたから。この内容で、三巻というボリュームはちょうどいい。一気に読めるし、できれば続けて読んだほうがいいと思うから。

三巻は最終巻だけど、物語の収束は見事だった。
束ねるというよりも開放という言葉のほうがあってるかもしれない。
登場人物たちがそれぞれ、生きてきた15年の日々、いままでにあったつらいことやうれしいこと、それらが複雑に絡み合って「今」になっているという「本当のところ」が描かれていたと思う。
「柏木先生の色気が目当てで入部した男子が合唱を本気でやるようになる」という小さな「きっかけからは変わった現在」をはじめとして、最初は確かに違う理由だったのかもしれない。でも今はそうじゃない、という希望がいくつもあった。

モリ先生の絵や構成も流石だった。もちろん大事なセリフで語られることもあるけど、表情ひとつでたくさんのことを伝えてくる。
いろんな人が感想で言っていたけど、最後の合唱で見せたサトルの歌う表情は輝いていた。
おとなしくて主張しないタイプだったサトルが、合唱コンクールやひみつの共有を経て、
特別な人に「優しくするのはあなたが特別だから」とちゃんと言えるところとかカッコイイ。
そのあとの、外で合唱を聞くアキオ兄さんの表情もいいなあ。アキオ兄さんのために、と始めた合唱のさなかに、ナズナちゃんが救われるのもすごい。


原作付でもそうじゃなくても、モリタイシ作品の登場人物は「この先も幸せになって欲しい」と思わせる存在感があると思う。

あとはもう、女の子がほんとにかわいい(笑)
さすがアイドル好きなモリ先生。女の子の魅力的な部分ってのを変態的野生の感覚で受信して出力できる稀有な存在だと思います!(誉めてます!)
とくに長谷川さんは好みにどんぴしゃなんだよ〜
モリ先生の描く黒髪黒めがち美少女たまんないよ〜

私もざくっと描いてみた、けど……やっぱ遠く及ばない
m_kotomi.jpg

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【12月25日追記】

原作小説も読んだ!

くちびるに歌を (小学館文庫)
くちびるに歌を (小学館文庫)

(ちょっと読んでから感想書くまで時間が空いちゃったので細かいところが原作・コミックごっちゃになってしまったのですが……)

各種レビューで読んだとおり、コミック版は原作にかなり忠実だったんだな〜と思います。
コミックのオマケ漫画でも、モリ先生が原作を読み込んでから書いたこと、原作の中田先生には「好きに描いてください」と言ってもらってたこと、コミック化にあたって変えたこと……など書かれていましたが、大筋は原作のままでした。

原作と比べてコミックの「漫画だからこそ」の表現は、やっぱりサトルが合唱コンクールで歌ったときの表情だな。小説でも映画でもだせない(漫画ならではの)魅力だと思う。


さて、そんな「くちびるに歌を」が映画化。2015年には公開されます。
http://kuchibiru.jp/
予告編が発表されてすぐに動画を観たんだけど、うーん、ちょっと不安かな?
もう一回見返してみようかと思ったら今はロングバージョンになってますね。(公式サイトで見られる予告編)
最初の予告編は、最後に「この春、一番泣ける」と言ってたと思うんですけど、「泣ける推し」はいやだなあと……
今の予告編は「この感動は生涯忘れない」になってますね。これもちょっとなあ。

新垣さんの演じる柏木先生がなんかふてくされた感じでいやだなと思ってたんだけど、
やっぱり柏木先生が主人公のようなもので、さらにちょっと不幸が増えてそれを感動につなげようとしてるのかな?っていうシーンがチラチラ……
原作も、コミックも、サトルとナズナが中心の群像劇みたいになってるところが、明るさと、少年少女ならではの不安定さとめまぐるしさがあってよかったと思ってるので、柏木先生中心になったところですでに別物なのかもしれないですね。
ナズナが書いてサトルが手を加えた、柏木先生のオリジナル曲は原作にも歌詞が出てこないけどどうするんだろう?と思ったけど、そこははしょられるのかな?
うーん。原作そのまんまの、サバサバした都会帰りの女であっけらかんと明るくて友人の心配しかしてない柏木先生が映像化されたらすごく見たいんだけどな。(笑)実際はどうだろうな?

予告編はこちら。


このブログサービスの、seesaaがやってる懸賞の映画試写会プレゼントに応募します。当選したらいいな〜。

映画『くちびるに歌を』一般試写会プレゼント: 懸賞 - Seesaa プレゼント
http://present.seesaa.net/article/410924606.html

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「くちびるに歌を」映画の試写会見てきました。感想書きます。

結果、映画は映画で完成していてすごくよかった。

まず、原作からの変更点はかなり多い。
原作ではあくまで脇役だった柏木先生が主人公になっているのが一番大きい。
ポスター、チラシのイメージには柏木先生のアップの横に
「大っ嫌いだったあなたたちがおしえてくれたこと」とコピーが書いてあって、まさに映画の内容もそんな感じ。

原作から変更されてる映画でいい思いしたことがほとんどないから、すごく警戒していた。別物で、原作とコミックを見て「いいな」って思った人は嫌な気持ちになるんじゃないかと。

でも実際に映画を見たら「こんなに大胆に変更・再構築して、いい感じになっている実写化はめずらしいな」って思った。

原作、コミックで読んでる人にはネタバレも何もないし、
もともとミステリーとかじゃない内容なので、あらすじがわかったからと言って面白みが減るわけではないと思うけど、なんの予備知識も要らない人はこの先読まないでおいてね。

【映画の感想】

・原作はサトル、ナズナという二人の15歳の目線で交互に綴ることで、同じ学校、合唱部の内部や舞台とそれぞれの悩みや葛藤を見せていく手法だった。
 映画では柏木先生目線でつむがれていく。並行・交差していたサトル、ナズナの間に柏木先生がいて、二人の悩みや葛藤を受け取って、自分の「今」とくっつけていく感じ。
 だから柏木先生は、悩める15歳を見守る役でなく、子どもたちの中心で自分も悩み葛藤する大人の役割をしている。
 原作ではあくまで子どもたちは自分で「15歳」から前進していく感じだったけど、映画は柏木先生と絡むことで自分を見つめたりちからを与え合ったりしている様子。

・原作ではたぶん、一番サトルの立場がつらかったんだけど、映画ではそんな感じはない。相対的にナズナと柏木先生の悩みが重くなってる。

・ナズナの父さんが原作とかなり違う人物になってて、これは救われないな……ナズナには忘れて強く生きて欲しい

・中学生少年少女の恋愛はバッサリカットされている。でも、大人の恋が変わりに入ってるわけではないところは好感! この映画は恋愛モノではない。
 原作を読んでいれば、登場人物の動きに「あっ、やっぱちょっと好きなのかな?」って感じはあるけど、知らなければ気がつかないぐらい。

・つまり、辻エリは影が薄い(映画版の部長はナズナ)。長谷川コトミちゃんも、バッサリカット。
 コミックでオッパイ星人になった関谷は映画版では女の子に……めがねでかわいい女の子に……

・アキオとナズナのつながりエピソードとか、形を変えても重要なところはきっちり残ってる。これはすごい。
 伏線もちゃんと張って回収している。
 アキオの描写もよかったとおもう。長所の表現もさりげなかったし、ラストにうまくつながってた。
 エピソードはよかったけど、アキオの設定とか雰囲気はコミックのほうが大げさじゃなくてよかったかな……
 どちらもあるだろうから、より強調したのかもしれないけど。

・なにより一番は風景がキレイ〜。これは小説、漫画とはまたちがった映画ならではの魅力。
 音もね。曲を「手紙」に絞って、うまくテーマにしてたと思う。
 もう一曲のキーワード曲「マイバラード」も合唱曲の定番ですね。これも合唱というテーマに沿った
 すごくいい歌だし、多くの人が聞いたことのあるいい歌だと思う。
マイバラード 中五島中学合唱部による女声二部合唱


・一番私が見てて「すごいな」とおもったのは、桑原サトルの存在。原作もコミックもすごかったけど、映画でもすごい存在感と演技力。イメージする桑原サトルそのまんまが実写に。
 下田翔大くんか……まだ12歳?すごすぎる。覚えておこう。

・一番残念だったのは、「15の僕からの手紙」の扱い。
 原作・コミックでは、みんなそれぞれ書いていて、誰が書いたかほとんど明かされないけど
 読者にはそっとわかる仕組みになってる。その内容で書いた子の悩みがわかったり、
 向井ケイスケの「手紙」なんか、まんまと騙されたし、コトミちゃんとサトルのひみつの共有にもつながったよね。
 でも、映画版では手紙はサトル以外書いてないことになってて、残念。
 しかもその手紙が先生に提出されている(いたよね?)のはもっと残念。
 そんな軽く、誰かに伝えられる悩みじゃないはずなのにね。
 (2回目観た)渡したわけじゃなくて、偶然ノートに挟まってたのを見つけたみたいだけど、
 そのノートがなんで柏木先生のところにあるかわかりにくかった。
 たまたま提出ノートにはさんでいたってこと? うーん?

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総合的には映画「くちびるに歌を」よかった。試写会の帰りも、周りの人の感想はみんな「よかった」というもの。
だからこそ宣伝で「泣ける!」を前面に出しすぎないでほしいかな。
この少年少女たちと先生が「いまを見つめて前進する」所を観にいって欲しい。

私としては、モリタイシ先生の漫画版「くちびるに歌を」がなかったら、この映画も見に行っていないので、ぜひ映画と一緒に原作・コミックス版も楽しんで欲しいな。映画より先に読んでおいても問題ないと思います。

  

原作は文庫の新装が2月に出るらしい。

posted by 藤村阿智 at 14:51| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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