2014年08月13日

進撃の巨人14巻(諌山創)

進撃の巨人(14) (講談社コミックス)
進撃の巨人(14) (講談社コミックス)

読みました。

(※以下、多少ネタバレありかもしれないので、まったく情報が要らない人は読まないように
 たいしたこと書かないけど……)

13巻の感想でも書いたけど、
なぞがいっぱいちりばめられすぎて、気が散っちゃう。
たまには謎の答えを提示して欲しいと思ってて(このままだと謎に対する不信感が募る。解決しないんじゃないかと心配だし、覚えていられない)、14巻ではいくつか謎の答えみたいなものも出てくるけど、
それはあくまで推測に過ぎないというものばかりなのがひっかかる。

また、キャラクターの考えていることが伝わってこない(まだ不明のまま)なので、
「なんか深い考えがあってウラをかいているんだろう、たぶん」
「失敗したように見えてこれも作戦とかなの?」
と、まさに調査兵団の下っ端のみんな並に、読者も「はらはらする」まで行かない、
「いま何をさせられてるんだ、信用して頭を空っぽにしてとにかく進むしかないのか」という不安が……

んでとうとう人殺しばかりになってしまいました。
14巻巨人でてこねえ。
アニメ化の壁に挑戦でもしているんだろうか……
posted by 藤村阿智 at 12:28| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月12日

かくかくしかじか(東村アキコ) 4巻

人気漫画家、東村アキコ先生の自伝的漫画。4巻。

かくかくしかじか 4 (愛蔵版コミックス)
かくかくしかじか 4 (愛蔵版コミックス)

3巻でようやく漫画家としてデビューしたアキコが、
人気漫画家へのステップをどんどんあがる様子。

どんな漫画が好きで、どんな漫画を描こうと思っていたのか。
そしてどんな漫画家として求められているのか。
そういうエピソードも見所。

なんかぼんやりといい雰囲気の漫画が好きで、自分も描きたい〜と思っていたのに、
担当さんにはバッサリ「全然話わかんないし 面白くないし」と言われちゃう。
そこから抜け出して、読者が面白いといってくれる漫画を描き始める。

アツいな〜。仕事も、絵画教室も、漫画も、恋もと盛りだくさんに欲張って
こなしていくアキコの姿は、まさに本人が漫画そのもの。

そして、4巻の最後ではとうとう、1巻からそのにおいを感じていたエピソードに突入……
そう、書いたとおり、1巻から「そうなんだろうな」って思ってたことなんですよ。
いつか描かれるんだろう、このエッセイの中の時間が流れていく限り、と思っていたのに、
この本の読者として私はアキコと先生をここまで見守ってきてしまった。
1巻のときに思っていた「そうなんだろうな」とは、感覚が違う。起きていることはおなじなのに、
読者として1巻を読みながら感じた気持ちとは、いまは変わってしまっている。
胸が締め付けられる。


しかし、この漫画の展開やキャラクターのぶっ飛び具合、超人具合、どれを見ても
エッセイ漫画だからこそ、とも思う。
本当にあったことなんだもん。フィクションだったらこんなふうに展開したり描いたりできないよ。
「本当にあったことのちから」こそがエッセイ漫画の醍醐味なんだと思う。
posted by 藤村阿智 at 11:56| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月22日

魔法陣グルグル新装版1〜8(衛藤ヒロユキ)

私が子どもの頃、「ドラゴンクエスト4コマ劇場」から始まって、
続けて楽しんだ衛藤ヒロユキ先生の「魔法陣グルグル」が新装版で登場。
すごく好きでファンクラブにまで入っていたのに、ちょうど漫画を読まなくなった時期と最後のほうが重なっていて、最後まで読んでいないのです。
途中まで単行本を持っているけど、この機会に全部買いなおそうと思いました。

魔法陣グルグル 新装版 (1) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版 (1) (ガンガンコミックスONLINE)

まず1巻、魔法陣グルグルのすごいところは、この序盤で主要キャラがほとんど出揃ってるところかもしれない。
ここで出てくるキャラクターたちはこの後もずっと大事にされていく。
最初はドラクエなどのRPGのパロディとして、お約束ネタを盛り込みながらギャグ中心で進んでいくんだけど、読者も気づかないうちに独特の世界観や設定に引き込まれていく。

いや〜しかし、この新装版1巻には私の中で殿堂入りしているすごいギャグがてんこ盛りで出てきますね。
どんどん惜しまず出してくる感じがテンポもよくて、ずっと笑ってしまう。

魔法陣グルグル 新装版 (2) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版 (2) (ガンガンコミックスONLINE)

2巻のみどころはククリの修行と、ジュジュをつれてはじめての戦闘。
ククリが修行を終えて、ニケと二人レベルアップするんだけど、そんなにレベル低かったのか……と、確かにレベルアップする描写がいままでなかったのに改めておもう。
普通のRPGがレベル上がりすぎだよな。
でもカセギゴールドあたりでレベルアップしてても良かったんじゃ(笑)
2巻後半ではレイドも出てくる。キザですごい魔法使いなのにかっこ悪い、とにかくかっこ悪い。
レイドは、くさい演出が嫌いなギップルの天敵。

短編も収録。「ここのばばあは良いばばあ〜」ってのをよく(日常生活で)歌うんだけど、まあ、伝わらないんですよね……

魔法陣グルグル 新装版 (3) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版 (3) (ガンガンコミックスONLINE)

3巻は「きりなしの塔」攻略〜。
ニケとククリの旅にも目的がハッキリ出てきて、前みたいに「次は何をすれば……」という迷いはなくなったかな。
トマという、強力で賢くて突っ込みも入れてくれつつ自分もぼけるキャラを仲間に加えて、さらに旅は続いていく。
伏線の使い方というか、伝説がなにを表したのかとか、いままで謎だった部分の明かし方なんかはまさにファンタジーRPGの王道を行きつつ、よく練られてるな〜と感動!

魔法陣グルグル 新装版 (4) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版 (4) (ガンガンコミックスONLINE)

ニケのレベルアップには、神様に認められてそのちからを獲得しなくちゃいけないんだけど、
火の神から火の力を手に入れる過程がすごい。
ええ〜〜ギャグだと思って普通に笑って読んでたのにそれが試練だったのかい〜!って感じで驚き。
闇のおねえさんもジュジュも復帰して、キャラクターがにぎやかでいい!
「巻頭カラーに会議やってちゃ動きがない→会議でも動きを出せば良い」って流れが好き(笑)

魔法陣グルグル 新装版(5) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版(5) (ガンガンコミックスONLINE)

5巻は不思議な街アラハビカから。
「ヒッポロ系ニャポーンさ!」てのもすきなセリフで、(笑)なにかわけのわからないものを「アレは何?」って聞かれたときなどに、「ヒッポロ系ニャポーンさ!」って答えることにしています。

5巻あたりからグッと絵がかわいくなってますね。
初期の絵と後半からの絵は全然違うけど、どっちも好きだな〜。
あくまになったククリも、心配だけどかわいいし、普段からダダ漏れだったククリの気持ちが、はっきりみんなに伝わっちゃうところとかニヤニヤしちゃうね。
キタキタ親父の異物感がなくなってきたな。

この巻の後半ぐらいからは、私がコミックスで買ってないあたりに突入。
今後の展開が気になるところです。

魔法陣グルグル 新装版(6) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版(6) (ガンガンコミックスONLINE)

この巻あたりからふたたび、ガラッと絵が変わるな。
冒頭で「かっこいいポーズ」の修行として、普段と違う絵柄を意識して描いたせいじゃないだろうか。
そういうのに引っ張られることはありそう。

話も展開と設定が複雑ですんなり頭に入ってこなくなってしまった。
キャラクターが一気に登場したせいもあるかもしれない。
そんな中でもキタキタおやじだけは安定の不気味さでいいですね。
個人的には、キタキタおやじ好きなので、不気味に思えなくてむしろかわいく見えますが……

魔法陣グルグル 新装版(7) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版(7) (ガンガンコミックスONLINE)

「グルグル」初期は、メタ的でRPGのお約束を下敷きにした世界観とギャグでわかりやすさがあったと思うんですが、後半以降はグルグル独自の世界観とか、ファンタジー設定が多くなってきたため、少々出来事がわかりにくいですね。

ミウチャちゃんとせっかく出会ったのに、いわゆる「リセット」を行ったために
深めた親交がクリアされちゃうエピソードはちょっとさびしかった。
何度やり直しても仲良くなれそうな、どこかつながってるような安心感があるからいいですけどね。
謎のカッコイイ老人軍団「爺ファンタジー」が登場。
8巻にも出てくるかな?まさかコレだけの登場で7巻の表紙を飾ってるんじゃあるめえな(笑)

徹底して、勇者は凡人であるところがいいです。
凡人が凡人でありながら、勇者になっていく。勇者とはなんなのか。
読者も一緒に考えられる仕組みになっています。

次が最終巻か〜。

【続きを読んだら更新予定です】

魔法陣グルグル 新装版(8) (ガンガンコミックスONLINE)
魔法陣グルグル 新装版(8) (ガンガンコミックスONLINE)
posted by 藤村阿智 at 17:47| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月16日

ちはやふる25巻(末次由紀)

ちはやふる(25) (Be・Loveコミックス)
ちはやふる(25) (Be・Loveコミックス)

※以下ネタバレ少しあり

24巻に引き続き25巻も熱かった!
私はスポ根ものは苦手だった気がするんだけど、「ちはやふる」見てるとそんなことを忘れてしまうな。
読んでるほうがダレてしまう試合シーンと違うのは、
・確実に進む、引っ張り過ぎないで試合を進めながら他の要素が語られている
・いままで読むことで積み上げてきた感情から、納得のいく新しい発見がある
というところじゃないだろうか。

いままで、すっかりマンガに流されるまま、周防さんは名人の器ではなく、
ただの天才名人よりも努力してきた選手が名人の座を勝ち取ることを単純に期待してしまっていたけど、
周防名人へのイメージと「勝利して欲しい人物像」がガラッと変わる体験をすることになる。

それは「周防名人も苦労していた」とかそんな単純なことではなくて、いままではっきり輪郭を持たされていなかった周防名人という人間が見えてきてことと、「だれかの情熱を食べるしかない」(34P)というがらんどうの心と動機に光が当たって、読者の心にも動きが出たからだと思う。

千早もいったんは暗黒面に気を取られて、黒い気持ちにとらわれたりするけど、
やっぱりそこから救い上げてくれるのはクイーンしのぶちゃんとかるただね。
さらに原田先生のかるたに対する姿勢から、自分の幼く黒い部分を認識して解いていく千早。
ほんまもんの名人になってしまった周防さん含め、若いもんには間違いなく原田先生のかるたは伝わっていくと思います。

他のキャラが期待するような恋バナが進展しないところは笑った(笑)
あと、ほぼ1冊まるまるおっさんとおっさんの友情とかで埋まっているのも、おいしいけどコレだけ読んだら少女マンガには見えねえ!
そもそも少女マンガだっけ?

おまけマンガも新しいひみつがあかされててオトク!


前巻の感想はこちら。
ちはやふる24巻(末次由紀): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/398028248.html?1405476764
ラベル:ちはやふる
posted by 藤村阿智 at 11:42| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月09日

真夜中猫王子(桑田乃梨子)

真夜中猫王子 (白泉社文庫 く 3-11)
真夜中猫王子 (白泉社文庫 く 3-11)


私が中学生の頃から好きな漫画家さん、桑田乃梨子先生。
読み返す頻度も高いんですが、今回はこの「真夜中猫王子」文庫版を読み返し。

改めて読むと、「猫王子」も面白いなあと再確認。
現在は桑田先生の漫画は、発売前に登録してるネット書店からお知らせが来るので、大体すぐに購入できるけど、
「猫王子」の初出の頃は平成12年〜13年っていうから、情報はいまよりも自分で探しに行かなくちゃならない時代。
でも、猫王子はほぼリアルタイムで購入してたな。
そして、リアルタイムで読んでたころは「すげえ!面白い!」ってすぐにはまるような気持ちにはなっていなかった。
今読むとその理由もわかるし、だからこそ何度読んでも面白いんじゃないかと思える。


フツーの女子高生、駒根 澄(こまね すみ)は、おなじクラスの仲良し男子・日向守永(ひゅうがもりなが)にイケると思って告白したのに、あっさり玉砕。
傷心のまま、告白&フラレ現場におっこちてた猫のマスコットを記念に持ち帰る。(笑)澄ちゃんは日向に未練アリアリ。

持ち帰った猫のぬいぐるみは、なんと呪われた異国の王子だった!
国家を狙う者の手により、王子とその仲間は呪いの魔法をかけられ、昼はぬいぐるみ(マスコットサイズ)、夜ははんぱに顔だけが出る着ぐるみの猫になってしまうのだった……

と、設定は言うまでも無くとっぴなんだけど、あとはいつもの桑田先生のお得意な「キャラクターの会話で読者を引き込んでいく」ちからで引っ張られていく。
読んでいるうちに、設定とかきっかけなんかは、「それのおかげでみんなにあえてよかったな〜」っていう、新しい出会いのためのものにしか思えなくなってくる。

・「わかりました、あきらめましょう」が口癖のおっとりした王子
・軍人で王子の親衛隊長、まじめで固くて「なんか黒っぽい」所だけが特徴のヴィンセント
・細かいことは気にしない、明るい料理人スタニスラス
・教育になってるのか怪しい言動ばかりの教育係スタンリー
・ヴィンセントの婚約者(だというけど二人ともツンデレでどうしようもない)のアンジェラ

全員猫になってる。ごはんはカリカリでいいらしい。
澄ちゃんの家で、帰る日を夢見てにぎやかに暮らしてる。

桑田先生は、きっちり終わらせるタイプの漫画家だと思うので、この「猫王子」もきっちり終わる。
日向と澄の関係も、王子たちとの関係も最初とは変化していく。
終わる頃にはこのキャラクターたちと知り合えたことがうれしくなっている。
posted by 藤村阿智 at 10:37| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月06日

げんしけん 二代目の七(16巻) (木尾士目)

げんしけん 二代目の七(16) (アフタヌーンKC)
げんしけん 二代目の七(16) (アフタヌーンKC)

二代目も七巻に〜。もう通産16巻になるのですが、まだまだ面白いのがすごい。

ここまで見守っていると、かなり近い立場でげんしけんのメンバーを見守ってる友達みたいな気持ちになっているのか、一人ひとりがだいぶ好きになっている気がする(笑)

二代目のキャラたちもそれぞれ魅力的なのがいい。
だいたい「2」にあたるものは、前作のほうがキャラが良かったとかあるもんだけど、違う切り口ながら同じオタクという共通点のおかげか、面白いなあ。

斑目の「モテキ」をめぐる女(?)たちの戦いは、うやむやにせずちゃんと進んでる。
斑目と咲ちゃんの関係だって、うやむやのままでも良かったのにきっちりケリをつけてきた「げんしけん」だから、この戦いにも決着があるんだろうな。まだまだクライマックスまで何個か盛り上がりがありそうなラストで16巻も終了していました。

からかって無責任に応援しててもおかしくなさそうな、腐女子の吉武さんも、周りをみつつ応援する相手を考えているところと、現実的にかなわないところを無責任にけしかけないで選択と熟考をうながすところなんか、ほんとまじめなつくりの話だと思う。

続巻も楽しみ。
posted by 藤村阿智 at 00:54| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月01日

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(押見修造)

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
志乃ちゃんは自分の名前が言えない

大島志乃ちゃんは母音で始まる言葉の発音がむつかしい。
だから自分の名前も言えない。

つまり吃音症のある少女の話なんだけど(作者はあとがきで、あえて吃音・どもりという言葉を使っていないと書いている。感想にも使いたくなかったけど、それだと書くのが難しいから使っちゃう。wikipediaの作品紹介ページはうまく避けて紹介しているな)

よかった。
きっちり一冊に、きれいにまとまっていて読みやすいし無駄なところもぜんぜんない。すごい。
このまま1時間半ぐらいのアニメ映画にできそう。実写じゃなくてアニメがいいなあ。
表情がすごくいいから。

高校へ入学して、自己紹介でやらかしたくないと志乃ちゃんは練習までしてたのに、やっぱりうまくいかない。周りのオトナは理解を示してくれようとするけど、逆につらい。
でも、あることがキッカケで友達ができる。いや、まだ志乃ちゃんは友達だと思えていなくて、疑っていて、友達になれるかもしれないと胸をときめかせているんだろうな。

そもそも購入したきっかけが、吃音ものとしてだったので、しょっぱなから自分と重ねてしまってつらい。
ワタシの話をしてしまうと、実は吃音で誰かにからかわれたり、指摘された記憶はないのだ。
おなじ音を繰り返すんじゃなくて、3音〜5音ぐらいで繰り返してるからわかりにくいのかも。
それ以上に、周りに恵まれている気がする。
子どもの頃は吃音がなかったし、それ以外のところでからかわれてたからな……
ワタシが戦っている気になっている相手も、志乃ちゃんとおなじなのかもしれない。

志乃ちゃんは自己紹介でやらかしたあと、クラスメートの菊池君が、自分のまねをして他人に「アイツ変なんだぜ」って言ってるところに遭遇してしまう。遭遇というより、志乃ちゃんがそこにいることをわかっててやってるから、天然にしてもタチがわるい!

菊池とはあとでつながりが出来るし、菊池の気持ちもあるみたいなんだけど、つき合いには警戒してしまう。私が志乃ちゃんでも簡単には打ち解けられないなあ。そういうところもリアル。
歌なら歌えるって所もいい。スキャットマンも吃音だけど(だからこそ)スキャット上手に出来るもんね。


志乃ちゃんはけっして「いい子」ではない。引っ込み思案だし、ハッキリしないし、嫉妬もする。
でも自分が何と戦ってるのか、自分の敵はなんだったのかを最後に知ることになる。
これからの志乃ちゃんの未来に明るさを感じる。ラストはオチというより終わり方にびっくりした。
posted by 藤村阿智 at 10:37| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月29日

凍りの掌(おざわゆき)

凍りの掌
凍りの掌

第二次世界大戦終戦直後の、シベリア抑留で抑留経験のある父親の体験した出来事を中心にしてまとめた漫画。

この漫画との出会いは創作同人誌即売会コミティア。コミティアで知人がおざわさんの本をいただいてきて、
それをイベントの間に借りて読んだ。衝撃。
次のコミティアでその本を購入した。その後は完結するまで、3冊に渡って、新刊が出るたび購入した。
商業で出たこの本も、もちろん発行されてすぐに購入した。

ぼんやりとしかシベリア抑留のことを知らなかった私ですが、この漫画で実際にどういうことが起きていたのか、何があったのかの一部を知ることが出来たような気がします。
ほんとうにすさまじい経験。こんなことが、戦争が終わってからも何年も続いていたということが信じられない。
私なら生き残れる自信がない。そして、これもまた戦争の一側面として、今後も戦争はあってはならないとおもうのである。
posted by 藤村阿智 at 23:12| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月16日

31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる (御手洗直子)

31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる (ウィングス・コミックス)
31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる (ウィングス・コミックス)

これが初めて購入した婚活エッセイだったかな?
これまでは興味なかったんですが、自分の状況も変わって人の婚活やら生活やらに妙に興味が出てしまったようです。

BLとはボーイズラブのことで、男性や少年同士の恋愛がテーマになったマンガということです。
私は少年愛モノは読むし、作中に男性同士が出てきても別に拒絶反応はないけど、とくにそういうテーマの本だからと買って読むようなことは無いので、別ジャンルオタクの日常や思考が垣間見れるのも楽しいところ(笑)
ジャンルは違えどマンガオタクは同じような感じだよねえ〜。

作者・直子さんのズボラっぷりは笑えないレベルかもしれないけど、私のズボラっぷりも笑えないレベルなのでほぼ同属です。あー笑った。ぜひだんなさんにはこれを許容して欲しい。


BLもオタクも関係なく、婚活サイト(というか出会い系)でであった男性が、すごくスペックは高いのに数々のNGワードを繰り出し、失礼なことを言いまくってきたときに、きっぱりと告げて断わる作者さんかっこいい。爽快。
断わるついでに相手の欠点を指摘したというわけじゃなくて、相手が「なぜ断わられるのかが知りたい」って言うわけだから、ちゃんと教えるのはいいとおもうんですよ。

最終的に出会った二人からひとりに絞り込んで、婚活を実らせるところはすごい。
後のエピソードを見ても、良い人に会えたんだろうなあ〜とおもう。
もし私が婚活をするような立場だったら、いい経験になりそうだしチャレンジするかも。
しかしだまされないように、怖い目にあわないようにネット婚活するのは大変そう。私、すぐくじけるかもしれません。

こういうエッセイマンガって、作者が「友達になりたいタイプ」かどうかも面白さに左右されてくるかもしれませんね。私はこの漫画の中で作者が鼻につく、作者に引いてしまうといったところはひとつもなかった。それが楽しめた理由かもしれません。
マンガで読むぶんには「絶対知り合いたくないwww」って人の話でもいいとおもうんですけどね(笑)
posted by 藤村阿智 at 11:05| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月12日

まんが親3巻(吉田戦車)

まんが親 3 (ビッグコミックススペシャル)
まんが親 3 (ビッグコミックススペシャル)

吉田戦車氏の子育てエッセイ「まんが親」も3巻に。
表紙からわかるとおりすっかり大きくなりましたね。
娘はやっぱり、しゃべるしゃべる。
まんが親たちの一日を描いた回も面白かった。

なんとなく、私の好きな育児エッセイって、子どもが主役というよりは
オトナの姿をみて楽しめるものなのかもしれない。
子どもに翻弄されるオトナ。
まんが親も、子どもを中心に、親たちがふりまわされたり楽しんだりしてるところが面白いような気がする。
ほかに好きな子育て漫画といえば「ママはテンパリスト」とか福満しげゆき氏のエッセイまんが。
子どもがなにをしたか、じゃなくて「子どもを親がどう見たか」が読みたいんだなあ。

こちらは、妻の伊藤理佐さんも母親目線で夫と娘をつづったまんがを描いている。
だからこその「まんが親」なわけで、伊藤さんのほうの本も気になるけど、
なーんとなく手に取る気が起きなくてまだ未見。
伊藤さんの実家が自分の実家から近い(高い山を隔ててるけど……)こともあって、妙に親近感はあるのだけど、書店で置かれてた試し読み漫画を読んでみてもなかなか読もうと思えず。
せっかく、おなじ子どものことを両親がどういう風にみてるかが知れる稀有なチャンスなのに!

↑買いたい理由を書いてたら読みたくなってきた。買うか!?



まんが親 1 (ビッグコミックススペシャル)
まんが親 1 (ビッグコミックススペシャル)

まんが親1巻の感想もあります。
リンク貼ろうと思って読み返したらほとんど同じようなことを書いていた……

まんが親 2 (ビッグコミックススペシャル)
まんが親 2 (ビッグコミックススペシャル)
posted by 藤村阿智 at 16:45| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月11日

100回お見合いしたヲタ女子の婚活記(肉子)

100回お見合いしたヲタ女子の婚活記 (Next comics)
100回お見合いしたヲタ女子の婚活記 (Next comics)

結構前に読んだエッセイ漫画ですが、エッセイ漫画強化期間ということで再読!

婚活エッセイもたくさんあるとおもうけど、この本の場合は「ヲタ女子」というところがポイント!
しかも作者の肉子さんと私が同世代!ヲタネタが明らかに同世代で、もとネタがわかるわかる(笑)
容赦なく繰り出されるパロディの数々。

肉子さんは同人で二次創作小説を書かれてるとのことで、そのせいか着眼点とか、面白がるポイントが鋭くて読みやすいしネタの昇華も秀逸。

結婚相談所でお見合いとしてであったいろんな男たちのエピソードももちろん面白いんだけど、
肉子さん目線で「どういうところがイヤだったのか」とか、「引いちゃうポイント」とか、自分を変えていく気持ちとか、そういう婚活だけでなく普通の人付き合いにも大事なことが見えてくる感じが明るくていい。

「行動力があってハキハキしてる人がいいなー」
「そんな人は(結婚相談所には)いません」

と冒頭でばっさり!
この後、普通はなかなか行動力なんてないということを知ったり、自分がてきぱきして場を仕切ることで進めていく能力をつけたり、人のいいところを見つけるポイントが(出会いの数をこなすことで)わかってきたりするところが、読んでて面白い。読者は見合いをしていなくても、ここに登場する人たちと会ったぐらいの体験を得られるんじゃないだろうか。
おなじオタクなら笑いながら勉強できちゃう(笑)

しかしいろんな人がいるなあ〜。
私ならそうそうに疲れて、結婚自体がトラウマになってしまいそう。
女性にはもちろん楽しめると思うけど(腐女子ならさらに?)
男性にも、人付き合いのときにやりがちな失敗とかが知れると思うのでお勧め。
そう、些細なことが「あのときああいってたからもうあの人はムリ」って感じになっちゃうんだよねえ……
気づいてないなら不幸なことです!お互いにとって!

pixivでもかなりのページが無料公開されています。本に載ってないエピソードもアリ。


2016/6/1
続編の感想もUPしました。
100回お見合いしたヲタ女子の出産記(肉子)
posted by 藤村阿智 at 11:59| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月03日

まんがかぞく(大島永遠)1巻、2巻

まんがかぞく 一家4人全員漫画家(1) (アクションコミックス)
まんがかぞく 一家4人全員漫画家(1) (アクションコミックス)

まんがかぞく 一家4人全員漫画家(2) (アクションコミックス)
まんがかぞく 一家4人全員漫画家(2) (アクションコミックス)

ぜんぜん前情報なしに、サブタイトルの「一家4人全員漫画家」という一文に引かれて購入していた本。
読んでみたらびっくり、すごく面白かった。
もっとぬるい感じの漫画家漫画かな?と思ってたのに、がっつり熱い内容のエッセイ。
笑えるところもたくさんあるし、普通のご家庭とおなじ悩みも、まったく普通じゃない悩みも、うれしさも、いろいろ詰まった読み応えのあるエッセイ漫画でした。

両親が忙しい漫画家で、自分も売れっ子として活躍するというなかなかほかにはないエッセイ。
夫婦で漫画家というエッセイ漫画もあるけど、それよりも目線が「家族」「漫画」に食い込んでる感じ。
うまくいえないな……
自分が漫画を描くということも、夫婦だと妻や夫が漫画を描くということも、一歩引いた目で見てしまうと思うけど、親が漫画を描いていて偉大な業績もある、尊敬できる人で、自分も同じ道を行くという内容は、イヤでも自分の主観的な気持ちに絡んできて、葛藤があると思う。


また、漫画家の普段の様子や漫画を描いているところを描く「漫画家漫画」としても、すごく面白い。
アイディアの組み立て方から、作画のはなし、メディアミックスされたときの話、編集さんとのやり取りなど盛りだくさんで、漫画家の仕事が垣間見れる感じが読んでて楽しい。

作者の大島先生には体に気をつけつつ楽しい漫画を書いてほしいとおもうです。
またエピソードがたまったら続巻希望でっす。

posted by 藤村阿智 at 13:17| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月30日

母親やめてもいいですか(山口かこ・にしかわたく)

母親やめてもいいですか
母親やめてもいいですか

発達障害と診断されたお子さんを育ててたお母さんが原作のコミックエッセイ。
amazonレビューは結構散々なことになっている。

みんな登場人物や作者に意見したがりすぎるだろー。
もう過去になってることに「これはだめだ、許せない、共感できない」と言ってもしょうがないし
大体その当時に言われても「他人が思うようにうまくやれる」かどうか?
同じ発達障害のお子さんを持ったお母さん方が「こんなお母さんじゃ子どもがかわいそう」っていう状況は怖い。

本の中身は、娘さんのことを一所懸命見守っていろいろと戦ってたころの目線で、
どういうことがあったのか、周りから何を言われたのか、自分はどうしたのか、そしてどうなったのか
たくさん書かれていていいと思う。
もし私がこの立場でも、どうしたらいいかわかんないだろうな……
あとになれば「こういう風にできたかも」って思うこともあるかもしれないけど、
手探りのときは何にもうまくできないもんだと思いますよ。
特に作者は、うまくいかずに子どもを手放すことになってしまっているから、読者の反感を買いやすいのかもな。

発達障害とかは、その実例を知らなきゃ想像できないもんだと思う。
twitterとかでも、発達障害の子どもを持つお母さんが、そのエピソードを語ったりしているけど、
どれも「ああ、それは発達障害でそうなるのか、そしてこういう対処法で子どもにも接していけるのか」って言う驚きばかり。
アスペルガーの子に、ニュアンスでわかってほしいような言い方をしても伝わらないとか、
具体的なお願いの仕方とか。アスペルガーや発達障害が無くても、「へえ」って勉強になること多いですよ。
「早くして」ってふんわりしたイライラを言っても子どもには伝わりづらいとか。

本書の中でも、療育にいったり病院の先生の話を聞いたりするところは私の知らないことばかりで勉強になった。
あ、そういう意味では、すでに勉強していらっしゃるだろう同じ悩みを持つお母さんたちが、自分を励ますためにとか、より知識を増やしたいというときに読むとイライラするのかもしれない。
まさに十人十色で、同じ方法もなかなか役に立たないだろうし……

ただ、いろんな生き方があることをみとめて欲しいと子どものことで思うなら、
母親にもいろんな生き方があると思えるといいんじゃないかな。
本書を読んで私が感じたことは、登場する母親への同情や怒りではなく、私なら……どうなるんだろうというぼんやりとした感情だった。
posted by 藤村阿智 at 11:39| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月28日

おにぎり通信2巻(二ノ宮知子)


おにぎり通信 2 〜ダメママ日記〜 (愛蔵版コミックス)
おにぎり通信 2 〜ダメママ日記〜 (愛蔵版コミックス)


2巻も楽しみに購入。
かわらず面白い。

漫画家の普段の生活ってのに興味があるので、漫画家について描いた漫画というのを結構読んでいる。
漫画家が自分のことをエッセイ漫画に描いたら、それはすなわち漫画家の普段の生活が見られるということで……

しかも、漫画家は観察力がすごい。
細かいところのしぐさや面白さを見つけてくるな〜と。
普通の人の「うちの子どもが面白かった」という話より、さらに違う目線の子どもや子育てについてのエピソードが読めるんじゃないかな?


たぶん、1巻で評価が低かったのは「漫画家のエッセイ」というより「育児エッセイ」だと思って
読んでるからじゃないかな?
たとえば福満しげゆきさんの「僕の小規模な生活」をよんで、育児エッセイとして役に立たないとか言わないと思うんですよ。福満氏の日常の目線に興味があるわけじゃないですか。
そこに子どもも描かれてたら、子どもがいるんだな〜って程度に見る。
おにぎり通信もそんな感じで読めばいいと思うんだけど。


2巻は具体的な育児エピソードも多かったような気がします。
二人の息子が大きくなって、昔のようなたくさんの荷物を持たなくて良くなったこととか、
二人とも男の子ってのがどういうことになるかとか(笑)
子どもたちの周りにはいつもオトナがたくさんいそうでいいなぁ。

おにぎり通信1巻の感想はこちら
posted by 藤村阿智 at 13:20| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月26日

ちはやふる24巻(末次由紀)

ちはやふる(24) (Be・Loveコミックス)
ちはやふる(24) (Be・Loveコミックス)

【以下少々ネタバレあり】

23巻も燃える展開だった〜。
24巻なんか、ちはやがかるたをとってるシーンは出てきていないんだけど
(ほかのキャラクターたちの試合がメインだから)
いままで20巻を超えるストーリーの中でおなじみになったキャラクターたちの
熱いエピソードが続く!

表紙からして「しのぶちゃんどうした!?」って感じですが、
この巻はクイーン・しのぶちゃんの心の動きが見所。
しのぶちゃんのささやかな「うれしいこと・好きなこと」が支えや自信として強さを守っていたのに、それが崩れてしまう。
そこで最後に残る「自分の中にあった強さ」と向き合いなおすシーンは震える。
崩れたとしのぶちゃんが思ってる「うれしかったこと」たちも、本当は崩れてなんかいないことに気づいて欲しい!と読者は思っちゃうけど、ここはそれすらなくても突き進みそうなしのぶちゃんの強さも楽しみ。
挑戦者の猪熊さんもかわいくて一所懸命で好きなんだよなあ。

名人戦のほうもすごい。原田先生を使ってすら遊ぼうとする周防名人、遊ばれても動じずもてる実力を出し切って挑む原田先生、どっちもすごい。
最後のほうでは周防名人の弱点……とちはやが感じた点があきらかに。
なんと。いままでさりげなく描写されてたいろいろが、ぱっと理解できてくるよう。
「ああ、それで!」っていう感覚。
読者として今後の展開も気になる!
ラベル:ちはやふる
posted by 藤村阿智 at 23:00| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月21日

テラオ The next generation machine(近藤るるる)全6巻

テラオ The next generation machine 1巻 (BEAM COMIX)
テラオ The next generation machine 1巻 (BEAM COMIX)


近藤るるる先生の「テラオ」読み返し。
6巻とコンパクトな巻数で完結しているので、読み返しやすいシリーズ。

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主人公・石原先生は勤務先の学校でちょっとした失敗をして、理不尽にも離島の学校へ転校することになってしまった。
生粋のゲーマーな石原先生は離島というゲームから遠い世界での勤務に不安を感じていたが、
たどり着いた小笠浦トーサン島には「じせだいしさくき」だというロボットのテラオがいて……
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この「テラオ」終了まで、ゲーム雑誌ファミ通でずっとマンガを連載していたるるる先生。
ゲームに関係することを題材にして、魅力的なキャラクターにときどきマニアックなネタを混ぜたドタバタコメディをつづけて連載していたことがすごい。

前作の「たかまれ!タカマル」は超名作だった。
高校の部活動で作る本格ゲーム雑誌という、小さな出版社ものとしても面白かったし、ゲームの話も途切れず出てくるし、そこにほのぼのラブコメやお色気を混ぜてくるという、コレでもかってぐらいの娯楽マンガ。

テラオも面白いんだけど、単行本を一冊ずつ追っかけて読んでたときはなかなかわかりにくかったな。
終わって最終巻までをいっき読みすると、かなり面白いのに、少しずつ読んでたらわかりにくかったという思い出がある。

テラオの機能として、最初のほうで判明して最後のほうまで使われる「ゲームを実際の世界に反映させる」ことができるんだけど、その影響の範囲がよくわからなかった。
ゲームの個別タイトルはさすがに出てこないから、パッケージやルールからなんのゲームの舞台になってるかわかる人なら楽しめると思うんだけど、最近のゲームにあまり詳しくない私には、「どこまでがゲームのルール・設定なんだろう?」というのが把握できなかった。
始まりと終わりも明確ではないので、これはゲームの発動なのか? 登場人物たちの心の動きはゲームに左右されているのか? といったことが判断できずに読み進めることになった。

ただ、本当にキャラクターはみんな良くて、憎めない明るいキャラがドタバタして石原先生を振り回すのは見てて楽しい。
「タカマル」ファンとしても、タカマルでメインキャラだった蓮沼さんがそのままヒロインとして登場することが嬉しくて、見守る気持ちで読んでしまう。

6巻で急展開、テラオの本当の機能が明かされたあとの展開は燃えるし泣いちゃう。
最後まで読んだらこれからもみんな仲良くしてくれよな! という気持ちですっきり読み終えて、キャラクターとの別れがただたださびしい。

テラオ The next generation machine 2巻 (BEAM COMIX)
テラオ The next generation machine 2巻 (BEAM COMIX)

テラオ The next generation machine 3巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
テラオ The next generation machine 3巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

テラオ The next generation machine 4巻 (ビームコミックス)
テラオ The next generation machine 4巻 (ビームコミックス)

テラオ The next generation machine 5巻 (ビームコミックス)
テラオ The next generation machine 5巻 (ビームコミックス)

テラオ The next generation machine(6) (ビームコミックス)
テラオ The next generation machine(6) (ビームコミックス)
posted by 藤村阿智 at 13:29| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月09日

レンジマン(モリタイシ)全6巻

レンジマン全6巻を読み返し。

※2015年、電子書籍版発売のためリンクを書き換えました。
 電子書籍配信開始おめでとうございます!

ちなみにこのレビューはネタバレありなので、1巻しか読んでない人は要注意。
ぜひ全巻読んでみてくださいね。


レンジマン(1) (少年サンデーコミックス)



打ち切り、と作者のモリタイシ先生も言っているとおり、6巻とコンパクトだし最終巻の展開は速い気もする。
でも主要登場人物について丁寧に描ききっている印象があって好きだ。

恋おおき少年、錬児は「やさしくされた」などキッカケがあれば恋におちる「レンジでチン」タイプの男。
しかしそんな恋がうまく行くはずもなく、100連敗と負けっぱなし。
彼女いない暦=年齢。

錬児はDr.オギクボ博士に目をつけられ、恋するトキメキをパワーにして戦う「レンジマン」にスカウトされる。
レンジマンは恋する気持ちをパワーにして戦うため、戦いで消耗した暁には恋のことを忘れてしまう。

一方、ヒロインの風香は誰もが愛する国民的美少女。美貌と魅力を生かして芸能界で活躍中。
「レンジマン」は、そんな恋しやすく不器用な少年・錬児と、みんなに愛されるけど恋は知らない少女・風香がそれぞれの「本当に好き」を見つけるお話なのだ。

モリタイシ先生は「いままで気づかなかったけど、こういう気持ちが恋の中あるのか。たしかにあるな」という強い説得力で恋愛模様を描く漫画家だと思っている。
ほかで見ない表現なのに、確かにそれは誰の心にもありそうで、気づいてないだけかもしれないという胸を締め付けられるような気持ちを教えられているかのよう。

錬児が隊員の奥田さん(レンジブルー)に言葉で教えてもらった気持ち、それを言葉ではわかりながら行動するのにやっぱりうまくいかなくて、失恋してしまったときに初めて「本当に誰かを好きになるということ」を実感するシーンなんか、少女マンガでもなかなか無いような胸をざわめかせるところですよ。

うまく言葉でいえないのだけど、さりげない動きやセリフの選び方に、登場人物たちの心の動きが無理なく乗せられていて、この本の中に確かに人物が存在しているような気持ちになれるのがすごい。

本当の恋をはじめたところで、大きな戦いも始まる。
風香を守るための戦いで、ちからを使い切ってしまえばこの恋は忘れてしまう……

さ! 錬児と風香はどうなるんでしょうか!
6巻で終わってしまったために、まだまだ描きたいことあったんだろうな〜という内容ですが、最後までしっかり錬児と風香のことを見届けられるので、ぜひまとめて読んで欲しい。
……って絶版で電子書籍にもなってないのか??(この記事を書いている現在)
絶版にするならすぐに電子書籍にして欲しい!
いでじゅう!の文庫とレンジマンの文庫での出版を願う!

※2015年、電子書籍版発売のためリンクを書き換えました。
 電子書籍配信開始おめでとうございます!


レンジマン(2) (少年サンデーコミックス)


レンジマン(3) (少年サンデーコミックス)


レンジマン(4) (少年サンデーコミックス)


レンジマン(5) (少年サンデーコミックス)


レンジマン(6) (少年サンデーコミックス)





posted by 藤村阿智 at 09:53| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

進撃の巨人13巻(諫山 創)

進撃の巨人 13巻も読みました。

進撃の巨人(13) (講談社コミックス)
進撃の巨人(13) (講談社コミックス)

ハンジさん好きなんで、ハンジさんがたくさん活躍したのでうれしい(笑)

やっぱりまだ終わってないマンガでネタバレが気になる作品のことは感想が書きにくいな。

最近とくに思うのですが、私は丁寧に描かれたマンガが好きなようだ。
この場合の「丁寧」とは、絵のことではないので、進撃の巨人の絵で全然かまわないのだけど、
ストーリーやキャラクターに誠実さがあるかどうか。
私が「好きじゃないな」と思ったマンガや小説って、誠実じゃなくて丁寧じゃないんだ。
読者に対して、キャラクターに対して、丁寧に描いてくれることを願っているらしい。
キャラクターのその後をすべて描くことだけが誠実というわけでもないんだけど、
謎や生と死と罪を散らばしたまま、ちからわざで終わられると、物語が終了しても心に残らないようだ。

いま「進撃の巨人」は謎も生も死も、罪もちらかしている状態。どう収束をするのかが不安で、途中の感想なんて出てこない。
どうもいままでの描かれ方だと、ある程度放置されるんじゃないかという不安と、まだこの作者のほかの作品を読んだことがないという未知さが私を安心させてくれないのかもしれない。

あと作者インタビューで「知名度が高くなったから、ちゃんと終わらせないといけない」(要約)というようなことをいっていたので、最初の予定と違う終わり方になるんだろうけど、大丈夫だろうか? とも思ったりしています。

【参考インタビュー】
「進撃の巨人」の漫画家、諫山創インタビュー! トラウマという財産!? 人生観と漫画創作が濃密に交わる諫山創の視点とは? | white-screen.jp
http://white-screen.jp/?p=32621
posted by 藤村阿智 at 10:21| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月14日

オトナのいろは1〜2巻(あさのゆきこ)

あさのゆきこさん初の四コマ作品。

もともとブログでたまにエッセイ4コマを掲載していて、それが面白いな〜と思っていたので
「オトナのいろは」も楽しく読めました。
最近の四コママンガよりは、きっちり4コマ目で落としてくる4コマ一本一本の連続で見せてくれる感じが、私のような古い四コマ好きにもうれしい。

あさのさんは「夕焼けロケットペンシル」や「閃光少女」のようにストーリーマンガを描いている人なので、画面の見せ方がほかの四コマと違う印象。

オトナのいろは (1) (まんがタイムコミックス)
オトナのいろは (1) (まんがタイムコミックス)

覇気もなく女に振られたばかりのとことん平凡な会社員、滝村くんが通りすがりの事故によって書道教室へ。
そのまま書道も習うことになって……

メガネで天然で巨乳というアザトイ美人の綾乃先生をはじめ、キャラクターはたくさん出てくるのにひとりひとりがちゃんと「そこにいる」のがいい。
一番特徴がないのは滝村くんだけど、滝村くんは主人公だからたいした特徴は必要ないのだ。新しい世界に飛び込んだ読者と同じ、これから知っていく・変わっていく存在として、平凡に見える滝村くんがつないでいく。

ふと見え隠れする綾乃先生の過去と、まだ消せていない悩みやわだかまりに滝村くんが気づいていく。
懐に飛び込んで支えることができるのは、それに気づいた人間だけなのだ。

オトナのいろは (2) (まんがタイムコミックス)
オトナのいろは (2) (まんがタイムコミックス)

2巻は綾乃先生の友達とお父さんのエピソードから。
家族のことが語られると、読者も心を許されたような気になってくる。滝村くんは読者に近い存在なのだから、同じように感じて距離を縮めていくのだろう。
もう一度、昔のように、でも新しい世界が見えてきた綾乃先生には、急に至近距離に滝村くんがいるように感じるんじゃないかな? 自分の過去で悩んでいたときには見えていなかった、本当は近くにいてくれた人として。
そんな風に周りにも目を配れるようになってきたところに、女子高生ライバルの登場ですよ!
綾乃先生にもうひとつ必要だったのは、背中を押す人。
がんばっている若者がそばに現れるというのは、年長者にはあせりとやる気を出させるんだねえ。

なんだか四コマの感想じゃなくなってきた(笑)
もちろんコネタで毎回笑えるのも四コマ形式のいいところ。
あさの先生のマンガは、あちこちにネタが仕込まれてたりするので、細かいところまで何度も楽しめるんだけど、四コマで書道となると、描かれた文字や置かれた小物にも気がぬけない(笑)

2巻で完結。
最後に、滝村くんのほのかな気持ちから始まった恋がどうなったのかは皆さん確かめてください。
滝村くんはすっかりひとりのキャラクターとして、(多少は)覇気のある、平凡なだけじゃない男になりました。読者から離れても、物語の中にいなくてはならない人物に主人公が成長したところで、お話は終わるのだと思います。
これからもこの物語の世界はどこかに存在して、続いていくといいな、と読者として願います。

そして新しい世界との出会いを求めて、あさの先生の次回作にも期待しています!


最後に「オトナのいろは」のカバーをはずして表紙を楽しもう!(笑)
posted by 藤村阿智 at 13:46| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月02日

団地ともお23巻(小田扉)

団地ともお 23 (ビッグコミックス)
団地ともお 23 (ビッグコミックス)

アニメも2年目に突入する団地ともお
もともと好きだからこそ23巻までコミックスを持ってるわけですけど、
アニメ見てたらなんだか余計に好きになってる気がする(笑)

アニメが始まったときは「これ原作の味出てくるのかなあ」って不安だったんですが
最近はお互い(製作側も視聴者側も)慣れてきたのか面白くなってきた。

23巻はアニメにしづらいんじゃないかと心配になるような、
ちょっと複雑なつくりの話が多い気がした。
最近の漫画のほうの団地ともおはそういう傾向があると思うけど、
落語みたいなズレを笑いに変えるという感じ。

アニメのほうもテンポよく、説明的になりすぎなければ面白くなるんじゃないか?
わかりにくそうな話はアニメにするとき説明しすぎたり、落ちを付け加えたりして
過剰になることがあるからなあ。監督の渡辺さんならうまくやれると思うんだけど。
(いまも監督だよね? そういえば確認していない)

既存のキャラクターも新しいキャラクターもたくさん出てきて楽しい。
委員長の鉄道オタクネタが好きなので、23巻にもあってうれしかった(笑)
posted by 藤村阿智 at 13:50| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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