2015年07月27日

フイチン再見!(村上もとか)1巻〜5巻

【5巻の感想を追記しました:2015/7/27】

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

とっくに書いたと思ってたのに、まだ感想書いてなかった。
いま、4巻発売をきっかけに再読中です。

女流漫画家・上田としこさんの人生を描いたマンガ。すごい。
上田としこさんといえば、私には「フイチンさん」でおなじみのひと。
母が「フイチンさん」が大好きで、復刻版を購入して、私も読みました。
その後大人になってから、アニメビデオが発売されたことを知って、それを制作会社から通販で購入して、母と一緒に見ました。
でもそういうきっかけがなかったら、私の世代には上田としこ先生は、まったく身近じゃない作家かもしれない。
上田トシコ - Wikipedia

長生きなさって、2008年に90歳でなくなったときはニュースで聞いて亡くなってしまったことに驚きました。
いつまでもフイチンさんみたくお元気でいらっしゃるような気がして。

この「フイチン再見!」は、そんな上田としこ先生の生涯を描くマンガになると思います。
もちろん、作品以外の先生についての情報はほとんどなかったので、こうやってマンガで読めることはすごいことだと思ってます。

以下マンガの感想。

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

1巻は、第一話で上田としこ先生が漫画家として活躍されているシーンから。
もう第一線の人気作家として、多忙な毎日を過ごされ、一緒に住む家族たちの生活を支えています。
そこに、なくなったはずの父親の幻が現れる。会話しているうちに、思い出されるのは幼い日から今日までのこと……

ハルピンでの生活が描かれる1巻。私、そういえばハルピンのことなにもしらないな。だから、西洋のような町並みがあったということ、そこに日本人、中国人、ロシア人、ユダヤ人とさまざまな人が住んでいたこと。なにもかも興味深いです。日本人で、お嬢様である「としこ」も、楽しみも悩みもあるのです。

1巻の後半では東京へ戻ってくる。学校は日本の学校へ通うため。兄の友人からの紹介で、イラストレーターで漫画家の松本かつぢ先生の弟子になったものの、先生はなにも教えてくれないで、もって行く絵やマンガにマルバツをつけるだけ。
それも6ヶ月続けていたら、先生からイラストの仕事をいただく。

周りの女学生は、どんなお相手のところへ嫁ぐのか・どういうお嫁さんになるのかを考えているのに、としこはひとり自立するためにマンガの道を目指す。

フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)

2巻。先生の紹介もあって、新聞に連載を始める。
父の反対も押し切って、マンガをもっと上手に書けるように、東京で絵の練習を続ける。
日本は戦争の時代に。絵を描く、マンガを描く、それももしかしたら危ういかもしれない時代。
友人の紹介で出会った近藤日出造氏には、「お嬢さんすぎて世間離れしているから、漫画家に向いていない」といわれてしまう。
働いてもっと世間を知ったほうがいい。とのアドバイスを受け、仕事を探すものの、女性の給料はとしこが父から送ってもらってる仕送りの3分の1しかないことを初めて知り愕然とする……

今まで読んだ戦争時代の話と、あまりにかけ離れた生活をするとしこの姿が逆に目新しい。
こうの史代さんの「この世界の片隅に」でも、戦時中といえども楽しみをもって暮らしたり、節約の中に贅沢を感じていたりと、「戦争は戦うだけじゃなく、生活のとなりに戦争があるんだ」ということを改めて感じたものですが、この「フイチン再見!」でのとしこの姿は、贅沢ができないはずだった時代に、多くの民衆より一段上の裕福な生活を送る人がいたこと、そしてそんな人ですら戦争の渦に巻き込まれ、世間の目を感じながら生き、思うがままには生きられなかったということを表していると思う。

・真珠湾攻撃・開戦の一報を、としこが銀座のパーラーで久しぶりのホットケーキをランチにほおばりながら知るシーン
・ハルピンでの生活中に雑誌や文化などで触れたアメリカの大きさ・強さを、裕福でインテリだからこそ肌で感じている
というところは、いままでに私が読んだ戦時中を描いた作品の中には出てこなかった、新しい目線だと思った。

フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)

3巻。画学生仲間の弦田氏に肖像画を描いてもらい、これまでの仲間と学んだ3年間を想いながらハルピンへ「帰国」するとしこ。
過激なハンガーストライキを経て、働くことを父に認めてもらったとしこは満州鉄道に勤め始める。
巨大な、国家そのもののような鉄道会社。
そこで知る、勤労女性の待遇の低さや、周りの人間とどうかかわっていくかの経験。
貧困と罪が身近に転がってるのを知る。
このマンガ、出てくる風景もきれいで人々も服装もみないいんですが、食べ物がおいしそうでいいですよね〜。としこがいいものを食べてるってのもあるかも(笑)
女性の環境を向上させるために立ち上がったとしこと、それを良く思わない人たちとの対立もある。
3巻はマンガをほぼ描かない。一回だけ、ポスターをマンガのように描いて、自分が人に与えられるマンガとは何かに気づくシーンは、この先重要になってきそう。


フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)

4巻。滅私奉公にいそしむとしこは、志願して慰問列車に乗り込み、鉄道沿線の各所をめぐる。
そこでも、であった少年たちの心をつかんだのはとしこが描くマンガ!
1945年8月を迎えて、日本は戦争に負ける。「だが、満州の日本人の”戦争”はここからはじまったのだ――」という裏表紙の言葉通り、あっという間に変わっていくとしこの周辺。
終戦の日はもう我慢せずにケーキを食べに行く! と息巻くとしこだけど……
戦争は終わったはずなのに、敗戦国としての試練がつぎつぎ襲ってくる。

本当にすごい話ですよ。この辺の、終戦後の満州のエピソードはほかの本でも読んだことがなくて、いままで触れてこなかった。上田家の居住していたアパートメントに三千人の日本人が避難してきて、ちからをあわせて共同生活を始めるんですよ。すごい……
「絵がかける」ことはここでもフルに活用される。

5巻の予告が最後にあったけど、不穏な感じですね……1巻の冒頭で語られてるからわかってるけど、つらいエピソードが増えそうだ。

フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)

4巻で終戦。5巻は終戦後ハルピンに残った日本人に起きたこと。
敗戦国・日本へ、掌を返したような中国・ソビエトからの仕打ち。
あちこちで起こる残虐な出来事が「明日はわが身」という不安のなか、としこたちは家族でひっそりと生きていく。
それでも、人気漫画のキャラクターを拝借して書いた絵が売れるところなどは希望もありますね。
また、日本が負けても変わらずに支えてくれる現地の中国人のあたたかさ。
行きずりの中国人兵士から受けた寛大な対応もあって、どんな状況でも100%つらいってことはないのかもしれないと思える……

シベリア抑留の話もそうだけど、終戦で日本はあっという間に復興に向かって、昭和30年には近代化が進んでるのに、海外に取り残された人たちの終戦後の苦労は大変なもの。
自分の国に帰るってことがこんなに大変だとは。

劣悪な状況の中、やさしくしてくれた人たちとも別れて日本へ向かうとしこたち一家。
でも、移動を始める前にとらわれてしまったお父さんがどこでどうしているか気になる……
っていうか、ああ……つらい展開です。そして6巻へ続く。


【続きを読んだら追記します】
posted by 藤村阿智 at 10:44| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

僕だけがいない街6巻(三部けい)

僕だけがいない街 (6) (カドカワコミックス・エース)


1巻から5巻まで出てるところで購入したので、そこまでは がーっと一気に読んでしまった。
間をおいて6巻の発売。


【以下ネタバレあり】

5巻の途中まではうまくいきそうだったのに、やっぱりあの人が犯人だということが判明……したところで主人公・サトルは退場するハメに。

いままでは時を巻きもどすちから「リバイバル」を使うことでなんとかやり直してきたけど、
自分の危機にちからを使えなくて(使えないルールなのかは微妙なところ。本人もちからの詳細をわかってないみたいだから……)
巻き戻った分の時間を、眠ってすごしちゃってほとんどスタート地点に戻ってきてる……ってかんじかな。


「真犯人」の過去のくだりは、まああってもよかったけどなくても良かったのかも。テンポがそこだけ違う気がして。

目覚めたサトルが、自分が活躍して解決したはずの過去を覚えていないというのはなかなかびっくりしたし面白い展開だと思った。

この後は真犯人との決着までが描かれるのかな。10巻以内……あと数巻でまとまれば全体的に面白い漫画になりそう。

なんとなくはまりきれないのは、やっぱり能力の範囲・弱点・制限・引き金がわからないせいかなあ。
私はお堅いSF脳なもんで……とくにタイムトラベルのちからって言う、いろんな能力の中で最強クラスのちからの適用範囲や条件が解析・説明されないのはつらい。

私自身が「タイムトラベルは怖い」と思ってるからなあ……うまく行ってる展開のときのほうが、「せっかくやったのに過去に戻っちゃったらつらい」って言う不安が「僕だけがいない街」を読んでるあいだずっと心のどこかにある。

あー、「ひぐらしのなく頃に」で何度も「ああーうまくやったのに……」って気持ちを覚えてるせいかな。あれはでも「そうなる条件」がなんども説明されてたからがんばれたんだよな〜。
posted by 藤村阿智 at 13:54| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月07日

逃げるは恥だが役に立つ1巻〜4巻(海野つなみ)

hontoで電子書籍版1巻が0円だったから読んでみたんですよ。
kindleでも0円なんでよかったら試し読みをしてみてください。
ただし試し読みをしたらいまでている分全部を買ってしまうでしょう。私がそうでした。

逃げるは恥だが役に立つ(1)


森山みくりさんは就職難の昨今、就活がうまくいかないからと大学院まで行った結果、余計に就活がままならなくなり、派遣で働いてみたもののそちらも契約終了。しかも親は遠くへ隠居するという。
そこで、みくりが仕事として家事代行をしていたクライアント・津崎平匡さんと相談の結果、
契約結婚! 仮面夫婦! 愛はない事実婚状態
……に仕事として取り組むことに。









4巻まで読み終わって。

二人は! 契約結婚したときは足並み揃って、お互いを一番理解して、上手に結婚生活を送っていたのに!
いまや契約結婚をこじらせてしまっている


少女マンガ……というかヤング向け女性コミック? (kissはどういう位置づけなんだ……)
なのでさわやか〜で大人な悩みの少女マンガという感じなんですが、
とにかくこれはジタバタ案件ですよ!(※読んでいると照れてクゥ〜となってモッハァー!となってもどかしくてジタバタしてしまうという案件)


あんまり、人がちゃんと話し合わないでお互いモンモンとしてるだけですれ違っちゃうのって好きじゃないんですが(自分がそういうタイプなので同属嫌悪です……)
この二人はいい感じですね。まだ我慢できるし、みくりさんかわいい。小賢しかわいい。平匡さんかわいい。ジャスト私好み。いちいち童貞っぽいところとかこじらせちゃっててめんどくさいところとか。いや二次元の好みの話ですけど……
主人公として読者寄りのキャラであるはずのみくりさんも、実は考えが読めないキャラクターですね。
だからまだどうなっていくのかわからない。


特殊な舞台設定やキャラ設定でもないのに、ひとつのとっぴな「契約結婚」という話題だけでここまでぐっと来る内容にできるのが作者さんのすごいところ。さすがベテランですね。世界もそんなに広くないところで展開しているのに、このこじんまりさがテーマにあっててちょうどいい。


5巻まで出ているんですが、ほかの本も買う関係でとりあえず4巻までにしちゃったので、はやく5巻が読みたいような、読んじゃったら今度6巻が出るまでが長いような。


こちらもどうぞ。
逃げるは恥だが役に立つ 5巻〜8巻の感想
タグ:女性
posted by 藤村阿智 at 16:30| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月06日

桑田乃梨子先生と愛猫にょろりさんの話

先日発売された、「だめっこどうぶつ」7巻をさっそく買いました。
桑田乃梨子さんの漫画は発売されたらすべて買うのです。



だめっこどうぶつ」は、生き物(その種族)としてどこかダメなやつが集まる森で繰り広げられる、
着ぐるみキャラたちの四季の楽しみや、ぐでぐでしたりほのぼのしたりねたみうらみしたりって言う様子を描いた四コマ漫画です。もう10年も続いている長期連載作品ですよ。
7巻も変わらず面白かった。


でも、7巻を読み始める前にカバー折り返しの「作者自画像&コメント」をチラッと見ちゃったんですよ……
!!
っと私が激しく動揺してしまいました。
涙する桑田先生のイラストと、いつも傍らに描かれている愛猫「にょろり」の姿がないのを見てしまったのです……。



中学生の頃に桑田漫画に出合ってから20年以上、ずっとファンで漫画はすべて買って読んでいるのです。
1999年発売の「飼うか飼われるか」という動物エッセイも発売してすぐ買って読みました。
「飼うか飼われるか」は作者が飼っている動物のエピソードではなくて、読者投稿や作者が取材に行ったペット関連施設や動物園・水族館などのレポート漫画が収録されています。

しかしその「飼うか飼われるか」の執筆中(1997年ごろ)に、桑田先生が迷いネコを拾います。
飼い主が現れず、そのまま桑田先生んちのネコになった「にょろり」さん。
とまどいながらも溺愛する様子が少しずつかかれるようになります。



「飼うか飼われるかR」として復刊してるので今もそのエピソードは読むことが出来ます。
元の本より収録が増えているので前の本を持ってる人にもいいかも。

その後発売される単行本の、最後にいつも収録されている「おまけまんが」の中にも毎回にょろりさんは登場するようになります。
にょろりさんが来てから描かれた「真夜中猫王子」は、いままでよりいっそう猫の描写が愛らしくなって、さすが猫を飼うと違うな〜と感じます。



にょろりさんと桑田先生、というエッセイも。
「日々是敗北」


さらに「にょろりがもしかしたら執事のように考え、行動しているのかもしれない……」と
ある意味妄想のような、いやいやエッセイで事実のような、不思議な「現実逃避漫画」である
「ねこしつじ」シリーズもあります。
   


4冊も。



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桑田先生のマンガについて書き込む2ちゃんねるのスレ(@少女漫画板、最近見てないな……)でも、
以前からおまけ漫画を読んだ人が「にょろり元気そうでよかった」とか「にょろりの近況が気になってオマケ漫画から先に見てしまう」という書き込みをしていました。
「にょろりがシニア向けフードを食べるようになったとあって心配。でも15歳だもんな」って書き込みも見た記憶があります。
あそこの住人のみんなは今どういうことを書いてるのかな。(だからといって見に行く気も起きない……よけい悲しくなりそうで)
読者の多くがにょろりさんのことを気にしていたんだと思います。


私はここ数年、猫のことを考えれば、にょろりさんは20歳近くになっているのだからお別れのときが来るのかもしれない。と思って、おまけ漫画を読むのも勇気がいるようになってました。

なのに「だめっこどうぶつ」7巻では(この記事の最初に描いたとおり)手が滑って本編を読むより先に知ってしまい……
「えっ!! 今回のオマケ漫画にはなんと描いてあるのだろう」と、単行本の最後を見ましたが、7巻にはオマケ漫画はありませんでした。
かわりに、カバーを取った(本体のほうの)表紙に、にょろりさんが旅立ったことがそっと描かれていました。

いち読者にすぎない私がこんなにさびしいなんて、実際に18年も一緒に過ごしていた桑田先生の寂しさは想像しきれません……


改めて、いろんな桑田本のオマケ漫画にすこしずつ描かれているにょろりさんのことを読み返したりしています。



posted by 藤村阿智 at 14:44| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月30日

銀の匙13巻(荒川弘)

銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)
銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)

【ネタバレ少しあり】

13巻は細かいエピソードの積み重ね巻といった感じ。
とくになにか大きな出来事があるわけじゃないけど、
いままでの行動が少しずつ結果になって進んでいく様子を見せている。

馬術部での部活動の集大成として大会出場。
勉強の成果あって御影ちゃんも大学の推薦を受けられる(?)ように。
八軒と大川先輩の会社も少しずつテストを重ねてる。
それぞれの卒業後の進路も固まりつつある……

13巻の最後では駒場からのなにかありそうな連絡、で14巻に引き!
posted by 藤村阿智 at 11:24| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

親なるもの 断崖(曽根 富美子)第一部、第二部【完結】

WEB広告で気になっていた漫画をとうとう買って読んでしまった。
「親なるもの 断崖」
昭和初期、北海道・室蘭に生きた女郎たちの話。
広告を目にした人は多いのでは……「しこめの女郎が誕生した」っていうなんか怖そうなバナー画像が印象的なもの。





広告自体は「まんが王国」のものなんですが、スマホ用の漫画サイトなのね。
読みたいな〜って思ったけどスマホで漫画読むの好きじゃない。好きな漫画の二冊目・電子版をスマホで見るってのはやるけど、初めて買う漫画はせめてPCで見たい。

……と思ってたら、まんが王国で人気が出て、書籍が復刊するんですって。
でも書籍はまだ発売されてなかったし、値段も高めになっちゃうので、kindleで購入。
一気によみました。

いや、一気によまざるをえない。
以前ケッチャムの「隣の家の少女」を読み始めたときに、あまりにも悲惨な描写が続くので「物語を終わりまで見届けることで、この話から脱出したい」と思ったときと同じきもちになっていた。悲惨だな〜と思ったときに途中でやめられる人すごいなって思う。結末すら悲惨だった場合でも、物語が終わってないと悲惨な状況がずっと続いているような気がして……(「隣の家の少女」感想はこちら


以下、「親なるもの 断崖」のあらすじ、感想など。ネタバレありだと思います。
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開拓使、軍事需要でたくさんの人が流れ込んできた北海道。室蘭は断崖に囲まれた町で、人々は鉄工所で働き、線路を引き、森を切り開いた。
同じ頃日本中で農民は貧困の中にいた。「親に売られる少女」が続出、物語の中心になる四人の少女も貧困のために生まれ故郷を離れ、室蘭の遊郭で「女」を売るためにつれてこられた。

……とまあ最初の設定から暗く重い話です。第一部はとくに、笑えるところもなくてずっと重い。
松恵、梅の姉妹は器量よしで人気が出ると思われたが、すでに16歳になっていた松恵は初日から「客を取らされる」。そしてショックで首をつってしまう……
残された梅は大好きだった姉ちゃんの分まで働く、と11歳にして女郎になり、あっという間に一番人気の女郎に。

小学校を出ていて教養と品のある13歳、武子はカラダを売る女郎ではなく、芸を売る芸妓に。

だれよりもまっすぐに、貧困で苦しんでいる親を楽にさせたいと、カラダで役に立ちたいと思っていた道子は器量がわるいという理由で女郎にもなれず下働きに。


吉原とか、京都とか大阪の遊郭のイメージはちょっとはあったけど、室蘭の遊郭ってワタシにはイメージが無くて……もともと都だとか人がたくさん暮らしている都会の「遊び場」と違って、男たちもひどい環境で働いている中で、ストレスを発散するために設置されている遊郭だからなのか、このまんがの舞台になっている遊郭は本当に環境がひどい。

さらに遊郭にもレベルがあって、四人が来た遊郭は「幕西」でも上級な場所。もっと悪い場所がたくさんあるらしい。
ずっと下働きをさせられている道子は、自分もきれいに着飾って客を取りたい。男に必要とされたい。と、下級の女郎に成り下がって壮絶な環境に自ら落ちていく。
でもこの物語の中で、一番笑顔のたえないのは道子なんだよね……


さらに戦争がはじまり、戦争は日常を大きく変え、戦争が去った後にはほとんど何も残らなかった。
でも室蘭の断崖を親とし、その懐で生き、子でありながらまた親となっていくという生き様が描かれていました。


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戦争の話や、歴史の話では、ちょっといまだ論争が続いている部分を断定している描写もあって
素直に「歴史の中にはふだん語られることの無い、こんなことがあったんだ〜」と思い切れないところもある。
第二部はとくに、同じ苦しみと問いかけが何度も繰り返されるので、読んでて混乱するというか「進まない」感じがあるかも。
ラストは見事でした。救いがないと途中で読むのをやめちゃうよりは最後まで読んだほうが読者は救われるだろうね。

あと、広告を見て「こういう内容のまんがかな」って思うと多分違います……
少なくとも「しこめの女郎が誕生した」っていうのが内容ってことはないです。
お梅ちゃん(美人の女郎さん)は脇役で、しこめの道子ちゃんが悲惨な目に遭う話なのかと思ったら、もうずっとお梅ちゃんが主役のようにハードモードでキツイ話でした。
なんか広告でも道子ちゃんがぶさいくぶさいく言われて見世物になってるようでかわいそうよ。いい子なのに。

amazonレビューには「男がクズばかり。もっといい男もいるとおもうけど」ってあったけど、場所や環境を考えるとこういう人ばかりでも不思議じゃないし、そもそも女郎が人間として扱われてないんだからこうなってもしょうがないだろうなと思う……
男の中では、茂世さんはいい男ですね。
タグ:女性 完結
posted by 藤村阿智 at 11:33| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月18日

犯罪と本

最近、神戸連続児童殺傷事件の加害者が手記を出版したとかで、話題になってます。
神戸連続児童殺傷事件 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

私も出るって聞いたときは読みたいと思ったんですけど、
「出るからには被害者遺族の了解を得たものだろう」と信じて疑わなかったんですよ。
毎年、事件がおこった時期になるとその後の話を気にしていて、毎年出される被害者遺族の方のコメントを欠かさず読んでいた。

今年のコメント内容も届いた加害者からの手紙についてだったけど、いままでとちょっと違っていた。

だからこそ、「被害者遺族の方へ送った手紙のような内容で出るのか」と思ったのだけれど
被害者遺族からは怒りの声が上がっていた。
そんな、被害者遺族の感情が傷つけられるような本は、私は手に取る気になれない。
個人的な感情を抜きにすれば、その本が出ることは禁じられたことでもないし、そこも自由であるとは思う。

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加害者が書いた本といえば永山則夫元死刑囚が書いた小説がいくつもありますね。
永山則夫 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%B1%B1%E5%89%87%E5%A4%AB
神戸の事件と同じく少年犯罪、しかしこちらは死刑が確定し、神戸の事件が起きて逮捕された直後に死刑が執行されたという人物です。
Wikipediaにも書いてありますが、逮捕されて獄中で執筆した本ということもあって、印税は遺族への支払いに当てられたようです。

あとはパリ人肉事件の加害者、佐川氏も本をよく出していましたね……
不起訴になって帰国後で、被害者遺族が他国だから問題にならないんですかね。

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私が読んだ本の中からも、犯罪関連のものをいくつか。
けっこう読んでるんですが、手元に置いておかずに処分してしまうことが多いジャンルなので、いまも手元にあるものを……

加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)

良書です。加害者の家族たちが、事件発覚後にどういう扱いを受けるか。何を思うか。実際どうなったか。
仮名のエピソードから、多くの人が知っている事件の加害者の家族も。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の家族たちが、事件のあとどうなったか。事件の前はどうだったのか。
家族と親しかった記者によるレポートもあります。
神戸の事件の加害者家族も出てきます。そのエピソードで心に残るのは、加害者の親が警察に「被害者の名前をご存知ですか?」と問われて答えられなかったという話。(71P)

普段連絡を取り合ってても疎遠でも、もし家族がいるなら、
自分が犯罪を犯さなくても「加害者家族」になる可能性はある。
そのときどうなるのか。家族は何を思うのか。家族の責任はどこまで? 加害者家族はどう生きればいいのか。
そんなことを考えながら読める本です。

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「連続殺人犯」の心理分析
「連続殺人犯」の心理分析

天才少年、ジェイソン・モス氏による本。
アメリカの犯罪者の中でも、かなり凄惨な殺人事件の加害者であるシリアルキラーたちと、
ジェイソン・モス氏が文通して分析した……という内容。
他に類のない本なので(いまはもう死刑になった加害者とのやり取りがたくさん)保存してある。もう新刊で買えないし。
それぞれの加害者についての紹介と、意外と普通の内容の文通。

最終的にはジョン・ウェイン・ゲーシーと文通の末、面会に行ってしまう。
ちょっとでもアメリカの犯罪について知ってたら名前だけ聞いても震えちゃう感じの恐ろしい人物です……。
で、面会室で二人きりになってしまい、モス氏はゲーシーに首を絞められる。危ういところで流石に助けが入ったけど、もう少しであたらしい犠牲者になってしまうところだった。
ひどい目に遭った。殺人犯との文通はもうやめる。
……というところで本は終わる。

著者のジェイソン・モス氏がなくなったというニュースがあったときは驚いた。
リアルタイムでニュースを見て「えっ!?あのジェイソンくん?」ってなった。
まだ20代だったはず……この本が出版されてから5年後ぐらいですね。

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死刑囚 最後の晩餐
死刑囚 最後の晩餐

これは気軽な読み物です。
うーん、いくらなんでもそんな言い方するのは抵抗があるな……
でも本当に。

アメリカでは死刑の前に食べたいものをリクエストできる制度があるそうで、
死刑囚たちも「これから死刑だけどなんか食べておきたいものある?」って聞かれたら
好きなものを食べたり
別に何でも良かったり
それぞれの個性がここでも見えてくるわけですよ。

本の中身はその死刑囚の紹介と、犯罪の内容の紹介、死刑の方法と。
「トーマス・グラッソ 蒸したムール貝12個、バーガーキングのダブルチーズバーガー、ミートボール、スパゲティ、マンゴー、ホイップクリームを添えたパンプキンパイ、イチゴミルクシェイク」
「ハロルド・マックィーン 2種のこだわりチーズケーキ(丸ごと2個)」
って感じで最後にリクエストして食べたものがカンタンなイラストつきで紹介されています。

上の本でも出てきたゲーシーは、これから死ぬのにカロリーを気にしてダイエットコークを頼んだりって所がまたぞっとして……

巻末には、「犯罪を犯すなら、どの州で実行するか考えたほうがいい。刑務所ミシュラン」みたいな企画もあって、アメリカってすげーなと思いました

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あんまり手元に持って無かったです。
事故のルポルタージュはあまり処分しないのですが、犯罪関連はルポルタージュでも著者と意見が合わないと読んでてつらくなってしまう。出来事だけ淡々と知りたいならネットのほうが私には合ってる。
だから、どこか遠いところの話のような気がしているアメリカの本が二冊もあるのかもしれない。

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アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)
アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)

フィクションで漫画です。

突然小さな子どもの命を奪われた一家。
親が目を話した責任を問う声、マスコミだけでなく一般人からもひどい扱いを受ける被害者家族。
そして家族を殺されてしまったという悲しみ、事件の真相を知りたいきもちがつのる。

犯人は捕まったが、意外な人物だった……
犯人側の家族も巻き込まれ、後悔と贖罪の中で初めてお互いを知り合う。

とにかくどちらの家庭もつらい話。
キレイにまとまりすぎているかもしれないけど、それでもつらいのには変わりない。

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重大事件と本とのかかわりが、今後どうなっていくのか見守っていたいです。

posted by 藤村阿智 at 13:00| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

好きな漫画ベスト10【完結】【個人的おすすめ】

Twitterで「#自分の人生においてトップ10に入る漫画をあげてけ」ってハッシュタグが流行って……

普段から、そういうのでリストをぱっと挙げるのが苦手なんですよ。
一番好きな食べ物は? って聞かれても、3番目ぐらいに好きな食べ物を「うーん、○○かな」って答えちゃって、後から「あああ!! ○○よりももっと好きで数日に一回は必ず食う、食いすぎるから我慢してるってぐらいのがあった!」って思い出したり……

しかし自分は漫画好きだとおもってたけど、読んでる人に比べたら全然読んでなくて、このハッシュタグを見てても
「読んだことがある」漫画ってほとんどない……なんなんだ私は、ほんとに漫画好きなのか?

しかも、定義が難しいよね。ついつい「ベスト」って考えたときに、いままでいろんな基準で考えたベストがごちゃ混ぜになってしまう。
・他人にはわかってもらえる気がしないがとにかく自分好みの漫画
・コレを読んで○○したから人生に影響を与えたといえる漫画
・とにかく薦めたい、面白い漫画・すばらしい漫画を読みたいのならこれを読めといいたい漫画
それぞれ違うじゃないですか……でも分けられるものでもないし……

ということで前置きが長くなりましたが(あとがきも長いよ)、
いろんな基準をごちゃ混ぜにした上での超個人的トップ10を。

【順不同】
・1作者/1作品で選びました。そうじゃないと作者が偏ってしまう。
・完結していない作品は選べない。終わらせ方ふくめ、全体を通して読んだときに好きかどうかが重要。
・作者名の後ろに(★)とついている場合は、作家買いしている作者の作品
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【残酷な神が支配する:萩尾望都(★)】
残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)
残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)

イギリス・アメリカを舞台に、悪魔のような義父からゆがんだ愛を押し付けられた少年・ジェルミの犯した罪への断罪と、壊れた心の救済を模索する話。(まるめすぎ?)

いまだ繰り返し読み続けている名作。重いテーマゆえ、オススメしたくても気軽にオススメできない場合が多い。
いずれがっつりと骨太レビューを書きたい、とおもいつつ書ける気がしなくて先延ばし中……


【エスパー魔美:藤子・F・不二雄(★)】
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ある日超能力に目覚めた中学生の少女、佐倉魔美。超能力を磨きつつ、困っている人は放っておけない性格のために、毎日おせっかいや人助けに奔走する。

毎回ミステリー仕立てであったり、おせっかいな魔美の少女らしい善意や、善意だけでは解決しない出来事、人を助けるということの難しさがわかるところがすごい。あと個人的に藤子F漫画の登場人物の中で一番高畑さんが好きなんだ。
子どものころは蛍光ペンで乳首に色を塗ったりした。あとマロングラッセなる食べ物が食べてみたくてしょうがなかった。
アニメの印象しかない人は特に原作を読んでみてほしいし、青年コミックって言ってもいいぐらいすべての話がしっかりしていて、作画もストーリーもとにかくレベルが高い! ひれ伏すしかない!


【N・Y小町:大和和紀】
N.Y.小町(1) (講談社漫画文庫)
N.Y.小町(1) (講談社漫画文庫)

時は明治。16歳まで男として育てられた小間物問屋の娘・志乃は、あとつぎたる弟がうまれたことで父から「今日限り男を捨て、女として生きよ」と告げられてしまう。しかも婚約者(幼馴染の退屈男)まで用意された……とあっては、家を飛び出すしかない。 途中で出会った開拓使のアメリカ人、ダニエル・アーヴィングと話をしたことで、女性も活躍できる国・アメリカへ行ってみたいという夢を持つ……

とにかく主人公の志乃ちゃんがイイ。どっちかというとイケメン系着物ヒロインで、武道にたけててアクションをこなし男と対等にやりあい、ずる賢く、でも一途なところが最強。舞台は開拓時の北海道、人種差別バリバリのアメリカ、花の東京……って感じでそのあたりの雰囲気が好きな人もうれしいんじゃない?
マスコット的に途中から現れるぶさいくなネコ・ポテ次も大好き。不細工なところがかわいい。
志乃ちゃんは女写真家として活躍するんだけど、その辺も見所。


【この世界の片隅に:こうの史代(★)】
この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)
この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

昭和19年、広島・呉に嫁いだ女性「すず」は、不器用ながらも日々の暮らしを乗り越えていく。
戦時中ではあるけれど、そこには毎日の食事、毎日の着る服、毎日の仕事、人とのおつき合い・出会い・別れ……どの時代でも人が生きている限り変わらない日常が、めぐってくるのです。

こうの史代さんの漫画はほとんど好きで、中でもトップクラスに好きな「長い道」「夕凪の街・桜の国」という作品もあるのだけど、やっぱり「この世界の片隅に」がちょっと飛びぬけているかな。
戦争。悲惨。非日常。繰り返してはならない。……というような、普段わたしが触れている戦争への語り口を、極力排除したような戦時中の日常漫画で、「あ、戦争してたときも、国民全員が戦って殺しあってたわけじゃなくて、戦争をとなりに置いたまま人々は日常を生きていたのか」という、ある意味当たり前のことを、戦争に本当のイメージが沸かない世代のわたしに気づかせてくれた漫画なのである。
http://honyonda.seesaa.net/article/109324250.html (2008年の上巻の感想)


【男の華園〜A10大学男子新体操部〜:桑田乃梨子(★)】
男の華園―A10大学男子新体操部 (第1巻) (白泉社文庫 (く-3-9))
男の華園―A10大学男子新体操部 (第1巻) (白泉社文庫 (く-3-9))

大学に入学したばかりの青年・ユカリは、小説家になりたいとほのかな夢を抱きつつ、気になる女の子もできて、これから大学生活を楽しむんだ〜!と思っていたのに、たまたまユカリの運動神経を見出した「男子新体操部」というマイナーな競技の部活に引きずり込まれてしまったのだ……先輩5人、新入生1人という状況で先輩たちに振り回されっぱなしのユカリ。小説は書けるのか。バイトはこなせるのか。好きなあの子とは接点が増えるのか?

私の好きな、ダラダラ部活動いりびたり系コメディ!!
桑田乃梨子先生のまんがは全部大好きだけど、一番私の心をつかんではなさないのは「男の華園」!タイトルはもともと「A10大学男子新体操部」にする予定だったけど、編集サイドから「男の華園」の提案があったそうで。
桑田作品には、多くの「学校=楽園」というテーマが下敷きにある漫画があるのだけど、この「男の華園」は読者(桑田ファン)にも作者にも、それが強く感じられた最初の作品じゃないかな。
消えてしまってからも愛おしく感じる、まさに「日常」だったことが懐かしく胸を締め付けるような……あの時ずっと一緒にいた人たちは消えたわけではない、でも関係性は変化して、日常は緩やかに変わってしまった。今も過去からの続きとして、楽しくやっているけれど、思い出すとあのころは「楽園」だったと気づくような経験がある人はより心に残るんじゃないか。


【ルナティック雑技団:岡田あーみん】
ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))
ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))

両親の海外赴任のため、ひとり日本に残ることになった中学生・夢実。 生活の面倒を見てくれる「お父さんの部下の家」はなんと、学校一のカリスマハンサムボーイ(?)天湖森夜の家だった! 天湖くんに憧れる(男女問わない)生徒たちからの嫉妬、夢実に想いを寄せる学園のアイドルだけでも大変なのに、天湖家の母親もキョーレツな個性。夢実は森夜と友達になれるのか?そもそも生きて無事に帰れるのか?(笑)

伝説級の「りぼん」掲載少女向けギャグマンガ。
岡田あーみんと駆け抜けた青春。
不条理なギャグが多いような気持ちでいたけど、ちゃんと読むと王道ギャグだし、いろんな文化に触れるとさらに楽しめるパロディも多いし、恋愛を軸にして少女マンガとしてもがっつり読めるし、森夜がとにかく魅力的。2015年7月には新装版が発行されるとのことで楽しみ!


【イタズラなkiss:多田かおる(★)】
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)

主人公・琴子は学校一のハンサム入江直樹に告白すべくラブレターを渡そうとするが、受け取ってももらえず玉砕。その傷もいえないのに、今度は新築の自宅が欠陥住宅のため地震で全壊してしまう。緊急で同居させてもらうことになった、父の友達の家とは……なんと入江家だった!!

あれ、「ルナティック〜」と似たあらすじ紹介になっちゃったよ。
私「同居モノ」すきなんですよね……「イタkiss」は比較的最近の少女マンガの中で一番好き。やっぱり、ガッツリ「両家の家族」が絡んでくるところがいい。家族がちっとも見えないマンガは(特に長期連載の作品では)好きじゃない。入江家もいいし、琴子のお父ちゃんも親戚もみんないいよね。
このトップ10リストの中では、唯一未完の作品。あと少しで終わるところだったろうに、多田先生が事故でお亡くなりになってしまったから。でもムリにほかの人の手で終わらせたりしないで、このままにしておいてほしいというきもちが強い。
1〜6巻の感想かいてます。
http://honyonda.seesaa.net/article/388814804.html


【まんが道:藤子不二雄A(★)】
まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)
まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

少年・満賀道雄は引っ込み思案で内気だけど、絵を描くのが得意な少年。授業の合間にも絵を描いていたら、同じクラスの才野茂が声をかけてきた。才野も絵を描くのが好きで、将来は漫画家になりたい!と夢を熱く語る。漫画家の夢は持っていなかった満賀も、少しずつ漫画への情熱を持ち始めて……

有名な作品。「藤子不二雄」と名乗る二人組みの漫画家の、幼少期から青年期までの体験を基にしたノンフィクション風漫画。エッセイや自伝ではないところがポイント。あくまで実際にあったエピソードや出合った人物をモデルに再構築した漫画ということ。しかし読むたびアツくなる。とくに、満賀はいつも才野に劣等感を感じているところがリアル。二人の天才がいた……という話になってしまわず、満賀は「なにも漫画家をめざさなくとも」やっていけそうな人間関係とキャリアを築き始めるところなんか、本当にドキドキする。
具体的な漫画の技術・見せ方の話も充実してるし、自分でも出来そうな漫画の工夫・生活の工夫・食べてみたい食べ物が続々出てくるので、多方面から楽しめるところも「何度も読んじゃう」理由かも……


【動物のお医者さん:佐々木倫子】
動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)
動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)

H大学の理系を受験しよう。と思ってたぐらいで将来のことを考えるまでにはいたってなかった高校生のハムテルと二階堂。学校からの帰り道、近道をしようと通り抜けた大学の敷地内で「追われている子犬」を助け、教授には「キミは将来獣医になる」「このカシオミニを賭けてもいい」と断言されてしまう。
犬を飼うつもりも獣医になるつもりもなかったのに、流されるように犬を飼い獣医への道を進むハムテル……変態教授をはじめ、個性豊かすぎる人々(&動物)との戦いがはじまるのであった!

好き。何度も読んでるしどこからでも読めるしなぜか細部まで記憶している。
油断してると頭の中に「フースフフースフス」とか浮かんでくるけど、いまだに何のことだかわからん。
(試験前に学生たちがつぶやいている。語呂合わせのようなものらしい)
個性豊かなキャラクターがいい……とかいったって、それぞれ超能力があるわけでもないし、ぶっ飛んでる変人なわけでもない。少しずつ「ほかの人とは違う、この人だけの」何かがあるという微妙なラインなんだけど、文庫の8巻を読み終える頃には「あの人ならこう言いそう」「これ好きそう」と、実際に身の回りにいる人のように親しんでしまう。今日もハムテル、二階堂、菱沼さんとチョビは大学にたむろしてるのかな〜とか想像する。
あと、私のリアル動物嫌いが緩和された気がする。テレビ、本、写真で見るのは好きなんだけど、実際に触ったり近寄ったりするのは苦手なんだ……でも「動物のお医者さん」読んだらちょっと平気になってきた。不思議。


【風の谷のナウシカ:宮崎駿】
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

人を寄せ付けない毒の森・腐海のほとりに生きる風の谷の人々。やがて毒に犯され死んでいく運命を背負って、それでも長い年月を森と共存してきた。しかし大国たちは小国も巻き込んで、領土を求めて戦争を始める。望む・望まないにかかわらず戦いの渦に飛び込んでいく人々。ナウシカも小国の長の娘として戦いに赴くが、腐海が存在する意味に少しずつ気づいていく。

漫画版を説明しようとすると、よく知られた映画版と違う話みたいになってしまう。
中学生ぐらいのときに初めて読んで、まだ全巻出てなかったし、戦争部分は難しすぎてよくわからないまま読んでいたと思うけど、当時から好きだったなあ。大人になってから読むと、戦争部分もそんなに難しいことは無かった。これも重いテーマで、善も悪もすべての人間が併せ持っていて、すっきり解決なんてことは出来ないことを知らされながらも、やっぱり日々は続いていって、生も続いていくということを実感する。


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以上です。
やっぱり10本選ぶのは難しい。ハンパに多い。
3本とか5本なら、ズバッと選べそうなんだけど、10本選ぼうとすると「同順位ぐらいに好きな漫画が他にも……」ってのが出てきちゃうんですよ。
「これをあげてコレを入れないなんて……」とか。

今回あげたものより、読み返した回数では勝ってる漫画もあるんですよ。
でも読み返した回数ではなく……冷静に、かつ熱く、考えた結果のTOP10というか……
1位から10位に並べろって言われると余計に困っちゃうのでやめておきます。
(ランキングではありません)
それぞれ全然別物だから、基準が無いようなものなので順位がつきません。

また、好きすぎてほとんどレビュー書いたことのない作品ばかりになってしまいました。
とてもじゃないけど、感想としてこの「好きなきもち」をまとめることが出来るとは思えない。
上記の紹介文は「これが好きだ!……アッ、こっちも、好きだ!」って感じでうきうきしながらしゃべってるとおもって読んでください。

「ハマって、同人活動をしたことがある漫画」もいくつか存在はするのですが、上記のTOP10には入りませんでした。
次点にもほとんど入ってないな……不思議。同人活動をするかどうかってのが、必ずしも「一番好きな漫画」ではないということでしょうかね。好きには違いないけど。あと、リアルタイムで読んでてはまって、人気作品のために引き伸ばされて、最後までついていけなかったり、終わりのほうはいまいち好きになれなかったという理由もあるかもしれません。


posted by 藤村阿智 at 16:02| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月04日

うちの妻ってどうでしょう?7巻(福満しげゆき)

うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)
うちの妻ってどうでしょう?(7) (アクションコミックス)

福満しげゆき氏の、愛妻を観察した四コマ風エッセイまんが。7巻。最新刊にして最終巻になってしまった。

年に一冊ずつぐらいだけど、出るのを本当に楽しみにしてたんですよね……
「僕の小規模な生活」のほうも6巻で止まっちゃってたので、題材の似たこちらも楽しみにしてたというか。
ほかのも買いましたよ。
福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
こちらとか。

「うちの妻ってどうでしょう」6巻ではとうとう家を買い、子どもも二人になって、ほんとに……
「僕の小規模な失敗」から見守ってきたわけですよ……
同世代で、自分と似たところがあるというか……学歴が高いわけじゃないけどなんか自分は賢いような気がしているのに、本物の高学歴よりやっぱり劣ってることにうちのめされたりとか……あと……生活力のとぼしさとか……

文体まで福満氏っぽくなってしまった。

最初は「なんだこの四コマ風になってるけど四コマずつじゃない漫画は!」って思ってたし今も思ってますけど、でも楽しみにしてたし読み返しもしてたんですよ。

7巻は、もう早いうちから終了が決定していたようで、そこに向かってちょっといままでの形式を変えてみたり、漫画が終わることへの不安を綴ってみたり、いつもどおりといえばいつもどおりですけど、さらに光る何かがあったように思います。

妻の描き方について某先生からも指摘があったとのことで、ちょっと初期の描き方にもどす感じになってます。正直うれしい。妻かわいいよ。妻〜

「ボクとゾンビ」というテーマから、あの「新作ドラマの設定が福満氏の漫画に似てる」騒動の悲哀まで描かれているのですが、字が多い(笑)

7巻で好きなエピソードは

■176話のあのメニューが夕食に並ぶときに必ず言う言葉
 こういうの好き(笑)一見つながりがないところがまたいい。

■178話〜179話の盛り土のはなし 家の周りに突如謎の盛り土が置かれるように……
 原因には早い段階で「アレじゃないかな……」と思い当たりましたが(ワタシには身近な話だったので)、ミステリー仕立てで怖さが伝わってきて良い!

■193話の奥浩哉先生がストーリーを考えてくれる話
 奥先生のすごさを感じる回……!
 しかし「GANTZが植田まさし先生の絵柄だったら……成立するだろうか」っての、なにそれ読みたいよむしろ読みたいよ!

で、ほんとに終わってしまったわけですが、
「それでも日々は続きます」(オビの言葉より)ってことなんですよねえ。

またどこかでエッセイ描いてください。WEB連載でも最終的に紙本で出すタイプの媒体とかだとうれしいなあ。

ほかの福満しげゆき作品の感想もあります。

僕の小規模な生活(福満しげゆき): 漫画の感想ブログ ホンヨンダ
http://honyonda.seesaa.net/article/403974268.html

僕の小規模な失敗 福満しげゆき: 漫画の感想ブログ ホンヨンダ
http://honyonda.seesaa.net/article/114635781.html
posted by 藤村阿智 at 16:41| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月02日

とめはねっ!14巻(河合克敏)

とめはねっ!鈴里高校書道部 14 (ヤングサンデーコミックス)
とめはねっ!鈴里高校書道部 14 (ヤングサンデーコミックス)

楽しみに読んでいた漫画の最終巻。
とてもいいシリーズでした。

よく「登場人物の成長物語で〜」ってあらすじをいわれる話はあるけど、
「とめはねっ!」は本当に、登場人物たちが成長していく話だったと思う。
しかも、不良がいい人間になる。とか落ちこぼれが立派に成功する。とかそんな話ではなく、
普通に成長期の少年少女が、周りのいい大人たちに導かれ、自ら体験して発見して学んで、数々の知識や技術を得て成長していくという話で、だからこそ一見しただけでは地味に見えても、とてもいい漫画になっているのではと感じます。

望月さんと縁くんの二人は、高校に入学したときはまだ書道に触れてもいなかった。それが賞をとるほどの腕前になる成長ぶりを、確かな説得力で語っていく。
縁くんの片思いのゆくえも気になるところで、書道の面白さだけじゃない魅力も。

私自身、絵を描いているわけですが、書についての話や、技術と練習と作品と伝えられるもの……というたくさんのポイントが、書と絵に共通するんだなあと思いながら読みました。
また、作者・河合先生の画面構成というか、白黒のコントラストは、書に通じるバランスがあると思うんですよねえ。


14巻は、170話の最後で縁くんの渾身の書がついに完成するシーンから、171話はずっと泣きながら読んでしまった。173話の、三輪ちゃんの入れ知恵で望月さんが大人を丸め込もうとするシーンで笑って元通りに。

最後まで恋の行方ははっきりしないながらも、ま、あとはうまくやってくださいよ!と素直に応援できる終わり方でした。


また最初から通して読もうかな。
最近、もういちど通して読みたい漫画がいろいろ増えてしまった。
まだ読んでない方も、とめはねっ!の14巻はいいボリュームでどんどん読めちゃうと思うのでお勧めです!
完結したこのチャンスにぜひ。


13巻の感想もあります。
http://honyonda.seesaa.net/article/412122950.html
タグ:オススメ
posted by 藤村阿智 at 14:34| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月01日

でぃす×こみ1巻(ゆうきまさみ)

でぃす×こみ 1 (ビッグコミックススペシャル)
でぃす×こみ 1 (ビッグコミックススペシャル)

ゆうきまさみ先生の漫画を読むのは久しぶり。


私が好きで読んでいる「漫画家漫画」ジャンルとして購入しました。
・漫画家が漫画描いているところのエッセイ
・漫画家が主人公・中心人物の漫画

これに当てはまる漫画はけっこう読んでいます……


「でぃす×こみ」は、少年漫画家をめざしている高校生の女の子・渡瀬かおるちゃんが主人公。
かおるちゃんはめでたく新人賞を受賞した……はずで、その授賞式から始まるんだけど、ようすがおかしい。
じつは受賞作「でぃす×こみ」というまんがは、かおるちゃんが描いたものではなく、兄の弦太郎が描いて勝手にかおるの名前で投稿した漫画だった!しかもBL(ボーイズラブ)!

と、いうわけで、その事実を隠したままプロデビュー・漫画執筆をすべく、妹と兄の二人三脚で漫画制作が始まったのである。


……という出だし。
やっぱりいいキャラはおにいちゃんだな〜。ゆうきまさみ先生の漫画っぽいキャラクター。主人公じゃないところがさすが。主人公は振り回される立ち位置が一番いいですよね。
編集さんとの打ち合わせとか、漫画を良くするために手を加えていくところとか、漫画を描くに当たって参考になるシーンも盛りだくさん。もちろん漫画を描いたことなんてなくても楽しめると思う。

1話ごとにはさまれている、「表紙のラフ案」もすごく参考になる。
どれも(上記に画像がある)実際の1巻の表紙にはちょっと「足りない」かんじがいい。なるほど、それよりこういう風に変更して最終的にこの表紙になったのか……と。
悩みながら描いてる女子高生。本当に受賞した漫画を描いたのはだれ? いまはどういう関係?
っていうのを表紙イラストで魅力的に伝えようとモサクした結果、この表紙になったんだなと。すばらしい。


描いている漫画の内容も、ボーイズラブだって言うのがひとくせあっていいですね。
まったく「腐女子(ボーイズラブを愛好し、すぐにひとの関係性をボーイズラブ化するような女性のこと)」ではないかおるちゃんと、なぜか「セツなくも美しい物語」をつきつめたらボーイズラブにいたってしまったおにいちゃんの弦太郎がコンビになっているところがいい。
弦太郎のほうも「腐男子」じゃないので、練った結果(投稿作のアイディアに)ボーイズラブになっちゃったわけでしょう。だから、これからあたらしく描く作品もボーイズラブを描くなら、「萌え」じゃなくて「計算」でつむいでいかなくちゃいけない。そこが、「BL!俺がBL!」ってゆうき先生が悩みながら描いているのとリンクして面白くなってるのかもしれない。
タグ:漫画家漫画
posted by 藤村阿智 at 12:07| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月29日

おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (栗原まもる)

おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (マーガレットコミックス)
おまかわ ─お前らの可愛いところなんていくらでも─ (マーガレットコミックス)

漫画家・栗原まもる先生と一緒に暮らしている二匹の猫さんたちを描いた猫マンガ(エッセイ)。

いや〜もちろん、猫たちのかわいいところとか、面白いエピソードとかがたっぷりつまった一冊なんですけど、ほかの漫画と違うところといえば飼い主の様子まで楽しめちゃう所ですかね!

ジムさん、リリーさんももちろんかわいいですよ。
しかし栗原先生の「おまえらかわいいっ!」っていうポイントが面白すぎる。
ジムさんとの出会い・そしてお迎えにいたったエピソードとか。
癒されポイント、ソコ!?……ってかんじになることまちがいなし。

私はもともと、普段はストーリーマンガを描いている人のエッセイマンガはコマ運びや構図がダイナミックで楽しいと思ってるのですが、「おまかわ」も例に漏れず猫エッセイとは思えないダイナミックさ。

2匹の猫がまるっきり違う個性なのも、2匹いるからこそ比較できて、くっきりわかって面白い。
病院へ連れて行くときに、ジムさんには苦労し、リリーさんは楽だという話なんか、実際に猫を飼っている人には「うちもそうなのよね〜」と共感できる、あるあるポイントなのでは?

へんな場所に入っちゃってる、外にはばたこうとする、大事なものをぶっこわす、一緒に寝てくれない、えさをねだるばかり……と猫と暮らしていると起こる困難もすべて「かわいさ」で吹っ飛ぶというところが猫のすごいところ……というか「かわいい!」で最終的には許しちゃう、飼い主の栗原先生の様子を遠巻きに眺めたい。そして眺められるのがこのマンガ、ということでw
「猫として間違ってるリリー 可愛いリリー」……親バカ!!眺めたい!

ジムさんはスコティッシュフォールドだとおもわれるので、スコ飼ってる人にはしぐさや性格などをより楽しめるのでは。
実際、本を購入した人の感想で「表紙のスコちゃんが可愛くて買いました」って方もいらっしゃったし、猫を飼っていると同じ種類の猫だというだけで親近感がわくんでしょうね。リリーさんはなんて種類の猫さんだろう?
【追記】リリーさんはブリティッシュショートヘアーという種類とのこと、調べてみたらこれまた可愛い写真がいっぱい……結局わたしも猫好きなのかw

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電子版もあります。
内容は同じとのことです。

おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 2匹との出逢い編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 2匹との出逢い編 (マーガレットコミックスDIGITAL)

おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 可愛いは正義編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
おまかわ -お前らの可愛いところなんていくらでも- 可愛いは正義編 (マーガレットコミックスDIGITAL)
posted by 藤村阿智 at 12:51| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月26日

発達障害の人のことを描いた漫画(最近読んだものから)

発達障害のことが話題になっている。

私も日ごろから、発達障害のことをもっと知りたくて、そしてたくさんの人が知ったらいいと思っている。

最近読んだ本の中から、発達障害や「生きにくさ」を感じている人が出てくる漫画をご紹介。

ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)
ニトロちゃん: みんなと違う、発達障害の私 (知恵の森文庫)

作者を投影したキャラクター、ニトロちゃんは発達障害らしく、人と違ってて生きづらい毎日を送っている。
普通と違う反応のせいで、友達をびっくりさせたり、親を困らせたり、先生に嫌われてしまったり。

エッセイ形式というよりは、「ニトロちゃん」を客観的に見守りながら、起こった出来事を綴ったり、ニトロちゃんがそのときどういう気持ちだったのかを描いていく。
だからこそ、押し付けにならず、読んだ人はニトロちゃんのことを考えられるようになっていると思う。
人と違うことを打ち明けることは、甘えているわけではないことがわかる。

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母親やめてもいいですか
母親やめてもいいですか

待ち望んで妊娠→出産した愛する子どもの様子がちょっと変わっているので調べてみると、
発達障害だと判明して、発達障害と闘おうと情報をあさり、戦い、疲れ、母親をやめてしまった人のエッセイ。
発達障害の子どもとどう向き合うか、そして自分がどうなってしまったのかが赤裸々に綴られている。

最後の最後で描かれている「広汎性発達障害がなくなるようにと願って、それが娘への愛だと信じていたけど、見知らぬ子が娘の身体を引き継いで、娘の魂は天に召されるとしたら……いやだ!」ということにたどり着くまで、苦労も悲しみも、取り戻せない結果もたくさんありすぎて、読者として私の胸につらい気持ちが残る。

ちょうど一年ぐらい前に書いた感想もあります。
http://honyonda.seesaa.net/article/398261436.html

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プロチチ(1) (イブニングKC)
プロチチ(1) (イブニングKC)

人とのコミュニケーションが上手に出来ず、会社を辞めてしまった直(ナオ)は、産休が明ける妻と入れ替わりで主夫&育児をすることに。育児初日でテンパりつつも、自分がいろんなことをうまく出来ないのはアスペルガー・高機能自閉症・発達障害といわれる特徴のせいだと思いあたる……ところからはじまる、「プロチチ」として育児をやりながら直が生きる力を獲得していく物語。

妻の花歩とも、幼い息子の太郎や周りの人間とぶつかることもあるけれど、自分を自覚してからの直はめげない。周りも少しずつ理解して協力してくれる。
いごこちのいい職場も見つけ、自分のできること・得意なことを少しずつ活用できるようになって行く……

読者に伝えるちからは、さすがベテラン漫画家:逢坂みえこ先生のすごいところ。
1巻の感想はこちらにも。
http://honyonda.seesaa.net/article/413544775.html
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発達障害は、本人も周りの人も、どちらも「発達障害とはどういうものなのか」を少し勉強するだけで、格段に生きやすい環境になるんじゃないか。ある程度のパターンというかメカニズムが共通しているのだから、自分がなぜイライラしてしまうのか、なぜ相手に伝わらないのか、それを知るだけで今後変えていくことが出来る。
だからこそ、いろんな漫画・書籍・ネットの記事などで、伝え方や考え方を知ることはいいことだと思う。
発達障害ではない人に対してだって、誤解のないように伝えたり、敏感に空気を読める人でないと対処できないようなことを減らしたりできると思うんだよな。いろんな人とのかかわり方を知ることで、普段の人間関係がもっと円滑になっていくと思う。

posted by 藤村阿智 at 14:02| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月25日

岡崎に捧ぐ1巻(山本さほ)

岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)
岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)

岡崎に捧ぐ|山本さほ|note
https://note.mu/sahoobb/m/m6d7f0f032e74

上記のnoteで1話や最新話など数話が読める。

発売前日に初めて読んだ1話、2話の岡崎さんエピソードにすっかりやられて、即単行本1巻を購入ですよ!

結果としては、1話と2話の雰囲気と、それ以降の雰囲気はだいぶ(印象と)違ったんだけど、全編楽しめました。私としては作者の山本さんみたいに子ども時代をすごせてたらよかったなあと……
内容は山本さんの小学生の頃の思い出エッセイです。
べったりくっついてた友人の岡崎さんとの思い出がたくさん。

どのエピソードが面白かったかってあげるの難しいなあ。こまごまと、面白いところがたくさんあったからなあ。
一番最後の、ちょっと遠くまで冒険する話がよかったかな。
山本さんの子ども時代の懐かしい文化もいいんだけど、ちょっと私と時代がずれてるせいか、文化が関係ない話のほうが心に残る感じ。
しかし私が同じクラスにいたら、多分変人枠で変な同級生ネタとしてキャラにされるほうだな……


文具好きの私としては「文房具という免罪符でおもちゃ(的な文房具)を学校に持ち込む」って所とかぐっときました。(笑)
あとはかみつきばあちゃん? あれは売り物ではなくて景品だったと思うけど……でもそういうエピソード出てくると「オッ」て思う。

2巻以降も楽しみ。
posted by 藤村阿智 at 14:04| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月03日

深海生物大事典

深海生物大事典
深海生物大事典

図鑑、データ関連の本を読むの大好きです。このブログでもいくつか紹介しています。

粘菌―驚くべき生命力の謎: ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/401597222.html

見つけよう信州の昆虫たち(信濃毎日新聞社): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/133028110.html

日本の毒きのこ (きのこ図鑑): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/130046933.html

いろいろたまご図鑑: ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/17753210.html


などなど。

深海生物の本も、今までにもいろいろ出てはいるのですが、やはりまだ研究が進んでない分野と言うこともあって写真が不鮮明だったりしたのですが、この本は断然きれいな写真がふんだんに使われてて、みているだけでも相当たのしい。

写真につけられた文章も興味深いものばかり。普段見慣れている生物とかけ離れた生態や、エピソードなど。

やっぱりまだ未知の部分も多くて、何を食べて生きているのかわからなかったりもしますが、
どのくらいの深さに住んでいるか・大きさはどれぐらいかがわかるだけでも充分想像を働かせられる。

見開きで1種を紹介するのが基本。
本の大きさも大きくて、厚みがあって重いので、私が図鑑でよくやる「寝る前の読書」にはちょっと向いてない。ハードカバーだったらうれしかったけど、それは私の個人的な事情と好みです(笑)


深海生物に興味があるけどまだ何の本も持ってないのよね〜という人にはとくにオススメの本です!
posted by 藤村阿智 at 01:14| 図鑑・データ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月21日

Spotted Flower 1巻(木尾士目)

Spotted Flower 1
Spotted Flower 1

「げんしけん」シリーズの作者、木尾士目先生が「楽園」で連載している漫画。
連載自体も知らなかったけど、コミックスの発売も知らなかったから情報ゲットしてさっそく購入。

帯に「そんな未来」って書いてある。
内容のほうでも、はっきりと名言はしていないけど、この二人はげんしけんの「あのひととあのひと」に見える。

作品の中ではこの「新婚夫婦」の名前は明かされない。
妻のほうは妊娠しているようだ。
夫は重度のオタクのようだ。
妻はオタクじゃないようだ……でも理解はありそうだ。

と、いうわけで、「げんしけん」を読んでる人には「公式パラレル同人誌」のように楽しめるのがこの本。

新婚でラブラブで妻がえっちすぎるだろ(笑)
……好物です

妻の友人のあの人(と思われる巨乳お母さん)がどうどうと、どばーんと、見せてくれるところも見所です。
個人的にはおばあちゃんに名づけを頼みに行く回がお気に入り(笑)
posted by 藤村阿智 at 13:25| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月20日

誰が彼らを止められるのか ルポ・累犯障害者たち (朝日新聞デジタルSELECT)

ここ数年気になってるテーマ。

誰が彼らを止められるのか ルポ・累犯障害者たち (朝日新聞デジタルSELECT)



知的障害などのために、わるいことだとわかっていても罪を犯してしまう。
逮捕・裁判・拘留されても、釈放されればまた繰り返してしまう。
そういう人がまちがいなく存在していて、今の世の中だと「悪いことをするまでは手を差し伸べられない」
「罪をある程度の拘留でつぐなったことになれば、それ以降の福祉はすくない」ということがほとんど。

この電子書籍では、2件の実例をもとに、なぜその人は逮捕されたのか、なぜ繰り返すのか、警察・司法や福祉はどういう対応をしているのかを紹介している。

実際の事件と、裁判と、逮捕された人物の置かれている状況がそのまま書かれているので読んでて実感がわきやすい。200円程度の電子書籍だけに、短くて少し物足りない。もっといろんな事例を見たいようなきもするけど、結局いまの問題や現場で起こっていることはバリエーションなどないんじゃないかとも思う。
テキストの分量としては特集記事ぐらいかな。


でも、身近に迷惑行為を繰り返す人がいたりしない人にこそ、こういう話題に触れて欲しいと思う。
想像だけでは追いつかないと思う。文庫「累犯障害者」を読んだときのショックはなかなか大きかった。
人より、書かれてる内容について想像したことがあるほうだと思ってたけど、全然足りていなかったことを知った。もちろん障害がある人の中でも、誰にも迷惑をかけない、自分のことは自分でできる、ひっそりと生きてる人も、または活躍している人もいるだろう。
しかしこの本を読んだ後は、気軽に「親のしつけが」とか「周りは何をやってるんだ」「迷惑行為をしないのは社会人の最低必要条件」みたいなことはいえなくなる。
私たちには普段、結果としての悪いことなどが見えるばかりで、そうならないように工夫や努力をしていた福祉や家族の行動は見えてこないのだから……あとは事例を知って、理解と想像を深めないと、と感じている。



「累犯障害者」の感想はこちら。
posted by 藤村阿智 at 15:58| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月16日

進撃の巨人16巻(諌山創) 感想

【注意:多少ネタバレあり!】

進撃の巨人(16) (講談社コミックス)
進撃の巨人(16) (講談社コミックス)

15巻に続いて、なぞが明かされていく展開ですね!
「巨人のちから」について・グリシャ父さんがあのとき何をしたのかについて・レイス家について・謎の黒髪の女性について、などなど……

それにしてもヒストリアとエレンはつらい立場ですね。エレンの絶望っぷりってば。ヒストリアのたくましさが余計に浮き彫りになるんだけど、エレンはいつも周りの女性の強さ・美しさを引き立ててばかりだな!
でもそれぞれの女性に、以前に「エレンに救われた記憶」みたいなのが残ってるから、一見ヘタレでも愛すべき存在のエレン。こういうところうまいなあと思う。
ジャンの「てめぇ一回だって自分の力一つで何とかできたことあったかよ?」って突込みが厳しいw
posted by 藤村阿智 at 18:27| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月07日

ヤマノススメの山のススメ

ヤマノススメの山のススメ (NEKO MOOK)
ヤマノススメの山のススメ (NEKO MOOK)

アニメ「ヤマノススメ」をセカンドシーズンまで観たので購入。
ヤマノススメで登った山やキャラクターの紹介はもちろん、これから山に登る人向けの初心者用読本としても楽しいと思う。

とくにヤマノススメをみるまで山に登ったことがなくて、かわいい女の子が出てくるからアニメを見てたけど、山に登ってみたいな〜とちょっと思った人……には実用性もあるのでは?
私自身は山育ちで、結構高い山にも登山したことがあるけど、子どもの頃の話だから、いま再び登ろうと思うとちょっとハードル高いなあ〜って思ってるので、こういう感じで必要なものや上りやすい山が紹介されてるのはうれしい。
アニメ自体も、まるっきり登山初心者の少女・あおいちゃんが、経験者の友達に引っ張られるように山を楽しんでいくって言うストーリーだったから、まさにそんな感じの雰囲気のムック。

アニメファン向けにも、舞台になった飯能の実在する場所や、声優さんへのインタビュー、キャラクターの話、ポスター、原作者インタビューなど盛りだくさんだから、別に山に登る気はないけど〜って人に向けたファンブックとしてもなかなかボリュームのある読み物だと思いました。
posted by 藤村阿智 at 12:01| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月06日

かくかくしかじか 5巻(東村アキコ)感想【完結】


5巻で完結。

発売の前の日あたりに、「マンガ大賞2015」も受賞した話題作。

かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)
かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

私もこのシリーズを好きで読んでいて、きちんと完結して、「アキコ」のこれまでと今が、飾りすぎることもなく書かれていたと思う。
先生の最後の言葉のくだりは泣いた。

まじめに描かれているエッセイだと思うし、思い出せないところを「思い出せない」と綴る正直さもいいと思った。
数ある「漫画家によるエッセイマンガ」の中でもいいマンガだと思う。

ただ、これで大賞を取っちゃってよかったのか?
東村さんはフィクションのマンガも描いているわけだから、エッセイという本当にあったことだからこその「話のちから」に負けないフィクションのマンガでまた大賞を狙って欲しい。

5巻は東京の風景が書かれてるコマにあまり意味を感じられなくてテンポがちょっと悪くなってるところが多くて残念だったかな。

コレまでの巻の感想も以下に書きました。

かくかくしかじか1巻(東村アキコ): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/360562367.html

かくかくしかじか(東村アキコ) 4巻: ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/403606810.html
posted by 藤村阿智 at 19:16| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする