2016年07月04日

げんしけん 20巻(木尾士目)

げんしけん 二代目の十一(20) (アフタヌーンKC)



げんしけんも2代目になってからのほうが長くなっちゃったんですね。

半年に一度出る新刊を楽しみにしている私です。
面白いと思うんですけど、amazonの星は低めですね……いや、もう内容を見なくてもわかりますよ。
読書メーターとかでもみんなとにかく「斑目ハーレムが長くてうんざり」って言ってるんですよ。
私好きですよ。もう斑目さん好きだから見所多くていいなあと思って(笑)

たしかに、この2巻ぐらいで日にちも2日ぐらいしかすぎてなくて、1年かけてこの2日のこと描いてるのか〜とも思います。本来ならそういうのキライなほうなんですけど、ややこしいかんじが好きなんですよ。
ちょっと自分自身が「なんでこれはいいんだろう?」ってのをちゃんと言葉に出来てなくて、やっぱり終わらないと話への感想がきちんとまとまらないかな。

とにかく斑目さんがハーレム状態だし、なんか気のせいじゃなくて、4人に本気で「私と付き合えばいいのに」って思われているようですよ。
縁がないと思ってたモテキのなか戸惑って揺れて優柔不断さを見せ付ける斑目さん!
恋しちゃってる四人がかわいい!(アンジェラだけかわいさが薄いよ!!)


でもな〜、こういう「条件違うけどどれも魅力的で選べない」っていう中から選ぶのってやっぱり後悔とか未練とか残るんじゃないかな〜と思ったり。
分岐点になるだろうし……


私としては矢島っちとハトくんのほうも気になりますね。こっちもいい感じなのに。
ってかみんなして、いろんな選択肢があってどれを選んでも怒られないなんてずるい!
保留にしとくのがそもそもダメなはずなのにね!

……とまあ漫画だけどこの先の展開をドキドキしながら読んでますよ。
早く終わらないといいかげんこの話題が長いとも思うけど、決着したらすべての関係性が変わると思うとちょっと怖くもさびしくもあり。斑目さんとかもそう思ってるかも……
posted by 藤村阿智 at 10:30| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月23日

ラジエーションハウス1巻(原作:横幕智裕 漫画:モリタイシ)

6/23 1:00現在は品切れ?のためプレミア価格ですが、重版予定とのことですので
もうすこし待てば通常価格に戻ると思います。



医療漫画はいくつか読んでます。
たくさん読んでると言いたいけど、そういえるほどじゃない……まだまだ読んでない漫画がたくさんある。

最近だとDr.コトーと医龍か。もうこの二つも結構前の漫画になってきてしまった。


「ラジエーションハウス」は、放射線科を舞台に、放射線技師の活躍を描く話。
(多分)凄腕の五十嵐唯織くんは、コミュニケーション下手のため医院を転々としつつ、放射線技師をやっている。医師免許も持っている五十嵐君は、幼馴染の甘春杏ちゃんを支えるためにあえて放射線技師の仕事を選んでる様子。
そしてとうとう、人員補充のチャンスを逃さず、杏ちゃんがいる甘春病院にもぐりこむことに成功したのだ!!だ!

モリタイシ先生はキャラクターの描写がすごくいい漫画家さんで、いままでの漫画でもいいキャラクターを生み出して動かしてきたと思うんですよ。
ラジエーションハウスも、出てきたキャラクターみんながいい感じですね。まだ1巻だからそれぞれがどういう風に五十嵐君にかかわってくるかわからないけど、コミュ下手とはいえ周りとなんとかやっていけるんじゃないでしょうか……その辺のストーリーが楽しみ。
恋のほうは、五十嵐君は応援したいけど杏ちゃんがいまのところ硬そうなので、まだまだどうなるかわかんないですね。

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ところで、この漫画は放射線科の話なので、レントゲンで診断する話が中心なんですよね。
私は個人的にはレントゲンがにがてなので……漫画ででも、中の人のことを知ったらちょっとは抵抗が減るかな?
すごく若いときに担当してくれたおじいちゃん先生が、「あなたは若いからむやみにレントゲンをとらないでおこう」って言ってくれたこととか、
検診のときにもお腹に影響のないようにエプロンかしてくれる病院とかあって、
そういう風に気を使って撮るものなんだなあと……弱いとはいえ放射線ですもんね。

上記のエピソードは京都に住んでたときの話なんですけど、東京にきたらぜんぜん配慮されなくて、
すぐレントゲンとるし検診もざっくりしててなんだか不安なのよ〜。
胃のX線とかもすごくつらいし……

1巻の後半に、女性が乳がん疑いでマンモを受けるエピソードがあるのですが、
マンモは30代だと見えにくいって話を聞いてるので、若い人が何人も受けてるのにちょっと違和感が……
超音波検査とか触診のあとの精密検査で受けたりするのかな。
私はまだマンモやったことないです。最近他の国ではマンモを40代でやるのも誤診が増えるっていうことで取りやめてるところがあるみたいですね。

オマケ漫画ではそんなマンモ(のおっぱいはさむやつ)を……、……、ぜひ!1巻を買って読んでみてください!


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他の医療漫画についての感想は以下。
医龍12巻
http://honyonda.seesaa.net/article/24920642.html
医龍13巻
http://honyonda.seesaa.net/article/37362964.html
医龍17巻
http://honyonda.seesaa.net/article/114635906.html
あれ〜医龍って最後まで感想書いてないのか……適当だな〜私

Dr.コトー診療所21巻
http://honyonda.seesaa.net/article/37108927.html
もう9年以上前か。書いてある感想読んでも内容が思い出せないな……
(その後の引越しで手放してしまったので手元にない)
posted by 藤村阿智 at 01:28| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

さびしすぎて〜に行きましたレポ(永田カビ)

タイトル、最初はちゃんと書いたんですけど、広告とかサイト規約の関連で
この文字列はアウトの可能性があるので、タイトルぼかします。うーん。

正式タイトルは画像で確認してください。

あ〜せいねんむけの内容じゃないけどせいねんむけでもあるのかもな……直接的な描写はけっこうあります。
どうやって紹介したもんかなやむな。
「そこじゃない」部分が良かったし、そこじゃない話なので。




「なにか」につまづいてしまって、うまく人とコミュニケーションがとれなくなった主人公。
(所属を失った、社会人にすんなりなりきれなかったのがキッカケのひとつとしてあげられているかも)
コンプレックスや精神的な痛みを癒す・次のステップに行くには「抱きしめられる」ことが必要だと思いいたって、そういうサービスを利用してみた、けど……というお話。

pixivでそのいちばん盛り上がるあたりは読んでいた。単行本ではそこにいたるまでの葛藤や、前提が補足されている感じ。もともと期待していたけど、やはり前提や葛藤の中に読むべきところが多いと思うので、心になかなか解決できない寂しさや、停滞したものを感じる人は読んでみるといいと思う。


私自身のことを言えば、近頃共感が薄れていた。
共感と言うのは気持ちいいもので、自分だけじゃない、自分も認められる、誰かと自分が同一っていうすごい感覚なのです。
そんな共感が失われるのはストレスになるのよ。
共感とは決して他を排除することではなくて、自分以外からの支えのひとつだと思っている。

このところ立て続けに「これはこういうもんだ」という決め付けを見かけては「私はそうじゃない」という、共感できない断定に晒されて、もっと「私はこうだ、こうなんじゃないか」っていう話を聞きたかったんだよ……


「居心地が悪い時って 劣等感から自分をよく見せようとしている時か 自分の本心をわかってない時」(29P)
「私 自分から全然大事にされてない……!!」(55P)
「自分から『大した事ない』扱いされる」(55P)


自分ではがんばって、もうダメだ、休もうって思ったのに回りからは「(いままでが)休んでるんだと思ってた」って言われちゃうとか……つらいけどなんか思いあたる
とにかく自分と周りの考えてることや欲しいもの与えるものがちがいすぎて「??」とはてなが飛んでる状態の「前提部分」……

ほかにもいろいろあるんですが、とにかくこうやって「ああ、そう、そうなんだよね〜」と思いながら、自分のもやもやを言語化してくれている本を読むのはとてもやすらぐのです。

そして性へのコンプレックスをみつめて表題どおりの行動の結果、たどり着いた思いもなんかすがすがしいですね。欲しいものが少しずつわかってきたのかなって思わせるラストがまた良いのです。
posted by 藤村阿智 at 11:46| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月10日

文具少女ののの1巻(星屑七号)

文具少女ののの(1) (ヤングガンガンコミックス)



文房具(折れないシャーペン)を愛してしまった少女・若射のの は、イケメン先輩からの告白も断わってしまうほど。
あまりにも無碍に断わったために、納得の行かない先輩は悪の心に取り付かれ、ののに襲い掛かるが……
ののが愛するシャーペン「ロクロック」は特別なシャーペンだった!!
文具愛を力に変えて、折れない心で敵と戦う文具少女が誕生したのであった!!


文具が折れる描写などは文具好きとしては見ててつらいものがあるんだけど……
でも1巻読み終える頃にはだんだん面白くなってきたかな? 女の子キャラがみんなかわいいですね。


【ついでに他の文房具漫画についてもかく】
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私自身が文房具好きで、漫画も好きで、描いてたりもするので、文房具が出てくる漫画と聞けば積極的に読んでます。
さいきん「文具天国」読み返したらすごく面白かったです。なかなか描けないですよ、こういうのは……


文具店を切り盛りする小学生を描いた「夕焼けロケットペンシル」もいいですよ。
仕入れたり、売ったり、維持することの大変さにも触れられていて、コメディの中にきちんとリアルを混ぜてくるあたりがマジメに描かれてる漫画だな〜と思います。文具店描写も好き。近所にあったら行きたい!


文房具がいろいろ出てきて楽しいという意味では、漫画家について描いた漫画もいいですよね。
だいたい、その作者さんがどういう道具を使って描いているのかわかるからいいですね。
そういえば漫画家漫画で「フルデジタルの漫画家さんキャラ」っていまのところいないんじゃない?
漫画家としての、漫画を描く生活を描いた漫画じゃなくて、別のテーマの漫画に出てくる「職業・漫画家」だったら、フルデジタルとかありうるかも。

漫画家以外に文房具使う職業ってあるのかな? おなじ作家でも小説家は文房具つかわなそう(使ったとしたらペン・万年筆と原稿用紙?カッターとか使わないんじゃないか)。
学校の先生とか。あとはやっぱ事務仕事の人かな……

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私も文房具の漫画を2005年から描いてます。「文具少女ののの」みたいに迫力があるわけでも、女の子が可愛いわけでもない地味目な漫画ですがお気に入りです。
新作かかなくちゃなあ〜。っていうか、俄然描きたい気持ちになってきた……

便乗して私が描いてる文房具漫画を宣伝
まかせて!文具仮面
ラベル:文房具
posted by 藤村阿智 at 10:43| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月09日

家族が片づけられない(井上能理子)

家族が片づけられない (コミックエッセイの森)



婚活、子育て、親子関係その他いろんなエッセイマンガを読んでいますが、
こちらも好きなジャンル「片付け」。

私の興味はいつも、「誰かが当たり前にできることは全員ができることとは限らないと言うことに気づく」ということ。
私はいろいろできない子どもで、いまでもできない大人なんだけど、このズレはどこから来ているのか。
他の「できる人」はなぜ、できないことを「信じられない」と言って責めてくるのか。
いろんな視点から、できる、できない、あるある、ありえない、という意見を見たいわけです。

「家族が片づけられない」は、主人公=作者さんは「片づけができる人」。
いままで気づかなかったけど、家族は「片づけができない人たち」だった。いや、昔はできていたはずなのに?

主人公は仕事が忙しかったりして体調と心のバランスをくずし、療養のため一人暮らしから実家に帰ることに決めたけど、帰ってみたら実家がごみ屋敷になっていた……こんな場所じゃ休めない、と片付ける!家族は協力してくれないどころかどんどん散らかす!
家族と戦いながら家を掃除してきれいにしていく主人公!

前半は、何故こうなったかと言う分析や、家族へのグチ、具体的な掃除方法などまさに「お掃除エッセイ」という感じで綴られていく。どういう汚れがなにで落とせるのか、どのへんに汚れがたまりやすいのかなど、掃除のノウハウ的な情報を求めてる人にもありがたいネタが書かれてて読み応えがある。

でも、私が「このエッセイいいなあ」とより思ったのは後半から。

家が片付かない、ちらかしてしまうのはただのズボラや性格の問題だけではない。
この家族が住んでいる家は病んでしまっているのではないか。
そして、主人公が本当にくつろげる部屋。「理想の部屋」とはなんだろう。
部屋とは、私(住む人)の心の中そのものなのでは? という発見。
掃除はできても、居心地のいい部屋を作れない自分に気づく。
ちらかっていても、モノが多くても、居心地のいい部屋は作れるということ。

表面だけの、「部屋を片付けると気持ちが良い」「掃除をしないと汚い」ということではない、もう一歩進んだ「自分が住みたい、居心地がいい部屋」とは何かを考えるきっかけになるんじゃないか。
この本の終わりは、「家族にも片付けてもらえるようにする」という着地じゃなくて、自分が部屋と家族とどういう風にかかわって行くのか、答えを見つけたいという希望だと思う。
posted by 藤村阿智 at 14:31| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

100回お見合いしたヲタ女子の出産記(肉子)

100回お見合いしたヲタ女子の出産記



婚活漫画を二冊出している、肉子さんの最新エッセイ。
最初の子どもを授かるところから、二人目出産まで。

レビューの評価は低めですが……
わたしは期待通り楽しめました。発売がわかってから、読むの楽しみだったんですよ(*´ω`*)

レビューの人たちが期待した内容じゃなかったというのもわかります。
確かに出産の話が詳しく、これからの人には参考になるように書かれているというわけではない。
私の場合、エッセイマンガは大体「描いてる人が好き」っていう理由で買うからなあ……
おなじテーマで、どんなに役に立つ内容でも、面白くなかったり描いている人が好きになれなかったら読んでも面白くないし。逆に参考にしないために、私の行動に悪影響を及ぼすかもしれない(笑)

本の内容をちらっと。
肉子さんがお見合いでであって結婚した相手と、実際の結婚生活はどうなのかという話。
なかなか自然に子どもができなくて、病院で不妊治療の結果赤ちゃんを授かり、出産した話。
いままでの本に載せきらなかった婚活ネタなど。

妊娠して、プレママ学級みたいなところで無駄にペアを作らされたりして
「お見合いパーティーとおなじ!」ってなるところとか、面白いけど恐怖!
私は人と無差別にかかわるのが嫌いなので、そんな「同時期に妊娠している」程度の共通点の人と
積極的にかかわりたくないんだけど……
肉子さんもそんな感じに「しんどい!」って思いながらなんとかこなしてる姿に涙。

エッセイ漫画、私が読んでいて面白いな〜と思うのは、こういう「その人が体験して何を思ったか」という視点ですよ。
だってママ学級でペアを組むのが別に苦痛じゃないとか、特にトピックじゃない「みんなやってる」ことだと思ってエッセイに描かれなかったりするでしょ。でも知らない世界ですよ。「そんなのやるのか〜」って。

ハウツー本を買って、自分の体験しか描いてなかったりしたらちょっと「読むところないなあ」って思うかもしれないけど、エッセイ漫画だもんね。


夫婦揃ってオタクだからこそ、子どもにオタクアイテムを禁止したくなる気持ちも描かれていたり。
確かに自分たちは好きで楽しんでいるけど、人(とくに子ども)には悪影響なんじゃないかって心配になりますよね……


お見合いエッセイのほうの感想も書いてます。
100回お見合いしたヲタ女子の婚活記(肉子)

あれ、2巻の感想書いてなかったか。


 

posted by 藤村阿智 at 11:43| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月13日

進撃の巨人19巻 (諌山創) 感想

進撃の巨人19巻読んだ。

進撃の巨人(19) (週刊少年マガジンコミックス)



ここ数巻は物語がどんどん動いていい感じですね。
とはいえ、思い返せばけっこうテンポがいい漫画なのかな……
リアルタイムで単行本を集めてると「なかなか進まないな〜」と思いますが。

19巻では、謎だったマルコの最後についてが描写されたのと、
巨人側の人(3人)がどういう気持ちで「巨人襲来の日」をすごしていたのか、
かつての仲間たちが殺しあうことについての葛藤がありましたね。

積み重ねた日々と、本来の立場のふたつが揺さぶりをかけてくる。
ここまで見守ってきた読者も一緒につらい気持ちになるなあ。

アクション的にも「どうなっちゃったの?これからどうなるの?」って感じで
20巻も楽しみです……

最大の謎「なんで壁内人類は死を願われているのか」がまだまだわからないですね。
少しずつ語られはじめたけど……
ラベル:少年漫画
posted by 藤村阿智 at 17:10| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月18日

バクマン。(小畑健・大場つぐみ)全20巻【完結】+映画版感想

※映画も観たので感想を記事の最後に付け加えます。
大いにネタバレアリなのでネタバレを見たくない方は見ないでください。


すでに完結している「バクマン。」実写映画化の予定もありますね。
再読中なのでついでに感想と覚書を書いておきます。
ネタバレあり

漫画家について描いた漫画をコラムとして特集しようと思ったんですが、
バクマンはリアルタイムで単行本を購入して全巻持ってるけど、
読み返したことがないな……と思ってこの機会に読み返そうかと。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)
バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

1巻は主人公のサイコー(真城最高)とシュージン(高木秋人)の二人が出会い、漫画を描く目標を同じくするところまで。
恋のために漫画家を目指すってのはいいですね。それぐらいはっちゃけてて、中学生らしい勢いがあるほうがいい。あと、漫画周りのネタが殺伐としてるので、恋愛周りぐらいは思い切ったフィクションがあったほうが読んでるほうも安心しますよね……

読み返してみると、フェミニストの人ならガンガン突っ込みそうなせりふがすごい出てくるなあ。
ヒロイン・亜豆美保ちゃんに対するサイコーとシュージンの会話もすごいし、基本的に「女で頭が良すぎてそつないやつは好かれない」って評価なのがすごい……デスノもそうだったもんね、一番かっこよかったナオミさんは退場しちゃったし。
見吉ちゃん(1巻の終盤で出てくる)は好きなんだけど、彼女も「オバカだけど尽くすタイプのかわいいやつ」って感じだからなあ。バクマンで好きな女性キャラは漫画家の……ってまだ先のほうで出てくるキャラでございます。
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バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)
バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)

2巻。男キャラだと新妻エイジが好きだからがっつり出てきてうれしい。
見吉ちゃんもいいよね〜出てくると明るくなって。
かわりに漫画界隈は殺伐としている。アンケート重視だという現実や、漫画を描く難しさとか……
でも意外と「すげー努力してがんばった → 面白いって言われる漫画が描けた」って感じでぼかされちゃってて、具体的にどういう漫画が描かれてるかってのがわからないからちょっと残念。もちろんそういう「スゲー面白い漫画」とか、「天才が描いた漫画」とかを作品中にだすのが難しいのもわかるし、無くていいんだけど、せっかくだからソコの頭脳戦もリアルに楽しみたいきもちになっちゃう。

バクマンシリーズで一番楽しみなのは、毎回挟み込まれてる「大場ネーム → 小畑ネーム → 完成!」って言うおまけページ。あれが何より、一番漫画を描く上で参考になると思う。
大場ネームの単調でシンプルな構図(これが生きるストーリーもあるだろうけど)から、少年誌向けの迫力と動きがあって、魅力的でわかりやすい画面にどうやって変化させるのかがわかる。
「そうか〜そのコマは一つにまとめちゃっていいんだ」とか……
漫画家志望でバクマンを読んでる人がいたら、何よりも「原稿ができるまで」を熟読するといいと思います。
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バクマン。 3 (ジャンプコミックス)
バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

表紙が新妻エイジ。いいですね。
この巻のみどころは、やっぱり新妻エイジと亜城木夢叶が出会うところかな。
天然天才キャラの新妻エイジと、大部分を計算でこなすタイプの亜城木夢叶だけど、漫画を好きな想いが一緒だからライバルでありつつも仲良くなっていく。
33歳でまだデビューできてない中井さん、だれよりもアツい福田くんも登場するね。
ヒロインのミホちゃんも声優として一歩を踏み出すし、少しずつ前に進んでいる。
進んでいるといえばシュージンと見吉の関係も……

「バクマン。」はテンポがいいから、ほとんどよりみちをしないでどんどん前に進んでいく感じ。
1巻の始まったころからは、実際の時間も1年経ってしまった。

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バクマン。 4 (ジャンプコミックス)
バクマン。 4 (ジャンプコミックス)

連載への長い道のり。
早く連載を始めたくてあせるサイコーとシュージン、じっくり育てたいと思っている担当の服部さん。
まあ大人と子どもの時間間隔はだいぶ違うからねえ。

漫画のほうは新人のライバルが出揃ってきた!
1巻の感想で言ってる、好きな女性キャラである蒼樹紅先生も登場です。
男性キャラだと、漫画家っぽくないおしゃれ(?)な福田さんもいいですよね〜。
たまにいますねこういう漫画家さん……少ないと思うけど……
エイジはあいかわらず、だけど、初登場あたりに比べるととがったところが無くなって、素直ないい子に。確かにこのタイプは自分が納得すると理解と対応が早い気がする。
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バクマン。 5 (ジャンプコミックス)
バクマン。 5 (ジャンプコミックス)

5巻。いやなタイミングで担当が替わるという、初連載だったら不安だろうなあ〜という状況に。
さらにアシスタントが三人来る。やっぱ週刊誌の連載だと3人いるか……
蒼樹先生と中井さんのコンビで描いた読みきりが好評にもかかわらず連載にならないということで、二人の仲も終了しそうになるところは燃えますね。なんとか持ち直したし、これからも信頼を深めていくけど……中井さん……かわいそうな男よ。
恋愛方面では、サイコーと亜豆ちゃんの二人にも波乱が。まあ波乱と言ってもお互いの信じて待ってる部分が揺らいだりとかそういう暗い話じゃないので安心して読めますね……結局ラブラブだし。
5巻で「オッ」と思ったのは、チーフアシスタントの小河さんが「デッサンの狂いが無いか確かめてるか」って聞くところかな。連載作家で絵がうまいというサイコーですら、「苦手な向きの顔はウラから描いてる」って言うところ。細かいところに注目するとより面白いです。
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バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
バクマン。 6 (ジャンプコミックス)

6巻。もうずっとオツカレな目をしてたサイコーがとうとうぶっ倒れる。
入院して手術するハメになってもまだ描くという。
まあ漫画だから、そこで描いちゃう主人公でいいんだけど、体験談だったらまずい話なわけで……
ソコにフィクションらしく「仲間の漫画家たちによるボイコット」っていう非現実が飛び込んでくるところがウマイ。

ロング休載は免れたけど、せっかく再開した連載漫画の順位がやばくて連載終了の危機……
果たして会議の行方は!?というところで6巻は終わって、7巻へ強烈な引きです。

個人的見所は、担当:ミウラさんが珍しく(?)担当として頼りになったシーン。
アンケートの順位が下ってきて、何とかテコいれを……と、原作のシュージンが漫画のネタや方向性を決めるにあたってファンレターを参考にし始める。
ファンが喜んでくれる展開やキャラクターの登場ってのは、誰もが考えるところだとは思うけど。
そのネームをミウラさんはバッサリ「ダメだ!」「一番やっちゃいけないことだ」って切るところがカッコイイ。
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バクマン。 7 (ジャンプコミックス)
バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

7巻は表紙からして、ふたりとも頭を抱え込んじゃってるモンね。苦難の7巻です。
まあ6巻で引いた連載会議の結果、「偽探偵TRAP」は連載終了(打ち切り)になったわけです。
そして次の連載の準備。けっこう慎重になるサイコー&シュージンに比べて、ガンガン行きたい担当のミウラさん。
前回けっこうかっこよかったのに、7巻では「ミウラはハズレ」って扱いに……(笑)
すったもんだとけんかしたり離れワザをしたりして、なんとか自分たちの描きたい漫画を貫こうとする二人。

恋愛関連の話も盛り上がってきていいですね。シュージンの周りは女子が多いなあ〜
蒼樹先生もぐんぐん可愛さが増していくところ。中学の同級生・岩瀬さんも再登場でど〜なることやら、って終わりです。
蒼樹さんと岩瀬さんのやりとりなんか、蒼樹先生のほうが年上なだけはあって余裕の分析ですね。

それにしてもヒロインのはずの亜豆ちゃんは出てこないねえ……設定が設定だから仕方ないし6巻で一杯出て宝いいのかな。
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バクマン。 8 (ジャンプコミックス)
バクマン。 8 (ジャンプコミックス)

いい構図の表紙ですね〜。
8巻は断然、シュージンをめぐる恋模様が見所。
蒼樹紅先生もすっかり可愛くなっちゃって……この辺からの姿を知ってると、最初のほうの蒼樹さんも可愛く見えてしかたない。

漫画のほうはギャグマンガで連載ネームを作ってるけど、苦手もあってなかなか進まないようす。
ツンツンで気に入らないキャラとして1巻に出てた才女・岩瀬さんも返り咲いてにぎやかに……
8巻序盤で(シュージンにとって)意味不明な言動をする岩瀬さんをみて蒼樹さんが「子供だこの子……」って呆れるところが好きです。デスノートの「ダメだこいつ……早くなんとかしないと」に似た雰囲気がある(笑)
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バクマン。 9 (ジャンプコミックス)
バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

この辺面白くてガンガン読んじゃうので、感想をおいてけぼりにしそうになる。
感想を書くのが遅れて溜まっちゃうと、感想を書かなくなっちゃうから、続きを読みたいきもちは我慢して9巻の感想を。

ようやく難産だったギャグの連載が開始。評判は悪くないけど、やっぱり本来得意なものじゃないかんじ……
亜城木夢叶が連載に苦しむ様子の合間に、見吉家の父親とのエピソードが出たり、ひそかに生まれつつあるライバル・静河流の様子がはさまれたり、シュージンが結婚したり。

結局苦手な内容を無理して描いてたギャグマンガは終了させる意向で。
まあ作家が終わらせたくても終わらせられないってのはあるでしょうね……
だからって失踪したらもう二度と漫画かけないだろうし(少なくともその雑誌では……)。

影で暗躍してた服部さんも改めて協力することになって、追い風が吹いている!……と言えるのかな?

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バクマン。 10 (ジャンプコミックス)
バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

ほぼ1巻分かけて、次の連載のためのネームを描き続けてる。
バクマンはテンポのよさはいいところですよね。ムダにエピソードにページ数を割かないところ。

見所は……やっぱ最後の方の連載会議かなあ。会議で話あってるだけだけど熱い展開に(笑)
ベタだとは思うけど……

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バクマン。 11 (ジャンプコミックス)
バクマン。 11 (ジャンプコミックス)

やっぱりまとめて四冊読んじゃったら感想書くのがしんどくなってきた。
読んだのは昨日……とかでも、そのあと続きの巻を読んだら古いほうからどんどん読んでたときの気持ちとか感想を忘れてしまうなあ。
11巻はいままでのちからを終結させた連載漫画「PCP」が開始、ほかの連載陣と直接対決が始まる。

岩瀬さんがライバルとしてガンガン打ち込んでくるところがいいな。
一瞬岩瀬さんと新妻さんのカップルが出来上がるのかとヒヤヒヤするところとかも(笑)
しかし岩瀬さんはもてなさそうですね……美人なのにね……

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バクマン。 12 (ジャンプコミックス)
バクマン。 12 (ジャンプコミックス)

12巻。
表紙は平丸さん。平丸さん好きだな〜。
「PCP」ドラマCD化に当たってとうとう亜豆ちゃんが亜城木作品のヒロインを演じることに。
しかし「PCP」はアニメにならなそう……
アシスタントの白鳥くんも活躍し始める。ほかのアシスタント二人のほうが漫画家目指してたのに、絵が描ければそれだけでいい……って言ってた白鳥君が一番に漫画家への道を進み始める(笑)

白鳥君の絵の描き方にサイコーが驚くところいいなあ。下書きをどれくらいの細かさまで描くかって人によりますよね。確かにあっさり下書きを描ければ描画スピードは上がりそう。
この先、絵の話広がったっけなあ?もっと絵を描く話も読みたかったんだけど。やっぱりストーリーの話が中心なんだよね。漫画の見せ方とかのほうももうちょっと掘り下げて欲しい。

実際のマンガの名台詞を使って盛り上げるところもありますね。
こういうところが面白いところ……で問題なところでもあると思うけど。
現実世界とリンクしてるように見せるところはずるい。面白くなってるけどずるい。

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バクマン。 13 (ジャンプコミックス)
バクマン。 13 (ジャンプコミックス)

13巻はいいですね〜。
シュージンは白鳥君にかまけっぷり……に見えて、見吉ちゃん・サイコーが不安になってくるところとか。
見吉ちゃんぐんぐん可愛くなってくるね。結婚して魅力が増したねえ……
よく考えたらメインの女性キャラには恋人がいて、読者が「俺の嫁」とか言う隙がないね(笑)
見吉はシュージンの嫁(ほんとうにw)で亜豆はサイコー(人名)の嫁って感じで。

恋愛縛りの読みきり合戦が決まって、全員が恋愛モード。
平丸さん&蒼樹さんのカップル好きだな〜。よかった中井さんに押し取られなくて。

最後には脅威の新人が登場して……続きは次巻!
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バクマン。 14 (ジャンプコミックス)
バクマン。 14 (ジャンプコミックス)

13巻の最後で出てきた新人・七峰くんが注目されてから落ちぶれるまでをこの14巻1冊で描いている。
たくさんの漫画好きが力をあわせて作ったら面白い漫画が書けそうってのはわかるけど、
だったら編集部が原作・原案として作った漫画を絵のうまい人が作画すればいいってことに
なってしまうけど、そうはならないってことはやっぱりある程度少人数で作ったほうが面白い漫画が出来るんだろうね……

14巻では中井さんがスーパーアシスタントとして復活、すがすがしいクズっぷりを見せ付けてくれます。
そんな殺伐とした中で蒼樹さん&平丸さんはほのぼのさせてくれますねえ……
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バクマン。 15 (ジャンプコミックス)
バクマン。 15 (ジャンプコミックス)

15巻。14巻に引き続き七峰君。
担当の小杉さんが出してくるのが辞職願じゃなくて異動願なところがなんかぬるい(どうせ自分で出すなら辞表じゃないのか)
そして七峰君の完全敗北、正直あっさり勝てたのですっきりはしてるけど「やった!」って感じにあまりならずに流しちゃったかな? その後の平丸さんのかっこよさで全部持っていかれてるというか。
「平丸さんかっこいい! 七峰?そんなのもあったっけね……」ぐらいのテンションに……

サイコーが小学校の同級会に行くところはなかなか。小粒なエピソードだけどこういうのいいよね。

そして連載は順調だけど、世の中では漫画のマネをするやつが現れて、作者の精神状態がピンチに。
デスノートとかもまねは出来ないまでも、いろいろ言われてたもんねえ。
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バクマン。 16 (ジャンプコミックス)
バクマン。 16 (ジャンプコミックス)

バクマンはリアルタイムで新刊を買ってたけど、読み返すのは今回が初めてなんだな。
覚えてるけどこの先がどうだったか覚えてないっていう状態がずっと続いてる……

16巻はとうとう新妻エイジ作の人気漫画「CROW」が終了。
読者としては理想の終わらせ方なんじゃ。作者じゃなくてさ。
だって面白かった漫画が最高に面白くなって終わるんでしょ。名作になりそう。

「バクマン」世界のジャンプにも、福田組以外の作家がいる(ONEPIECEとかも連載してるみたいだし)らしいけど、CROWがずっと1位、ほかの架空漫画家も上位をキープとか言われると、
ONEPIECEとかどれぐらいの順位なんだろ……ってついつい思ってしまう。
時間は2016年になってるからね。その頃に終わってるのかもしれないけど。

急に昔の漫画家が面白い話を持ち込んでくるようになって編集部があわただしくなるところで
次巻への引き。黒幕はあの人なんだろうか……
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バクマン。 17 (ジャンプコミックス)
バクマン。 17 (ジャンプコミックス)

17巻。表紙には亜豆ちゃんいるけど、ここのところ本編ではちっとも出てこない。
見吉ちゃんも出てきてはいるけどにぎやかし程度の活躍に……
恋愛方面が作品に影響するのは平丸さんと中井さんぐらいだな(笑)
岩瀬さんはよくも悪くも影響ナシというか……

七峰君が復活して、この世を金と知恵で動かそうとするけど結局うまく行かないかんじ。
こういうところはバクマンも王道だなあと思う。悪いことというか、読者が「そんなのやだなあ」と思う人は成功しないというところ。
七峰君はほんと、ジャンプにこだわらずに他紙でそれをやるか、自分の雑誌を立ち上げれば勝利できると思うんだけど……亜城木夢叶に勝つどころか、ジャンプをつぶせるかもしれないしねえ。

お世話になった編集長が去り、サイコー&シュージンが本当にヒットさせられそうな漫画を思いついたところで、18巻へ続く!
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バクマン。 18 (ジャンプコミックス)
バクマン。 18 (ジャンプコミックス)

18巻。18巻はなかなか盛りだくさんの1冊でした。
読みきり対決から、掲載誌移動までやってのけて連載開始。
ここまで読んで思うけど、漫画のつくりとしてはこの「バクマン」に描いてあるとおり、やっぱり王道なんだよね。読者の「予想を裏切る」ようなエピソードが語られつつ、読者の「期待を裏切らない」展開というか。
つまり「いままでに観たことが無い!」と思わせながら、実は「いつもの安心できるパターン」にはめているという。

この巻の見どころはやっぱり平丸さんと蒼樹さんだよね。
平丸さんのプロポーズ大作戦は、「ドラえもん」ののび太的な状態になっちゃったけど、逆に女性が読んでもなんだかほっこりして「こんな風に結婚申し込まれてみたい」って感じなんじゃないでしょうか。
「壁ドン」ばかりじゃないですよドキドキイベントは。
普通に考えると「平丸さんは蒼樹さんのどこが好きかって聞かれて『顔!』とか言ってたし、蒼樹さんが年を取ったらどうなるんだろう?」って心配しちゃうところだけど、蒼樹さんが才女でいい人だから、結局年を重ねても魅力がかわらずに、平丸さんもずっとドキドキメロメロのまんまなんじゃないだろーかという安心感がありますね……
どっちかというとサイコー&亜豆のほうが心配(笑)
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バクマン。 19 (ジャンプコミックス)
バクマン。 19 (ジャンプコミックス)

バクマン。 20 (ジャンプコミックス)
バクマン。 20 (ジャンプコミックス)

バクマン最終巻に向けたエピソードが続く、19巻と最終巻の20巻。

最初から「漫画のアニメ化、恋人の亜豆がヒロインの声を演じる」ってのが目標で、それをめざして20巻近く活動してきたわけですよ。ライバルたちとしのぎを削ったのもすべてそのため。人気を取るのもすべてそのため……

19巻では、人気を取るために考えて書いた漫画がとうとうアニメになる話が来る。
しかし、アニメに必要な「連載が続く」という条件を考えずに書いてしまったので、納得の行く終わらせ方をすると、1年程度で物語が終了してしまうという問題が発生。
……先ほどの「アニメ化だけのために」がんばってきてた姿勢と、ここはブレてるんだよなあ。
ココに来て突然「納得の行く形で連載を終了し、後に残る名作として完成させたい」ってのが、今までと別人の願いみたいに感じる。
ここまで何度も違う漫画を連載してきて、あせることもないって言う心境になったということなのかなあ……
一応「亜豆にとっても(傑作のヒロインという)代表作になってほしい」という理由付けみたいなことはあるけど。

連載が短いけどアニメ化することも落ち着いて、あとはヒロインに亜豆が選ばれれば大団円なんだけど、
ここでもひと波乱。
なんと漫画の作画担当と人気声優の純愛が発覚☆
コネなんじゃねーのかって言う疑惑がもちろん持ち上がる。

亜豆ちゃんががんばったり、周囲にも「熱い思いに答えたい」って言ういい人がいたからハッピーエンドにはなったけど、実際だったら「なんか変なうわさたっちゃったな。どんなにうまくても今後亜城木と亜豆の組み合わせは避けたほうがいいな」ってなりそうです……

この最後の展開も、王道らしい読者の期待にそった展開でよかったです。
そこに「川口たろうの日記」っていうアイテムを絡めてきたところが「なるほどな〜」って感じ。
真城さん亜豆さんおめでとうございます。
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【全20巻総括】

読み返そうと思ったきっかけは、とある人が
「高校生の息子が『バクマン。』のことを、絶対感動する、すごくいい漫画だから読んで……と薦めてきた」
と言っていたから。40代のかーちゃんに、高校生の息子が、すごくいい漫画だ、読めというほど。
私も1巻から20巻まで全部読んだけど、そんなに良かったっけ? っていうか高校生が感動するような内容だっけ? とおもって読み返して、やっぱり「わかるけどなんかイヤだなあ」とちょっと思ってしまった。
イヤだなあとおもった気持ちは具体的に語らなくても、多分高校生も、自分が大人になるか、いろんな漫画や映画や小説に触れていけば、だんだんバクマンの順位も下っていくんじゃないかって思うから大丈夫だと思うんだけど……



いえ、漫画としては良くできてるし、面白いと思いますよ。
キャラクターも魅力的。
まさに、大場つぐみさんはこのバクマンに出てくる高木(シュージン)タイプの原作者なんだと思う。
バクマンで繰り返しいわれてた、「天才じゃなくて計算するタイプ」。(天才でもあると思うけど……)
だからノンフィクション(実際にある風景、実在する人物、本当のシステム)をうまくフィクションにいれてくることで、フィクションだけでは作り出せない面白さを作ってるんですよね。
これが同じ内容でも、架空の世界で行われている架空の少年漫画で連載するための漫画家バトルとして描かれていたら、ここまで面白く感じないと思うんですよ。
そこまで計算して、ノンフィクションを混ぜ込んで「事実は小説より奇なり」ってのに価値を見出すタイプ(つまり一般の人だけど……)に受ける内容を計算していると。

あと、キャラクターを本当は大事にしていない感じが出ていて……
バクマンでも途中に「一話完結じゃない一話完結」みたいな説明が出てくるけど、「以前に張った伏線のような設定を引っ張ってくる」って言うのを、実際にバクマンの中で使っているわけですよ。
いざとなったらその設定やエピソードは使わなくて終わっちゃっても「回収されていない伏線(謎)」にならない程度のエピソードを用意しておいて、後で持ってきて「あのときの話がここで生きてるのね」って思わせるのがうまいというか。

私が「この人はキャラクターを大事にしてるな〜」って思う漫画では、同じように昔のエピソードが再び語られたりつながったりするけれど、計算じゃなくて「このキャラクターのエピソードを読者に伝えたい」って言う気持ちが伝わってきたりするんだけど、バクマンではそこも計算されているように感じてしまう。
静河くんのその後なんてムリに書かなくてもいいんですよ!
「神の視点」で物語を見てきた読者(=神)に、キャラクターのその後をとりあえず全部報告してる感じに見えてしまうというか……「あの人どうなったの、存在をわすれてるの」ってつっこまれたくないダケなんだろうかとかんぐってしまう。

考えればジャンプの漫画はそういう感じの漫画が多いかもしれない……
ワンピースで「あのときのあれがここで!」って思ってもキャラクターを大事にしてるな〜って思うことが無いというか……

同じ作者だから比べてもいいかな?ということで、
デスノートと比べると、デスノートは上記の「キャラクターを大事にしている風」が見えなくて、逆にいさぎよいところがいい。「あの人のその後」を計算で描いたり掘り起こすよりは、主人公周りの事件を決着させたらほかは言及しなくてもいいんじゃないか。
ノンフィクションをあまり混ぜ込んでこないところもいいと思う。設定をしっかりさせたフィクションのルールでどれだけやれるかっていうのはわかりやすいし、漫画というジャンルで真っ向勝負って感じがかっこいいよね。

バクマンも、「努力・友情・勝利」を描いた漫画だとは思うんだけど、努力はいまいち見えてこない感じだったかな。なんかいつの間にかスキルがあがってて、本人たちも描写的にも「天才じゃない、計算する努力タイプ」ってなってるけど、結局は天才だったのかな……って思っちゃう。
まあ、ジャンプの漫画家には天才じゃないとなれないですよ。

ジャンプに絞ってたからしょうがないけど、他にもいろんな漫画家がいて、いろんな漫画家という仕事の進め方があるって言うことも読者に伝わればよかったかな……


ぐちぐち文句ばかり言ってますけど、漫画家を描く漫画の中でも異色で面白いものだったと思います。
少年漫画らしい王道の物語で、この漫画こそが何度も作中で言われていた「王道の邪道」作品だということが一番のみどころなのです!


--------------------------------------------------2015/11/18追記

【映画版「バクマン。」感想こちらから。】ネタバレアリ。

映画版、実写のバクマン。も観てきました。

大胆な改変もいくつかあったけど、原作そのまんまなところもあってなかなか面白かったです。
特に中盤まで、映像の見せ方なども「おお〜こんな映像やストーリー、映画で観られるのか」と思うほど新鮮で面白かったです。
その分、後半でいまいち失速した感じがあるかも。
つまりピークは真城&高木がエイジとまんが対決(心理描写としての対決)するシーンがクライマックスに感じたということ。


大胆な改変はまず、亜豆ちゃんと真城の関係が変わっていること、新妻エイジの性格。

亜豆ちゃんは真城と両想いってのは変わってないのですが、亜豆ちゃんがぐんぐん立場をUPさせて引き離して行き、とうとう真城は置いていかれてしまう。かわいそう。夢に向かってがんばってたのに、カラダを壊して、落ち込んでるときに振られるっていう最悪パターンですよ。もともと、原作でも序盤はおとなしめで印象が薄めのヒロインだったのに、映画ではさらに嫌な女の子になってしまってるような……いっそ両想いでもなくするか、そもそも亜豆ちゃんを出さないってのもアリだったかもなあ。

新妻さんは、原作では「天才だけど漫画への愛ゆえに他の漫画家へのリスペクトもハンパなく、行動的で素直な性格、先の道を開拓していく先駆者」としてカリスマがあったとおもうんだけど、映画では天才にはちがいないけど嫌なやつっていうキャラになってて、まあ2時間の映画でわかりやすいライバルにするためにはそうするしかないと思うけど、エイジファンの私としてはさびしかったな。

細かいところでは、私がバクマン登場キャラで数少ない好きなキャラ・見吉ちゃんと、女流漫画家の蒼樹さんは出てこなかった。まあしょうがない。かわりに中井さんが遅咲きの漫画家に昇格していた。

ラストの展開は急な感じだったかな。あんなにがんばってアンケート1位をゲットしたけど、その後人気は急落、数ヶ月もしたら打ち切りで連載なしの無職状態に。高校も卒業だし、どうすっぺ……新作描こ!ってところで終わってるんですよ。
病院抜け出して、肝臓の数値が悪い状態を押してまでがんばったのにね……

あと、高木がなあ。原作担当はすることなさそう、な感じ? アシスタントがいない状態で描いてたから、高木がアシスタントのようなことをやらされてたし、原作は片手間にアシスタントも出来るのか〜みたいな印象に。
高木も真城も、とくになにかをやってるふうでもないのにぐんぐん上達して「短期間でうまくなってる……!」ってなるのは、原作どおりです(笑)


よかったところは、平丸先生のキャラと、服部編集担当、福田さん、中井さん、編集長のキャラ。
キャラは総じてよかったですね。川口たろうもすごくよかった。
平丸先生は原作のようなかわいさがなくて、とにかく金にうるさい芸術家みたいだったけど、それでいいんです。平丸先生のシーンは劇場で笑いが起こってた。
服部さんも、原作のようなわかりやすい熱さはないものの、マジメでキャラが立っててすごいと思った。


おまけ。藤子不二雄ファンとしては、細かい見所がいっぱいありましたね。
集英社で、ジャンプの編集部だとはっきり言っているのに、なぜか編集部内とか個人の持ち物にドラえもんやオバQ、パーマンなどがたっくさん。
「キャベツの炒め物」「毒ヘビは急がない」「オレの恋人はまんがや!」など、トキワ荘&まんが道ネタもいろいろ。

映画バクマンを観たらまんが道が読み返したくなって、いま1巻から読み返しています……
(まあ、バクマンは今年読み返したばかりだもんね。)
posted by 藤村阿智 at 10:40| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月02日

3月のライオン11巻(羽海野チカ)

3月のライオン 11 (ジェッツコミックス)



10巻はなかなかの盛り上がりだったので、その続きである11巻は発売されてさっそく買いました。

10巻で登場して読者の敵意を一身にあつめたであろう、三姉妹の父親は11巻でなんとか撃退。
よかったよかった。
ちゃんとあかりさんががんばったところも良かったですね……
こういう展開でありがちな、「でもちょっとはいいところもある人間だった」とか、「いい人間のいい行いでわるいやつの心が動かされて、この後いい方向へいきそうだ」って言うごまかしではなくて、
「やっぱりダメな人間はダメだから遠ざけるしかない」って方を描いてくれたのは良かった。
最近そちらのほうが流行っているので、あちこちでみる意見・対処のような気もするけど、三月のライオンほどの注目作でやってくれることの意義はあると思う。
漫画なんだから救いも欲しいとはおもうけどね。

零くんの恋というか未来設計、周りがなんとなくぼやかして先に進めなくしちゃうのはかわいそう
(;;)
たまにはこういう恋で、猪突猛進する展開があってもいいじゃんかよ(;;)
もう家族になっちゃえよ……
もたもたしてると、羽海野先生の絶望的展開手腕が発揮されて、ひなちゃんが(最近とんと出てこない)後藤にかっさらわれるかもしんないと思って不安じゃないか……出てこないから逆に怖いよ……


posted by 藤村阿智 at 11:41| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月20日

メシマズ……というか料理が苦手なキャラがいる漫画

おととい、昨日あたりに立て続けに「メシマズ」の話題を読みまして。
いわゆる「メシマズ」は「料理が苦手な人」ということにとどまらず、
「独自解釈で良かれと思ってアレンジを加える人、思い込みが激しく、しかも出来上がりに違和感を持たない人」
って感じなんでしょうか……賞味期限が切れている、どう考えても合わない食材をあわせる、ほかと違うことはイイコトだと思ってるというか。

私もおおざっぱで、レシピ見ないし目分量ですが、冒険しないし最小限の味付けしかしないので、メシマズにはならずにすんでいるようです(……と思いたい)。


もちろん漫画にもキョーレツなメシマズ系キャラがいますね。
でも考えてみたけど意外と思い出せないもので、とりあえず読んだことある漫画のキャラで思い出せるものを紹介してみます。

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【独創的すぎる奇跡の料理タイプ】
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)


まずはやっぱり私の大好きな「エスパー魔美」から、主人公の魔美くんを。
「缶詰をあける」以外の手順がある食事は、インスタントラーメンですら不味く出来上がるほどの腕前。
魔美くんの作ったサンドイッチを見た高畑さんの感想、「ギハハハ、巨大!」「にぎやかだね。なにが入ってるの?」って食べ物に向けた言葉じゃない!!(笑)
魔美くんのざんねんなところは、そんな腕前なのに料理が好きだということ、「料理は女性がやるもの」というこだわりをなぜか持っちゃってるところ、レシピどおりにやって失敗してもレシピがおかしいと言い張るところ、かな……
でも途中のエピソードでは、料理が爆発した挙句に味見で自分がぶっ倒れて、高畑さんのおいしいご飯に涙したり、お母さんの言うレシピをきちんと守って「食べられる料理」を作ろうと少しずつ成長してるから、大人になったころには上手に出来るようになるんじゃないかな。


【自分の好きなものは皆好きだと思うのかなタイプ】
ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)


ハチクロはね、……はぐちゃんと山田さんがね。両方すごくてね。
ミントのおにぎりとかね。フルーツがご飯に絡まる系とかね。隠し味のチョコが勝ってる系とかね。
本人たちは結構「あらおいしい!」みたいな反応なのもすごいね。生半可なメシマズじゃないですよ。
きっと結構食べられる味なんだろうなあとは思う。パインラーメンみたいな? 男子が食わず嫌いをしているだけでさ!

【何が入ってるか不安系】
ドラえもん(13) (てんとう虫コミックス)


こちらもチャレンジ精神がありすぎて不安になる系。有名な「ジャイアンシチュー」の回が収録されているのは13巻でございます。
ジャイアンは曲を作る、歌う、リサイタルを開催する、ファッションモデルやアーティストにも興味のある、好奇心旺盛なタイプですが、料理にも食材ですらない「セミのぬけがら」を入れてきたり、すでに完成している食べ物「大福」「しおから」もつっこむというすごい独創性です。まさにオリジナル。
英語で煮込み料理の総称だという「シチュー」を料理名に入れてくるあたり、これが「ごった煮」であることを自覚しているとしか思えない。
ジャイアンは各方面でオリジナリティが「サービスを受ける人々」に違和感を与えてしまっていますが、本人の「おもてなしの心」は間違いなく存在している……と思うのですがいかが?
全部自分でやろうとせずに、それぞれをプロに任せる支配人のような仕事に向いてそう。旅館やホテルなど。

ジャイアンさんの魅力については別サイトでさんざん語っています。
よろしければソチラも見てみてください。
ジャイアン心の友の会
http://www.blackstrawberry.net/g/g.html


【荒っぽささえなおせばなんとか……】
パーマン 1 (藤子・F・不二雄大全集)


藤子F先生作品には料理が苦手? なキャラがいっぱいいるんですな……
ちなみに出木杉くんは料理が上手で、のび太も「くやしいけどうまい」って言うぐらいですよ。
「パーマン」ではパー子が料理苦手キャラです。炊飯器でご飯を炊いても炭のかたまりに。なんつうか料理がちからまかせ。
でも正直パー子はまだ小学生だし、普段はスーパーアイドルとして多忙な毎日を送ってるし、「うちではお手伝いさんがやってくれますの」なんてふざけたように言ってるけど実際そうだろうし……

藤子先生の漫画は、女の子キャラたちがみんな魅力的で、なのにステロタイプな「女の子はこうあるべき、男から見た・大人からみた良い女の子はこれ」っていう押さえつけの表現は無いんですよ。たとえそういう風に言ってくる状況やキャラがいても、それは脇役たちで、メインの少年少女はそんなものには反発してのびのびやりたいと思ってる。
藤子F先生自身、3人の娘さんに囲まれて、女の子の生き生きとした姿を間近で見ていたんだろうなあと思う。


いでじゅう!(10) (少年サンデーコミックス)


「いでじゅう!」はヒロインの桃里ちゃんは料理が上手なタイプ。
10巻の夏合宿の回、女子バレー部と一緒にご飯を作るエピソードで、バレー部の後輩・山咲ちゃんが見事なメシマズっぷりを見せてくれる。具のはみ出した餃子。シャクッとなぞのアクセントがたまらない茹でじゃがいもっていう、微妙なラインで料理が出来ない人がやりがちな失敗を出してくるところがさすがモリタイシ先生!
山咲ちゃんも多分、私とおなじで「まいっか」で生きてるタイプ!

【ちょっとずれてるだけタイプ】
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)


主人公・琴子も、ドジでダメな女の子だから、当然のように料理が上手じゃない。
でもさ、「お弁当にネギ」「卵焼きにカラ」「焦げてる」程度はもうたいした問題じゃないよ。
あとちょっとのテクニックが必要なだけ。
素敵な専業主婦のお義母さんもついててくれるし、お父さんは板前だし、入江くんも料理上手だし。
そんな中で自分も料理したい、上手になりたいってがんばるところがえらいですよねえ。
イタkissで好きなシーンは、入江くんに「コーヒー入れるのだけはコイツ(琴子)がうまいから」ってぽそっといわれるところですよ。読んでて「琴子!よかったね!入江くんいい男だね!」って琴子の友達かのようにはしゃいでしまう。


【味覚が合わないタイプ】
うる星やつら〔新装版〕(1) (少年サンデーコミックス)


ラムちゃんが作る料理も、食べられない系ですね。
しかしこれはなんつうか……宇宙の食い物だから……
ラムちゃんの故郷はとにかく味付けが辛いらしい。あと見た目はとがってるね。
ラムちゃん自身は地球の食べ物も問題なく食べられるみたいだし(辛さを足してるときもあるけど)
まさか自分の星の食べ物が地球人に合わないとは想像できないんだろう。
だからそのうち改善するんじゃないか。
テンちゃんには「うちらの食べ物を地球の生き物にあげちゃダメだっちゃ」みたいに叱ってるのにね(笑)多分味以外は地球人にも害がない食べ物……をチョイスしているんだろう。うん。



【ある意味忘れられない食べ物】
ピューと吹く!ジャガー (3) (ジャンプ・コミックス)


それはピューと吹く!ジャガー3巻に登場する食べ物だ……
ピヨ彦の実家から巨大なマツタケが送られてきた……興奮するいつもの仲間たち……
めったに手にはいらない代物、高級食材、ありがたいもの、マツタケ……
ジャガーさんが自信マンマンに「一番マツタケを堪能できる料理を作る」と言い切った……
ワクワクテカテカして待つ一同の下に運ばれてきたマツタケ料理とは……

ガム……
巨大なガム……


確かにマツタケを堪能することが出来たのであった……


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結局藤子ネタが多くなってしまった。
同時に「うまそうなご飯を作るキャラが出る漫画(グルメ漫画以外で)」と言うのを書こうと思ってたけど
いまいち面白くならなそうなのでやめときます。
posted by 藤村阿智 at 13:06| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月11日

進撃の巨人17巻(諌山創)

進撃の巨人(17) (講談社コミックス)
進撃の巨人(17) (講談社コミックス)

ネタバレがど〜してもいやな人は以下スルーで。たいしたこと書かないけど。

17巻も16巻に引き続き面白い展開。
いままで引っ張ってた数々のなぞが明らかになっていくからすっきりするのかな。

ラストでも、ここ最近放置されてた別件の問題に言及してて、次巻にも期待しちゃう。
私だけなのかもしれないけど、実はキャラの顔の区別がいまだにちゃんとできてなくて、
「あれ?この人とこの人同じ人なのかな……?」って不安になっちゃう。
最後のメガネの人って……でもちょっと確認したけどめがねも若干違うような……うーん……
って感じです!!

しかし、人気漫画だから長々と語ってもおかしくない過去のエピソードも、すっきり簡潔に語りますね。
こういうのは、サイドストーリーが外伝で充実しているからでしょうか。
私は原作以外はアニメしか見ていないので答え合わせ出来ませんが、原作のテンポが適度に速いのは好きですよ。

進撃の巨人、「擬音が面白い……」とひそかに注目してるんですが、
17巻で一番気に入ったのはウソ予告の「ポチョム」っていう音です。
ポチョムって。諌山氏は若いはずなのに、なんか擬音が懐かしい感じ。
ラベル:少年漫画
posted by 藤村阿智 at 14:34| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月06日

2000年代の「戦争と漫画」、その一部

2000年代にも第二次世界大戦の漫画はいろいろ出ている。
全部読めてるわけじゃないから、私が読んだ一部の漫画しか紹介できないけど、
少しずつ思うところと漫画の紹介を書こうと思う。

昭和の時代には戦争を描いた漫画はたくさんあった。
悲惨な状況を体験した作者自らが描いているものも多く、戦争がどうやって人を殺したかを伝えていた。
私も子どもの頃からそういう漫画、絵本、小説、映画……たくさん観てきた。
戦争は怖い。私たちのこの世界と違う。違う世界の違う場所でこんなことが今でも起こっていて、私たちの日常もある日突然戦争に変わるかもしれない。
という恐怖を持ったまま大人になった気がする。

大人になってから初めて出会った戦争関連の漫画はこれだ。
夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)

2003年の作品。
オビに「賞をとった漫画」と書いてあったし、私は漫画好きで漫画を描いたりもしているので、そんないい漫画なら読んでおかなくちゃ。と思って購入した。

いままで読んでいた戦争、広島、原爆……を扱った漫画とはだいぶ違っていた。
そもそも舞台が戦後、昭和三十年である。
特にショックだったのは33ページ(文庫は持ってなくて、ページ数が違うかも)の、何も絵がないページ(皆実さんの主観だということがあらわされている)に描かれた台詞。

「嬉しい?」「十年経ったけど 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった!またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる?」

いままでアメリカ(国)が日本(国)に原爆を落としたんだと、どこかで思っていたのだけれど、
この「夕凪の街 桜の国」の皆実さんの台詞には、ひとが、ひとに。だれかが、わたしに。 どうしてだれが、なんでわたしが? という想いが、憎いとか悲しいとかそういう次元と別のところに存在しているんだなあと……私は初めて思い至ったわけで……
主人公の皆実さんはたくさんの身内を「あの日」失ったけど、戦争や爆弾を憎む様子を見せるでもなく、身内を思って悲しむ姿を見せるわけでもなく、十年間戸惑って、理不尽に死んだ人と、偶然に生きている自分との違いもわからないまま暮らしていたんだと。

後半の「桜の国」のほうではほとんど原爆も広島も影をひそめ、薄まって、当事者にすらなにが因果や影響を残しているのかもう判断もつかないのに、いまだぼんやりと……時々見える影をそばに置いたまま暮らしていく不思議さとちょっとした戸惑いと、
あとは間違いなくあの日からも同じ世界が続いているということ。

「夕凪の街」と「桜の国」は、後半のほうで同じ場所を旭さんが尋ねたり、過去の風景が重なるようだったりする直接的な描写もあるけれど、同じコマ運びだったり、なぞるような描写に、時を越えたリンクを感じられる仕掛けもあって、漫画としてもテクニックがすごいんですよ……

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あとかたの街(1)
あとかたの街(1)

2015年現在も連載中。4巻まで出ている。(私は今日の時点でまだ3巻までしか読んでいない)
この次に紹介する「凍りの掌」が先にあって、そちらはシベリア抑留を体験された、作者:おざわゆきさんのお父さんのことを描いた本。
続いて、こちら「あとかたの街」は、名古屋の空襲を体験されたお母さんの話をベースに描かれている。

いままでいろんな「戦争の本」を見てきたけど、シベリア抑留・名古屋空襲まではしらなかった。
シベリア抑留も「なんかシベリアに行って仕事してた人たちがいたらしい」ともんやりイメージしただけで、ソコの気候や待遇、それどころか具体的に「人が」そこにいたことすらあやふやだった……

「あとかたの街」では、お母様の少女時代、戦時中の抑圧された生活の中でもささやかな楽しみを胸に、つらい中も工夫して生活を続けている様子が描かれている。

戦時中の暮らしや「ソコにいた人」は感じられるけど、どこか「私とは違う」人のように読んでしまってる気がする。この感じ方の違いは不思議だ。

4巻も近々購入予定。また感想が変わってくるかもしれない。

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新装版 凍りの掌 シベリア抑留記 (KCデラックス BE LOVE)
新装版 凍りの掌 シベリア抑留記 (KCデラックス BE LOVE)

「あとかたの街」と同じく、おざわゆきさんの漫画。

私は最初、この「凍りの掌」を同人誌で読んだ。続巻が出るたび購入して、その後小池書院から出た商業版も購入した。上記リンクは先月発売されたばかりの、講談社から出ている新装版だけど、さすがに三種類買うのはためらわれて、私は同人誌版と小池書院版だけを持っている。

これも最初に読んだとき衝撃を受けた。
私にとっておざわゆきさんは築地グルメ漫画の人でおなじみで、私も参加している同人誌即売会コミティアで見かける、カワイイ絵のレポートとおいしそうなご飯の絵が印象的な作家さんだったから、
まさかその人のお父さんがシベリア抑留でこんな壮絶な体験をしてきているとは。

また、お父さんが語り部に合うというか、本人がどんどん前に出るタイプでなく、強い思いや気持ちをもちろん心に秘めつつも、冷静に「その場にいた」事実を語っている様子が、読者に「伝えるちから」を大きくしているんだと思う。
あのときどこにでもいた普通の青年が、戦争に巻き込まれていく描写は、読者と同じ目線でその場を伝えていく。作者のおざわさんのちからだとおもう。
つらい中でも、たべものをたべたり、ソビエトの人と交流したり、花が咲いたりっていう救いが出てくるのもいい。

「あとかたの街」「凍りの掌」両方に共通して思うのは、
この体験をした方々が今も生きて暮らしているということ。
戦後70年? なにも遠い話じゃない。 私たちだって70年後に、もしかしたら何かを語っているかもしれないじゃないか。
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フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

こちらも2015年現在連載中。
女流漫画家・上田トシコさんは、2008年に90歳で亡くなった。第二次世界大戦の戦時中を駆け抜けた人だ。

この漫画も私にとってはあたらしい目線をくれる漫画。
トシコがお嬢様なのである。
いままで戦時中の話といえば、物資がない〜情報はない〜抑圧されててぜいたくは敵〜隣組〜みたいなイメージ一辺倒だったけど、トシコはお金持ちの家庭に生まれて、なに不自由ない上品な暮らしを送っていたわけです。
開戦の一報を銀座のパーラーでランチにホットケーキをほおばりながら聞いたり、
おニューの真っ赤なコートをきこんで顰蹙を買ったり、パーマを禁止されたり、終戦のやけくそでケーキを食べようとしたりする。そもそも、戦争中に一番生活に関係ない「芸術」に一所懸命な若者たち。
いままでの「戦時中の暮らし」とイメージが違う……!

でもこの感じは親近感がより強くて、「あれ? 戦時中でもおいしいもの食べるのが楽しみって人もいたり、おしゃれをつらぬこうとしたり、お金に困ってなかったりするんだな?」って思うと、いろんな人がいる中に私もいるという感じになれる。

あとは当時のハルピンのひとたちね。トシコ一家がいろんな人に好かれて、また、一家が好きだった外国の人たちや町並みや文化が確かにあって、戦争はあったけど支えあえる友人もいたということ。

それぞれの巻の感想も書いてます。
フイチン再見!(村上もとか)1巻〜5巻: 漫画の感想ブログ ホンヨンダ
http://honyonda.seesaa.net/article/413881232.html

私は上田トシコさんの「フイチンさん」も読んでいて、あちらはハルピンのおぼっちゃんが、金持ちを鼻にかけた性格だったのに使用人の娘「フイチン」と出会ってからどんどんいい子になっていく話なんですよ。トシコさんのハルピンへの思いや、楽しかった記憶がふんだんに詰め込まれている感じ。

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この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)
この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)
この世界の片隅に(後編) (アクションコミックス)

2007年〜2009年連載作品。前出の「夕凪の街 桜の国」とおなじく、こうの史代さんの漫画。

お恥ずかしい話、私は「この世界の片隅に」を読むまで、戦時中に人間が生きて暮らしてたことを知らなかったんですよ。さすがにそれは言い過ぎかもしれないけど、それぐらい曇った目で「戦時中」を見ていた。
戦争の間につらい思いをした人たちって言う、私には関係のない、住む世界が違う、別人がいたと思っていたんじゃないか。


主人公の「すず」さんたちは、普通に平凡に毎日暮らしていて、働いたり、さぼったり、仲良くしたりけんかしたり。強くて、弱くて、叫ばず、主張しすぎず、絵が好きで、フロをわかしてご飯を準備して節約して工夫してその分楽しんで……
今現在の私たちとなにも変わらない、ひとりの人間とその隣にあった戦争とっていう話で……
戦争が終わった後も生活は続いていく。

私だって、この2015年を普通にいろいろしながら生きているけど、未来に振り返ってみれば
「あのときはもう、戦争が始まってたね」
といわれるのかもしれないと思うと、すずさんがあんなに普通の女の子だってことが怖くなってくる。
普通の人が生きていたということは、普通の私もそこに居るかもしれないからだ。

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「この世界の片隅に」はそんなわけで私にとって特別な漫画。
「すずさんかわいい、萌え〜」で十分なので読んだことない人はぜひ読んでみてください。
漫画の表現としてもいろんな仕掛けや挑戦がふんだんにあって、何度読んでも楽しい。

私はこないだ、「全部読んだ人には、最初の方で出てくるバケモノの正体がわかる――」という話を聞いて、
「え!!! (「冬の記憶」というエピソードの)バケモノの正体とか、考えたことなかった! もちろんわかってない!!」ということで読み返したんですよ。
うわ〜見逃してた。気づかなかった。はっきり明言してるわけでもないし、そもそも「冬の記憶」自体がファンタジーな存在で、「あれはなんだったんだろうなあ」という子どものころの夢のような雰囲気がいいところなんだけど、そういう解釈もほんわかしていいですね。
「すずさんなりの解釈による創作」だったとしても、それはそれでいろいろ深い。改めてキュンとしてしまった。

【この世界の片隅に アニメ映画を応援しています】

2016年秋公開予定とのこと。
特報映像が好評なので見てみてください。
漫画は知ってて、映画化を知らなかった人は今日から公開を心待ちにしつつ一緒に応援してください。
漫画も知らない人はぜひ読んでみてください。



映画「この世界の片隅に」公式サイト
http://www.konosekai.jp/


映画をきっかけに、現在出てる文庫版だけじゃなくて
前の「上中下」3巻も復刊したらいいのに。全部読んでから3巻の表紙を改めてみたときの
ゾクッとする感じ、すごく良かったから。

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戦争のことを考えたとき、とくに近頃思うのは、たくさんの人が自分と同じようにこの世界で生きているということ。
少なくとも私は、相手の名前を呼びながら殺すことは出来そうにない。
ならばみんなが少しずつ、知らない人を知っていけばいいんじゃないか。

紛争が起こってるその場所でも、誰かが楽しいことをしたり、明日の準備をしたり、行事をこなしたりしていると知れば、恨みでもない限り死んで欲しいとは思えない。

第二次世界大戦のとき、アメリカの兵士は、日本人が怖くて同じ人間だと思えなかった……という話を読んだ。言葉も通じないし、肌の色もちがうし、なんと自爆する。理解できない。殺さないとこっちがやられると思った……という話で、確かに、自分と違う生き物を殺すのであればためらいも少なくなるだろうと思った。
戦争はそうやって「あのかたまりは自分とは違う」と人を誘導するところから始まるんじゃないか。


私は知らない土地のニュースを見ると、その地域の気候や人口密度、ストリートビューや航空写真を積極的に見るようにしている。
異国の商店街や看板、バイクにのった人、黒いごみ袋、手入れされた庭、飼われてる動物……などなど見ていると同じ世界でそれぞれの「暮らし」があることを実感できる。そして普段異国の住人を、国の名前だけで認識していることがよくわかる。

今後、もし私たちに敵が出来るとしたら、戦わせたい人たちは相手ひとりひとりの暮らしを伝えず、名前を奪って、別の名前でひとからげにしてくるだろう。
私が人を殺さない方法はひとりひとりの顔と名前を思い浮かべることで、死なないためには、それまでに出来るだけ多くの人に「私はこの世界の片隅に生きている」と伝えることなんじゃないだろうか。
posted by 藤村阿智 at 14:55| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月27日

フイチン再見!(村上もとか)1巻〜5巻

【5巻の感想を追記しました:2015/7/27】

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

とっくに書いたと思ってたのに、まだ感想書いてなかった。
いま、4巻発売をきっかけに再読中です。

女流漫画家・上田としこさんの人生を描いたマンガ。すごい。
上田としこさんといえば、私には「フイチンさん」でおなじみのひと。
母が「フイチンさん」が大好きで、復刻版を購入して、私も読みました。
その後大人になってから、アニメビデオが発売されたことを知って、それを制作会社から通販で購入して、母と一緒に見ました。
でもそういうきっかけがなかったら、私の世代には上田としこ先生は、まったく身近じゃない作家かもしれない。
上田トシコ - Wikipedia

長生きなさって、2008年に90歳でなくなったときはニュースで聞いて亡くなってしまったことに驚きました。
いつまでもフイチンさんみたくお元気でいらっしゃるような気がして。

この「フイチン再見!」は、そんな上田としこ先生の生涯を描くマンガになると思います。
もちろん、作品以外の先生についての情報はほとんどなかったので、こうやってマンガで読めることはすごいことだと思ってます。

以下マンガの感想。

フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 1 (ビッグコミックス)

1巻は、第一話で上田としこ先生が漫画家として活躍されているシーンから。
もう第一線の人気作家として、多忙な毎日を過ごされ、一緒に住む家族たちの生活を支えています。
そこに、なくなったはずの父親の幻が現れる。会話しているうちに、思い出されるのは幼い日から今日までのこと……

ハルピンでの生活が描かれる1巻。私、そういえばハルピンのことなにもしらないな。だから、西洋のような町並みがあったということ、そこに日本人、中国人、ロシア人、ユダヤ人とさまざまな人が住んでいたこと。なにもかも興味深いです。日本人で、お嬢様である「としこ」も、楽しみも悩みもあるのです。

1巻の後半では東京へ戻ってくる。学校は日本の学校へ通うため。兄の友人からの紹介で、イラストレーターで漫画家の松本かつぢ先生の弟子になったものの、先生はなにも教えてくれないで、もって行く絵やマンガにマルバツをつけるだけ。
それも6ヶ月続けていたら、先生からイラストの仕事をいただく。

周りの女学生は、どんなお相手のところへ嫁ぐのか・どういうお嫁さんになるのかを考えているのに、としこはひとり自立するためにマンガの道を目指す。

フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 2 (ビッグコミックス)

2巻。先生の紹介もあって、新聞に連載を始める。
父の反対も押し切って、マンガをもっと上手に書けるように、東京で絵の練習を続ける。
日本は戦争の時代に。絵を描く、マンガを描く、それももしかしたら危ういかもしれない時代。
友人の紹介で出会った近藤日出造氏には、「お嬢さんすぎて世間離れしているから、漫画家に向いていない」といわれてしまう。
働いてもっと世間を知ったほうがいい。とのアドバイスを受け、仕事を探すものの、女性の給料はとしこが父から送ってもらってる仕送りの3分の1しかないことを初めて知り愕然とする……

今まで読んだ戦争時代の話と、あまりにかけ離れた生活をするとしこの姿が逆に目新しい。
こうの史代さんの「この世界の片隅に」でも、戦時中といえども楽しみをもって暮らしたり、節約の中に贅沢を感じていたりと、「戦争は戦うだけじゃなく、生活のとなりに戦争があるんだ」ということを改めて感じたものですが、この「フイチン再見!」でのとしこの姿は、贅沢ができないはずだった時代に、多くの民衆より一段上の裕福な生活を送る人がいたこと、そしてそんな人ですら戦争の渦に巻き込まれ、世間の目を感じながら生き、思うがままには生きられなかったということを表していると思う。

・真珠湾攻撃・開戦の一報を、としこが銀座のパーラーで久しぶりのホットケーキをランチにほおばりながら知るシーン
・ハルピンでの生活中に雑誌や文化などで触れたアメリカの大きさ・強さを、裕福でインテリだからこそ肌で感じている
というところは、いままでに私が読んだ戦時中を描いた作品の中には出てこなかった、新しい目線だと思った。

フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 3 (ビッグコミックス)

3巻。画学生仲間の弦田氏に肖像画を描いてもらい、これまでの仲間と学んだ3年間を想いながらハルピンへ「帰国」するとしこ。
過激なハンガーストライキを経て、働くことを父に認めてもらったとしこは満州鉄道に勤め始める。
巨大な、国家そのもののような鉄道会社。
そこで知る、勤労女性の待遇の低さや、周りの人間とどうかかわっていくかの経験。
貧困と罪が身近に転がってるのを知る。
このマンガ、出てくる風景もきれいで人々も服装もみないいんですが、食べ物がおいしそうでいいですよね〜。としこがいいものを食べてるってのもあるかも(笑)
女性の環境を向上させるために立ち上がったとしこと、それを良く思わない人たちとの対立もある。
3巻はマンガをほぼ描かない。一回だけ、ポスターをマンガのように描いて、自分が人に与えられるマンガとは何かに気づくシーンは、この先重要になってきそう。


フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)

4巻。滅私奉公にいそしむとしこは、志願して慰問列車に乗り込み、鉄道沿線の各所をめぐる。
そこでも、であった少年たちの心をつかんだのはとしこが描くマンガ!
1945年8月を迎えて、日本は戦争に負ける。「だが、満州の日本人の”戦争”はここからはじまったのだ――」という裏表紙の言葉通り、あっという間に変わっていくとしこの周辺。
終戦の日はもう我慢せずにケーキを食べに行く! と息巻くとしこだけど……
戦争は終わったはずなのに、敗戦国としての試練がつぎつぎ襲ってくる。

本当にすごい話ですよ。この辺の、終戦後の満州のエピソードはほかの本でも読んだことがなくて、いままで触れてこなかった。上田家の居住していたアパートメントに三千人の日本人が避難してきて、ちからをあわせて共同生活を始めるんですよ。すごい……
「絵がかける」ことはここでもフルに活用される。

5巻の予告が最後にあったけど、不穏な感じですね……1巻の冒頭で語られてるからわかってるけど、つらいエピソードが増えそうだ。

フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)
フイチン再見! 5 (ビッグコミックス)

4巻で終戦。5巻は終戦後ハルピンに残った日本人に起きたこと。
敗戦国・日本へ、掌を返したような中国・ソビエトからの仕打ち。
あちこちで起こる残虐な出来事が「明日はわが身」という不安のなか、としこたちは家族でひっそりと生きていく。
それでも、人気漫画のキャラクターを拝借して書いた絵が売れるところなどは希望もありますね。
また、日本が負けても変わらずに支えてくれる現地の中国人のあたたかさ。
行きずりの中国人兵士から受けた寛大な対応もあって、どんな状況でも100%つらいってことはないのかもしれないと思える……

シベリア抑留の話もそうだけど、終戦で日本はあっという間に復興に向かって、昭和30年には近代化が進んでるのに、海外に取り残された人たちの終戦後の苦労は大変なもの。
自分の国に帰るってことがこんなに大変だとは。

劣悪な状況の中、やさしくしてくれた人たちとも別れて日本へ向かうとしこたち一家。
でも、移動を始める前にとらわれてしまったお父さんがどこでどうしているか気になる……
っていうか、ああ……つらい展開です。そして6巻へ続く。


【続きを読んだら追記します】
ラベル:漫画家マンガ
posted by 藤村阿智 at 10:44| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

僕だけがいない街6巻(三部けい)

僕だけがいない街 (6) (カドカワコミックス・エース)


1巻から5巻まで出てるところで購入したので、そこまでは がーっと一気に読んでしまった。
間をおいて6巻の発売。


【以下ネタバレあり】

5巻の途中まではうまくいきそうだったのに、やっぱりあの人が犯人だということが判明……したところで主人公・サトルは退場するハメに。

いままでは時を巻きもどすちから「リバイバル」を使うことでなんとかやり直してきたけど、
自分の危機にちからを使えなくて(使えないルールなのかは微妙なところ。本人もちからの詳細をわかってないみたいだから……)
巻き戻った分の時間を、眠ってすごしちゃってほとんどスタート地点に戻ってきてる……ってかんじかな。


「真犯人」の過去のくだりは、まああってもよかったけどなくても良かったのかも。テンポがそこだけ違う気がして。

目覚めたサトルが、自分が活躍して解決したはずの過去を覚えていないというのはなかなかびっくりしたし面白い展開だと思った。

この後は真犯人との決着までが描かれるのかな。10巻以内……あと数巻でまとまれば全体的に面白い漫画になりそう。

なんとなくはまりきれないのは、やっぱり能力の範囲・弱点・制限・引き金がわからないせいかなあ。
私はお堅いSF脳なもんで……とくにタイムトラベルのちからって言う、いろんな能力の中で最強クラスのちからの適用範囲や条件が解析・説明されないのはつらい。

私自身が「タイムトラベルは怖い」と思ってるからなあ……うまく行ってる展開のときのほうが、「せっかくやったのに過去に戻っちゃったらつらい」って言う不安が「僕だけがいない街」を読んでるあいだずっと心のどこかにある。

あー、「ひぐらしのなく頃に」で何度も「ああーうまくやったのに……」って気持ちを覚えてるせいかな。あれはでも「そうなる条件」がなんども説明されてたからがんばれたんだよな〜。
posted by 藤村阿智 at 13:54| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月07日

逃げるは恥だが役に立つ1巻〜4巻(海野つなみ)

hontoで電子書籍版1巻が0円だったから読んでみたんですよ。
kindleでも0円なんでよかったら試し読みをしてみてください。
ただし試し読みをしたらいまでている分全部を買ってしまうでしょう。私がそうでした。

逃げるは恥だが役に立つ(1)


森山みくりさんは就職難の昨今、就活がうまくいかないからと大学院まで行った結果、余計に就活がままならなくなり、派遣で働いてみたもののそちらも契約終了。しかも親は遠くへ隠居するという。
そこで、みくりが仕事として家事代行をしていたクライアント・津崎平匡さんと相談の結果、
契約結婚! 仮面夫婦! 愛はない事実婚状態
……に仕事として取り組むことに。









4巻まで読み終わって。

二人は! 契約結婚したときは足並み揃って、お互いを一番理解して、上手に結婚生活を送っていたのに!
いまや契約結婚をこじらせてしまっている


少女マンガ……というかヤング向け女性コミック? (kissはどういう位置づけなんだ……)
なのでさわやか〜で大人な悩みの少女マンガという感じなんですが、
とにかくこれはジタバタ案件ですよ!(※読んでいると照れてクゥ〜となってモッハァー!となってもどかしくてジタバタしてしまうという案件)


あんまり、人がちゃんと話し合わないでお互いモンモンとしてるだけですれ違っちゃうのって好きじゃないんですが(自分がそういうタイプなので同属嫌悪です……)
この二人はいい感じですね。まだ我慢できるし、みくりさんかわいい。小賢しかわいい。平匡さんかわいい。ジャスト私好み。いちいち童貞っぽいところとかこじらせちゃっててめんどくさいところとか。いや二次元の好みの話ですけど……
主人公として読者寄りのキャラであるはずのみくりさんも、実は考えが読めないキャラクターですね。
だからまだどうなっていくのかわからない。


特殊な舞台設定やキャラ設定でもないのに、ひとつのとっぴな「契約結婚」という話題だけでここまでぐっと来る内容にできるのが作者さんのすごいところ。さすがベテランですね。世界もそんなに広くないところで展開しているのに、このこじんまりさがテーマにあっててちょうどいい。


5巻まで出ているんですが、ほかの本も買う関係でとりあえず4巻までにしちゃったので、はやく5巻が読みたいような、読んじゃったら今度6巻が出るまでが長いような。


こちらもどうぞ。
逃げるは恥だが役に立つ 5巻〜8巻の感想
ラベル:女性
posted by 藤村阿智 at 16:30| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月06日

桑田乃梨子先生と愛猫にょろりさんの話

先日発売された、「だめっこどうぶつ」7巻をさっそく買いました。
桑田乃梨子さんの漫画は発売されたらすべて買うのです。



だめっこどうぶつ」は、生き物(その種族)としてどこかダメなやつが集まる森で繰り広げられる、
着ぐるみキャラたちの四季の楽しみや、ぐでぐでしたりほのぼのしたりねたみうらみしたりって言う様子を描いた四コマ漫画です。もう10年も続いている長期連載作品ですよ。
7巻も変わらず面白かった。


でも、7巻を読み始める前にカバー折り返しの「作者自画像&コメント」をチラッと見ちゃったんですよ……
!!
っと私が激しく動揺してしまいました。
涙する桑田先生のイラストと、いつも傍らに描かれている愛猫「にょろり」の姿がないのを見てしまったのです……。



中学生の頃に桑田漫画に出合ってから20年以上、ずっとファンで漫画はすべて買って読んでいるのです。
1999年発売の「飼うか飼われるか」という動物エッセイも発売してすぐ買って読みました。
「飼うか飼われるか」は作者が飼っている動物のエピソードではなくて、読者投稿や作者が取材に行ったペット関連施設や動物園・水族館などのレポート漫画が収録されています。

しかしその「飼うか飼われるか」の執筆中(1997年ごろ)に、桑田先生が迷いネコを拾います。
飼い主が現れず、そのまま桑田先生んちのネコになった「にょろり」さん。
とまどいながらも溺愛する様子が少しずつかかれるようになります。



「飼うか飼われるかR」として復刊してるので今もそのエピソードは読むことが出来ます。
元の本より収録が増えているので前の本を持ってる人にもいいかも。

その後発売される単行本の、最後にいつも収録されている「おまけまんが」の中にも毎回にょろりさんは登場するようになります。
にょろりさんが来てから描かれた「真夜中猫王子」は、いままでよりいっそう猫の描写が愛らしくなって、さすが猫を飼うと違うな〜と感じます。



にょろりさんと桑田先生、というエッセイも。
「日々是敗北」


さらに「にょろりがもしかしたら執事のように考え、行動しているのかもしれない……」と
ある意味妄想のような、いやいやエッセイで事実のような、不思議な「現実逃避漫画」である
「ねこしつじ」シリーズもあります。
   


4冊も。



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桑田先生のマンガについて書き込む2ちゃんねるのスレ(@少女漫画板、最近見てないな……)でも、
以前からおまけ漫画を読んだ人が「にょろり元気そうでよかった」とか「にょろりの近況が気になってオマケ漫画から先に見てしまう」という書き込みをしていました。
「にょろりがシニア向けフードを食べるようになったとあって心配。でも15歳だもんな」って書き込みも見た記憶があります。
あそこの住人のみんなは今どういうことを書いてるのかな。(だからといって見に行く気も起きない……よけい悲しくなりそうで)
読者の多くがにょろりさんのことを気にしていたんだと思います。


私はここ数年、猫のことを考えれば、にょろりさんは20歳近くになっているのだからお別れのときが来るのかもしれない。と思って、おまけ漫画を読むのも勇気がいるようになってました。

なのに「だめっこどうぶつ」7巻では(この記事の最初に描いたとおり)手が滑って本編を読むより先に知ってしまい……
「えっ!! 今回のオマケ漫画にはなんと描いてあるのだろう」と、単行本の最後を見ましたが、7巻にはオマケ漫画はありませんでした。
かわりに、カバーを取った(本体のほうの)表紙に、にょろりさんが旅立ったことがそっと描かれていました。

いち読者にすぎない私がこんなにさびしいなんて、実際に18年も一緒に過ごしていた桑田先生の寂しさは想像しきれません……


改めて、いろんな桑田本のオマケ漫画にすこしずつ描かれているにょろりさんのことを読み返したりしています。



posted by 藤村阿智 at 14:44| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月30日

銀の匙13巻(荒川弘)

銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)
銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)

【ネタバレ少しあり】

13巻は細かいエピソードの積み重ね巻といった感じ。
とくになにか大きな出来事があるわけじゃないけど、
いままでの行動が少しずつ結果になって進んでいく様子を見せている。

馬術部での部活動の集大成として大会出場。
勉強の成果あって御影ちゃんも大学の推薦を受けられる(?)ように。
八軒と大川先輩の会社も少しずつテストを重ねてる。
それぞれの卒業後の進路も固まりつつある……

13巻の最後では駒場からのなにかありそうな連絡、で14巻に引き!
ラベル:少年漫画 北海道
posted by 藤村阿智 at 11:24| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

親なるもの 断崖(曽根 富美子)第一部、第二部【完結】

WEB広告で気になっていた漫画をとうとう買って読んでしまった。
「親なるもの 断崖」
昭和初期、北海道・室蘭に生きた女郎たちの話。
広告を目にした人は多いのでは……「しこめの女郎が誕生した」っていうなんか怖そうなバナー画像が印象的なもの。





広告自体は「まんが王国」のものなんですが、スマホ用の漫画サイトなのね。
読みたいな〜って思ったけどスマホで漫画読むの好きじゃない。好きな漫画の二冊目・電子版をスマホで見るってのはやるけど、初めて買う漫画はせめてPCで見たい。

……と思ってたら、まんが王国で人気が出て、書籍が復刊するんですって。
でも書籍はまだ発売されてなかったし、値段も高めになっちゃうので、kindleで購入。
一気によみました。

いや、一気によまざるをえない。
以前ケッチャムの「隣の家の少女」を読み始めたときに、あまりにも悲惨な描写が続くので「物語を終わりまで見届けることで、この話から脱出したい」と思ったときと同じきもちになっていた。悲惨だな〜と思ったときに途中でやめられる人すごいなって思う。結末すら悲惨だった場合でも、物語が終わってないと悲惨な状況がずっと続いているような気がして……(「隣の家の少女」感想はこちら


以下、「親なるもの 断崖」のあらすじ、感想など。ネタバレありだと思います。
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開拓使、軍事需要でたくさんの人が流れ込んできた北海道。室蘭は断崖に囲まれた町で、人々は鉄工所で働き、線路を引き、森を切り開いた。
同じ頃日本中で農民は貧困の中にいた。「親に売られる少女」が続出、物語の中心になる四人の少女も貧困のために生まれ故郷を離れ、室蘭の遊郭で「女」を売るためにつれてこられた。

……とまあ最初の設定から暗く重い話です。第一部はとくに、笑えるところもなくてずっと重い。
松恵、梅の姉妹は器量よしで人気が出ると思われたが、すでに16歳になっていた松恵は初日から「客を取らされる」。そしてショックで首をつってしまう……
残された梅は大好きだった姉ちゃんの分まで働く、と11歳にして女郎になり、あっという間に一番人気の女郎に。

小学校を出ていて教養と品のある13歳、武子はカラダを売る女郎ではなく、芸を売る芸妓に。

だれよりもまっすぐに、貧困で苦しんでいる親を楽にさせたいと、カラダで役に立ちたいと思っていた道子は器量がわるいという理由で女郎にもなれず下働きに。


吉原とか、京都とか大阪の遊郭のイメージはちょっとはあったけど、室蘭の遊郭ってワタシにはイメージが無くて……もともと都だとか人がたくさん暮らしている都会の「遊び場」と違って、男たちもひどい環境で働いている中で、ストレスを発散するために設置されている遊郭だからなのか、このまんがの舞台になっている遊郭は本当に環境がひどい。

さらに遊郭にもレベルがあって、四人が来た遊郭は「幕西」でも上級な場所。もっと悪い場所がたくさんあるらしい。
ずっと下働きをさせられている道子は、自分もきれいに着飾って客を取りたい。男に必要とされたい。と、下級の女郎に成り下がって壮絶な環境に自ら落ちていく。
でもこの物語の中で、一番笑顔のたえないのは道子なんだよね……


さらに戦争がはじまり、戦争は日常を大きく変え、戦争が去った後にはほとんど何も残らなかった。
でも室蘭の断崖を親とし、その懐で生き、子でありながらまた親となっていくという生き様が描かれていました。


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戦争の話や、歴史の話では、ちょっといまだ論争が続いている部分を断定している描写もあって
素直に「歴史の中にはふだん語られることの無い、こんなことがあったんだ〜」と思い切れないところもある。
第二部はとくに、同じ苦しみと問いかけが何度も繰り返されるので、読んでて混乱するというか「進まない」感じがあるかも。
ラストは見事でした。救いがないと途中で読むのをやめちゃうよりは最後まで読んだほうが読者は救われるだろうね。

あと、広告を見て「こういう内容のまんがかな」って思うと多分違います……
少なくとも「しこめの女郎が誕生した」っていうのが内容ってことはないです。
お梅ちゃん(美人の女郎さん)は脇役で、しこめの道子ちゃんが悲惨な目に遭う話なのかと思ったら、もうずっとお梅ちゃんが主役のようにハードモードでキツイ話でした。
なんか広告でも道子ちゃんがぶさいくぶさいく言われて見世物になってるようでかわいそうよ。いい子なのに。

amazonレビューには「男がクズばかり。もっといい男もいるとおもうけど」ってあったけど、場所や環境を考えるとこういう人ばかりでも不思議じゃないし、そもそも女郎が人間として扱われてないんだからこうなってもしょうがないだろうなと思う……
男の中では、茂世さんはいい男ですね。
ラベル:女性 完結
posted by 藤村阿智 at 11:33| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月18日

犯罪と本

最近、神戸連続児童殺傷事件の加害者が手記を出版したとかで、話題になってます。
神戸連続児童殺傷事件 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

私も出るって聞いたときは読みたいと思ったんですけど、
「出るからには被害者遺族の了解を得たものだろう」と信じて疑わなかったんですよ。
毎年、事件がおこった時期になるとその後の話を気にしていて、毎年出される被害者遺族の方のコメントを欠かさず読んでいた。

今年のコメント内容も届いた加害者からの手紙についてだったけど、いままでとちょっと違っていた。

だからこそ、「被害者遺族の方へ送った手紙のような内容で出るのか」と思ったのだけれど
被害者遺族からは怒りの声が上がっていた。
そんな、被害者遺族の感情が傷つけられるような本は、私は手に取る気になれない。
個人的な感情を抜きにすれば、その本が出ることは禁じられたことでもないし、そこも自由であるとは思う。

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加害者が書いた本といえば永山則夫元死刑囚が書いた小説がいくつもありますね。
永山則夫 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%B1%B1%E5%89%87%E5%A4%AB
神戸の事件と同じく少年犯罪、しかしこちらは死刑が確定し、神戸の事件が起きて逮捕された直後に死刑が執行されたという人物です。
Wikipediaにも書いてありますが、逮捕されて獄中で執筆した本ということもあって、印税は遺族への支払いに当てられたようです。

あとはパリ人肉事件の加害者、佐川氏も本をよく出していましたね……
不起訴になって帰国後で、被害者遺族が他国だから問題にならないんですかね。

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私が読んだ本の中からも、犯罪関連のものをいくつか。
けっこう読んでるんですが、手元に置いておかずに処分してしまうことが多いジャンルなので、いまも手元にあるものを……

加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)
加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)

良書です。加害者の家族たちが、事件発覚後にどういう扱いを受けるか。何を思うか。実際どうなったか。
仮名のエピソードから、多くの人が知っている事件の加害者の家族も。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の家族たちが、事件のあとどうなったか。事件の前はどうだったのか。
家族と親しかった記者によるレポートもあります。
神戸の事件の加害者家族も出てきます。そのエピソードで心に残るのは、加害者の親が警察に「被害者の名前をご存知ですか?」と問われて答えられなかったという話。(71P)

普段連絡を取り合ってても疎遠でも、もし家族がいるなら、
自分が犯罪を犯さなくても「加害者家族」になる可能性はある。
そのときどうなるのか。家族は何を思うのか。家族の責任はどこまで? 加害者家族はどう生きればいいのか。
そんなことを考えながら読める本です。

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「連続殺人犯」の心理分析
「連続殺人犯」の心理分析

天才少年、ジェイソン・モス氏による本。
アメリカの犯罪者の中でも、かなり凄惨な殺人事件の加害者であるシリアルキラーたちと、
ジェイソン・モス氏が文通して分析した……という内容。
他に類のない本なので(いまはもう死刑になった加害者とのやり取りがたくさん)保存してある。もう新刊で買えないし。
それぞれの加害者についての紹介と、意外と普通の内容の文通。

最終的にはジョン・ウェイン・ゲーシーと文通の末、面会に行ってしまう。
ちょっとでもアメリカの犯罪について知ってたら名前だけ聞いても震えちゃう感じの恐ろしい人物です……。
で、面会室で二人きりになってしまい、モス氏はゲーシーに首を絞められる。危ういところで流石に助けが入ったけど、もう少しであたらしい犠牲者になってしまうところだった。
ひどい目に遭った。殺人犯との文通はもうやめる。
……というところで本は終わる。

著者のジェイソン・モス氏がなくなったというニュースがあったときは驚いた。
リアルタイムでニュースを見て「えっ!?あのジェイソンくん?」ってなった。
まだ20代だったはず……この本が出版されてから5年後ぐらいですね。

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死刑囚 最後の晩餐
死刑囚 最後の晩餐

これは気軽な読み物です。
うーん、いくらなんでもそんな言い方するのは抵抗があるな……
でも本当に。

アメリカでは死刑の前に食べたいものをリクエストできる制度があるそうで、
死刑囚たちも「これから死刑だけどなんか食べておきたいものある?」って聞かれたら
好きなものを食べたり
別に何でも良かったり
それぞれの個性がここでも見えてくるわけですよ。

本の中身はその死刑囚の紹介と、犯罪の内容の紹介、死刑の方法と。
「トーマス・グラッソ 蒸したムール貝12個、バーガーキングのダブルチーズバーガー、ミートボール、スパゲティ、マンゴー、ホイップクリームを添えたパンプキンパイ、イチゴミルクシェイク」
「ハロルド・マックィーン 2種のこだわりチーズケーキ(丸ごと2個)」
って感じで最後にリクエストして食べたものがカンタンなイラストつきで紹介されています。

上の本でも出てきたゲーシーは、これから死ぬのにカロリーを気にしてダイエットコークを頼んだりって所がまたぞっとして……

巻末には、「犯罪を犯すなら、どの州で実行するか考えたほうがいい。刑務所ミシュラン」みたいな企画もあって、アメリカってすげーなと思いました

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あんまり手元に持って無かったです。
事故のルポルタージュはあまり処分しないのですが、犯罪関連はルポルタージュでも著者と意見が合わないと読んでてつらくなってしまう。出来事だけ淡々と知りたいならネットのほうが私には合ってる。
だから、どこか遠いところの話のような気がしているアメリカの本が二冊もあるのかもしれない。

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アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)
アイシテル~海容~前編 (KCデラックス BE LOVE)

フィクションで漫画です。

突然小さな子どもの命を奪われた一家。
親が目を話した責任を問う声、マスコミだけでなく一般人からもひどい扱いを受ける被害者家族。
そして家族を殺されてしまったという悲しみ、事件の真相を知りたいきもちがつのる。

犯人は捕まったが、意外な人物だった……
犯人側の家族も巻き込まれ、後悔と贖罪の中で初めてお互いを知り合う。

とにかくどちらの家庭もつらい話。
キレイにまとまりすぎているかもしれないけど、それでもつらいのには変わりない。

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重大事件と本とのかかわりが、今後どうなっていくのか見守っていたいです。

posted by 藤村阿智 at 13:00| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

好きな漫画ベスト10【完結】【個人的おすすめ】

Twitterで「#自分の人生においてトップ10に入る漫画をあげてけ」ってハッシュタグが流行って……

普段から、そういうのでリストをぱっと挙げるのが苦手なんですよ。
一番好きな食べ物は? って聞かれても、3番目ぐらいに好きな食べ物を「うーん、○○かな」って答えちゃって、後から「あああ!! ○○よりももっと好きで数日に一回は必ず食う、食いすぎるから我慢してるってぐらいのがあった!」って思い出したり……

しかし自分は漫画好きだとおもってたけど、読んでる人に比べたら全然読んでなくて、このハッシュタグを見てても
「読んだことがある」漫画ってほとんどない……なんなんだ私は、ほんとに漫画好きなのか?

しかも、定義が難しいよね。ついつい「ベスト」って考えたときに、いままでいろんな基準で考えたベストがごちゃ混ぜになってしまう。
・他人にはわかってもらえる気がしないがとにかく自分好みの漫画
・コレを読んで○○したから人生に影響を与えたといえる漫画
・とにかく薦めたい、面白い漫画・すばらしい漫画を読みたいのならこれを読めといいたい漫画
それぞれ違うじゃないですか……でも分けられるものでもないし……

ということで前置きが長くなりましたが(あとがきも長いよ)、
いろんな基準をごちゃ混ぜにした上での超個人的トップ10を。

【順不同】
・1作者/1作品で選びました。そうじゃないと作者が偏ってしまう。
・完結していない作品は選べない。終わらせ方ふくめ、全体を通して読んだときに好きかどうかが重要。
・作者名の後ろに(★)とついている場合は、作家買いしている作者の作品
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【残酷な神が支配する:萩尾望都(★)】
残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)
残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)

イギリス・アメリカを舞台に、悪魔のような義父からゆがんだ愛を押し付けられた少年・ジェルミの犯した罪への断罪と、壊れた心の救済を模索する話。(まるめすぎ?)

いまだ繰り返し読み続けている名作。重いテーマゆえ、オススメしたくても気軽にオススメできない場合が多い。
いずれがっつりと骨太レビューを書きたい、とおもいつつ書ける気がしなくて先延ばし中……


【エスパー魔美:藤子・F・不二雄(★)】
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)
エスパー魔美 1 (藤子・F・不二雄大全集)

ある日超能力に目覚めた中学生の少女、佐倉魔美。超能力を磨きつつ、困っている人は放っておけない性格のために、毎日おせっかいや人助けに奔走する。

毎回ミステリー仕立てであったり、おせっかいな魔美の少女らしい善意や、善意だけでは解決しない出来事、人を助けるということの難しさがわかるところがすごい。あと個人的に藤子F漫画の登場人物の中で一番高畑さんが好きなんだ。
子どものころは蛍光ペンで乳首に色を塗ったりした。あとマロングラッセなる食べ物が食べてみたくてしょうがなかった。
アニメの印象しかない人は特に原作を読んでみてほしいし、青年コミックって言ってもいいぐらいすべての話がしっかりしていて、作画もストーリーもとにかくレベルが高い! ひれ伏すしかない!


【N・Y小町:大和和紀】
N.Y.小町(1) (講談社漫画文庫)
N.Y.小町(1) (講談社漫画文庫)

時は明治。16歳まで男として育てられた小間物問屋の娘・志乃は、あとつぎたる弟がうまれたことで父から「今日限り男を捨て、女として生きよ」と告げられてしまう。しかも婚約者(幼馴染の退屈男)まで用意された……とあっては、家を飛び出すしかない。 途中で出会った開拓使のアメリカ人、ダニエル・アーヴィングと話をしたことで、女性も活躍できる国・アメリカへ行ってみたいという夢を持つ……

とにかく主人公の志乃ちゃんがイイ。どっちかというとイケメン系着物ヒロインで、武道にたけててアクションをこなし男と対等にやりあい、ずる賢く、でも一途なところが最強。舞台は開拓時の北海道、人種差別バリバリのアメリカ、花の東京……って感じでそのあたりの雰囲気が好きな人もうれしいんじゃない?
マスコット的に途中から現れるぶさいくなネコ・ポテ次も大好き。不細工なところがかわいい。
志乃ちゃんは女写真家として活躍するんだけど、その辺も見所。


【この世界の片隅に:こうの史代(★)】
この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)
この世界の片隅に(前編) (アクションコミックス)

昭和19年、広島・呉に嫁いだ女性「すず」は、不器用ながらも日々の暮らしを乗り越えていく。
戦時中ではあるけれど、そこには毎日の食事、毎日の着る服、毎日の仕事、人とのおつき合い・出会い・別れ……どの時代でも人が生きている限り変わらない日常が、めぐってくるのです。

こうの史代さんの漫画はほとんど好きで、中でもトップクラスに好きな「長い道」「夕凪の街・桜の国」という作品もあるのだけど、やっぱり「この世界の片隅に」がちょっと飛びぬけているかな。
戦争。悲惨。非日常。繰り返してはならない。……というような、普段わたしが触れている戦争への語り口を、極力排除したような戦時中の日常漫画で、「あ、戦争してたときも、国民全員が戦って殺しあってたわけじゃなくて、戦争をとなりに置いたまま人々は日常を生きていたのか」という、ある意味当たり前のことを、戦争に本当のイメージが沸かない世代のわたしに気づかせてくれた漫画なのである。
http://honyonda.seesaa.net/article/109324250.html (2008年の上巻の感想)


【男の華園〜A10大学男子新体操部〜:桑田乃梨子(★)】
男の華園―A10大学男子新体操部 (第1巻) (白泉社文庫 (く-3-9))
男の華園―A10大学男子新体操部 (第1巻) (白泉社文庫 (く-3-9))

大学に入学したばかりの青年・ユカリは、小説家になりたいとほのかな夢を抱きつつ、気になる女の子もできて、これから大学生活を楽しむんだ〜!と思っていたのに、たまたまユカリの運動神経を見出した「男子新体操部」というマイナーな競技の部活に引きずり込まれてしまったのだ……先輩5人、新入生1人という状況で先輩たちに振り回されっぱなしのユカリ。小説は書けるのか。バイトはこなせるのか。好きなあの子とは接点が増えるのか?

私の好きな、ダラダラ部活動いりびたり系コメディ!!
桑田乃梨子先生のまんがは全部大好きだけど、一番私の心をつかんではなさないのは「男の華園」!タイトルはもともと「A10大学男子新体操部」にする予定だったけど、編集サイドから「男の華園」の提案があったそうで。
桑田作品には、多くの「学校=楽園」というテーマが下敷きにある漫画があるのだけど、この「男の華園」は読者(桑田ファン)にも作者にも、それが強く感じられた最初の作品じゃないかな。
消えてしまってからも愛おしく感じる、まさに「日常」だったことが懐かしく胸を締め付けるような……あの時ずっと一緒にいた人たちは消えたわけではない、でも関係性は変化して、日常は緩やかに変わってしまった。今も過去からの続きとして、楽しくやっているけれど、思い出すとあのころは「楽園」だったと気づくような経験がある人はより心に残るんじゃないか。


【ルナティック雑技団:岡田あーみん】
ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))
ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))

両親の海外赴任のため、ひとり日本に残ることになった中学生・夢実。 生活の面倒を見てくれる「お父さんの部下の家」はなんと、学校一のカリスマハンサムボーイ(?)天湖森夜の家だった! 天湖くんに憧れる(男女問わない)生徒たちからの嫉妬、夢実に想いを寄せる学園のアイドルだけでも大変なのに、天湖家の母親もキョーレツな個性。夢実は森夜と友達になれるのか?そもそも生きて無事に帰れるのか?(笑)

伝説級の「りぼん」掲載少女向けギャグマンガ。
岡田あーみんと駆け抜けた青春。
不条理なギャグが多いような気持ちでいたけど、ちゃんと読むと王道ギャグだし、いろんな文化に触れるとさらに楽しめるパロディも多いし、恋愛を軸にして少女マンガとしてもがっつり読めるし、森夜がとにかく魅力的。2015年7月には新装版が発行されるとのことで楽しみ!


【イタズラなkiss:多田かおる(★)】
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)
イタズラなKiss (1) (集英社文庫―コミック版)

主人公・琴子は学校一のハンサム入江直樹に告白すべくラブレターを渡そうとするが、受け取ってももらえず玉砕。その傷もいえないのに、今度は新築の自宅が欠陥住宅のため地震で全壊してしまう。緊急で同居させてもらうことになった、父の友達の家とは……なんと入江家だった!!

あれ、「ルナティック〜」と似たあらすじ紹介になっちゃったよ。
私「同居モノ」すきなんですよね……「イタkiss」は比較的最近の少女マンガの中で一番好き。やっぱり、ガッツリ「両家の家族」が絡んでくるところがいい。家族がちっとも見えないマンガは(特に長期連載の作品では)好きじゃない。入江家もいいし、琴子のお父ちゃんも親戚もみんないいよね。
このトップ10リストの中では、唯一未完の作品。あと少しで終わるところだったろうに、多田先生が事故でお亡くなりになってしまったから。でもムリにほかの人の手で終わらせたりしないで、このままにしておいてほしいというきもちが強い。
1〜6巻の感想かいてます。
http://honyonda.seesaa.net/article/388814804.html


【まんが道:藤子不二雄A(★)】
まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)
まんが道 (1) (中公文庫―コミック版)

少年・満賀道雄は引っ込み思案で内気だけど、絵を描くのが得意な少年。授業の合間にも絵を描いていたら、同じクラスの才野茂が声をかけてきた。才野も絵を描くのが好きで、将来は漫画家になりたい!と夢を熱く語る。漫画家の夢は持っていなかった満賀も、少しずつ漫画への情熱を持ち始めて……

有名な作品。「藤子不二雄」と名乗る二人組みの漫画家の、幼少期から青年期までの体験を基にしたノンフィクション風漫画。エッセイや自伝ではないところがポイント。あくまで実際にあったエピソードや出合った人物をモデルに再構築した漫画ということ。しかし読むたびアツくなる。とくに、満賀はいつも才野に劣等感を感じているところがリアル。二人の天才がいた……という話になってしまわず、満賀は「なにも漫画家をめざさなくとも」やっていけそうな人間関係とキャリアを築き始めるところなんか、本当にドキドキする。
具体的な漫画の技術・見せ方の話も充実してるし、自分でも出来そうな漫画の工夫・生活の工夫・食べてみたい食べ物が続々出てくるので、多方面から楽しめるところも「何度も読んじゃう」理由かも……


【動物のお医者さん:佐々木倫子】
動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)
動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)

H大学の理系を受験しよう。と思ってたぐらいで将来のことを考えるまでにはいたってなかった高校生のハムテルと二階堂。学校からの帰り道、近道をしようと通り抜けた大学の敷地内で「追われている子犬」を助け、教授には「キミは将来獣医になる」「このカシオミニを賭けてもいい」と断言されてしまう。
犬を飼うつもりも獣医になるつもりもなかったのに、流されるように犬を飼い獣医への道を進むハムテル……変態教授をはじめ、個性豊かすぎる人々(&動物)との戦いがはじまるのであった!

好き。何度も読んでるしどこからでも読めるしなぜか細部まで記憶している。
油断してると頭の中に「フースフフースフス」とか浮かんでくるけど、いまだに何のことだかわからん。
(試験前に学生たちがつぶやいている。語呂合わせのようなものらしい)
個性豊かなキャラクターがいい……とかいったって、それぞれ超能力があるわけでもないし、ぶっ飛んでる変人なわけでもない。少しずつ「ほかの人とは違う、この人だけの」何かがあるという微妙なラインなんだけど、文庫の8巻を読み終える頃には「あの人ならこう言いそう」「これ好きそう」と、実際に身の回りにいる人のように親しんでしまう。今日もハムテル、二階堂、菱沼さんとチョビは大学にたむろしてるのかな〜とか想像する。
あと、私のリアル動物嫌いが緩和された気がする。テレビ、本、写真で見るのは好きなんだけど、実際に触ったり近寄ったりするのは苦手なんだ……でも「動物のお医者さん」読んだらちょっと平気になってきた。不思議。


【風の谷のナウシカ:宮崎駿】
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)

人を寄せ付けない毒の森・腐海のほとりに生きる風の谷の人々。やがて毒に犯され死んでいく運命を背負って、それでも長い年月を森と共存してきた。しかし大国たちは小国も巻き込んで、領土を求めて戦争を始める。望む・望まないにかかわらず戦いの渦に飛び込んでいく人々。ナウシカも小国の長の娘として戦いに赴くが、腐海が存在する意味に少しずつ気づいていく。

漫画版を説明しようとすると、よく知られた映画版と違う話みたいになってしまう。
中学生ぐらいのときに初めて読んで、まだ全巻出てなかったし、戦争部分は難しすぎてよくわからないまま読んでいたと思うけど、当時から好きだったなあ。大人になってから読むと、戦争部分もそんなに難しいことは無かった。これも重いテーマで、善も悪もすべての人間が併せ持っていて、すっきり解決なんてことは出来ないことを知らされながらも、やっぱり日々は続いていって、生も続いていくということを実感する。


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以上です。
やっぱり10本選ぶのは難しい。ハンパに多い。
3本とか5本なら、ズバッと選べそうなんだけど、10本選ぼうとすると「同順位ぐらいに好きな漫画が他にも……」ってのが出てきちゃうんですよ。
「これをあげてコレを入れないなんて……」とか。

今回あげたものより、読み返した回数では勝ってる漫画もあるんですよ。
でも読み返した回数ではなく……冷静に、かつ熱く、考えた結果のTOP10というか……
1位から10位に並べろって言われると余計に困っちゃうのでやめておきます。
(ランキングではありません)
それぞれ全然別物だから、基準が無いようなものなので順位がつきません。

また、好きすぎてほとんどレビュー書いたことのない作品ばかりになってしまいました。
とてもじゃないけど、感想としてこの「好きなきもち」をまとめることが出来るとは思えない。
上記の紹介文は「これが好きだ!……アッ、こっちも、好きだ!」って感じでうきうきしながらしゃべってるとおもって読んでください。

「ハマって、同人活動をしたことがある漫画」もいくつか存在はするのですが、上記のTOP10には入りませんでした。
次点にもほとんど入ってないな……不思議。同人活動をするかどうかってのが、必ずしも「一番好きな漫画」ではないということでしょうかね。好きには違いないけど。あと、リアルタイムで読んでてはまって、人気作品のために引き伸ばされて、最後までついていけなかったり、終わりのほうはいまいち好きになれなかったという理由もあるかもしれません。


ラベル:オススメ 完結
posted by 藤村阿智 at 16:02| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする