2015年03月09日

聖☆おにいさん11巻(中村光)

聖☆おにいさん(11) (モーニング KC)
聖☆おにいさん(11) (モーニング KC)

11巻。

10巻の発売から1年近く間があいてたのですが、たまたま最近読み返したばかりだったんですよ。
発売は読み返した直後ぐらいに知って「ちょうどよかった」って感じで。

まとめて読むほうが楽しいと思います。
前回だったかもっと前の巻だったか、久しぶりに新刊で読んだら、
細かいキャラクターを忘れちゃってて? キャラクターたちが内輪だけで楽しんでるように感じちゃって、
読者としてさびしい気持ちになったから……

続けて読むとキャラクターが把握できてて楽しいです。
久しぶりに読むときはざっと読み返したほうがよさそう。

スタバやきのこの山やらイングレスやら、最近の流行や実際にあるものをどんどん取り入れてきますね……
本来ならそういう俗っぽいものにかかわりのないハズの聖人たちが流行モノに振り回されてる感じがたのしいところでもあるんですが、イングレスやってないからいまいち乗れなかったかな?

不思議だな〜と思うのは、「それ知らないんですけど……」っていうネタでも、面白い漫画と面白くない漫画の違いはなんだろうって事。
「なんかよくわかんないけどマニアックなこと言ってるんでしょww」って笑えるギャグの漫画もあるけど、
「えーっとごめんよくわかんないや?」ってしらけてしまうギャグもあると思う……
聖☆おにいさんは結構、後者の「ごめんよくわかんない」になっちゃうことが多いかも。

個人的に前者の「なんかよくわかんないけど笑えるww」は久米田康治先生の漫画のギャグで多くて、すごいな〜って思う。藤子・F・不二雄先生の漫画でも「わからないけど笑える」に支えられて、子どもでも楽しめて大人になってから「あれか」って二度楽しめたんだよなあ。

イングレスも、周りにやってる人が多いからわかる部分もあるんだけど、
やってる人たちをはたから見てて「輪に入れない……」ってのと同じ疎外感が……
ブッダという、同じくやってない人もその場にいるのに、うまく読者である私とつながらないというか。


11巻で好きなのは自撮りの話と、即身仏の話です!
posted by 藤村阿智 at 18:23| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月20日

3月のライオン10巻(羽海野チカ)

3月のライオン 10 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 10 (ジェッツコミックス)

ようやく購入できて、読みました。
いいですね〜10巻。
9巻から間が開いちゃって、読み返さないと前の巻がどういう風に終わったか忘れちゃったな……と思うのですが
10巻もあるとなかなか読み返すのにも時間がかかりそうで、とりあえず10巻だけ読んでみました。
そうだそうだ、ひなちゃんがいじめられたりしてつらい展開があったんだわ。

ひなちゃんもめでたく高校入学。零くんと同じ高校に無事入学できたようでよかった。
学校にいるひなちゃんを眺める零くんはなんだかいい感じですね。学校に新しい、そしてすばらしい楽しみができたわけじゃないですか〜。

零くんが昔すんでた家へ訪問するハナシも、後半のあかりさんひなちゃんモモちゃんの父親が訪ねてくるハナシもきついですね。
羽海野センセの物語はこういうのがあるから……いや好きですけどね
そこ一部分だけ見たら救いがない。でも、自分がかかわるものはそれだけじゃない、手に入れてるものもなくしてるものもひとつだけじゃない。そういう支えが描かれてるからいいよね。

三姉妹の父親のはなしは、「ひどい父親だけどやっぱり父親だから……」って展開になるのかなと心配したけど、間違いなく予想通りに根っから嫌えそうなタイプで逆に安心した。
「この展開だと零くん、父親はああ言ってくるだろうけどどうするのかな?」って思いながら読んでたらやっぱり父親から突込みが入って、んで言い切ったね! かっこいい。
将棋の面でも零くんは超人だから、空気なんか読まずに戦局だけを読んでいるよ。もう着々と、それこそ1巻からこの盤にコマを並べ続けていたんだし、父親なんか身一つで飛び込んできた王将のようなもので弱いもんですよ……

「三月のライオン」に出てくる大人は一人ひとりが偏っててなかなかいいオトナがいないわけだけど、
そんな中では先生が好きかな。
「風と木の詩」でもパスカルが好きな私が好きそうなキャラでしょ(笑)
「残酷な神が支配する」だとリンドン。
「ハチミツとクローバー」の花本先生も近いんだけど、あの人は自分も渦の中にいて、冷静と距離を自分で意識して作ってる人だからちょっと違うよな。

続きが気になる終わり方だったので11巻が出るのも楽しみです。
posted by 藤村阿智 at 12:07| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

プロチチ(逢坂みえこ)

プロチチ(1) (イブニングKC)
プロチチ(1) (イブニングKC)

1巻をようやく読みました。
逢坂みえこさんといえば、「永遠の野原」文庫版の感想をこのブログに書いたのももう9年前ですか。

永遠の野原(逢坂みえこ): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/22533510.html

「プロチチ」はそのタイトルのとおり、育児するお父さん……つまりプロのお父さん!
この主人公がプロのお父さんというわけではなくて、お父さんというのは皆プロのお父さんだということなのですよ。そしてそうなりたいと思うお父さんの物語。

主人公、徳田直には妻・花歩との間に息子がいる。花歩は育休を終え、仕事へ復帰する。
直は息子を育てる。家事を中心にやる専業主夫になる。……会社をやめていまは無職だから。

これは育児に奮闘するパパの話なんだけど、パパ自体に少し変わったところがある。
こまかいところへのこだわり、コミュニケーションのとりづらさ、婉曲表現の不理解、
……これは発達障害のようである、と自分で気づく。

気づいてからはその特徴を把握して、花歩も「ちょっとズレてるダンナ」から意識をちょっと変えて、
伝わる接し方や行動の理解につなげていく。
発達障害・自閉傾向ならではのこだわりが、育児の細かい内容を紹介するのにも役立っているし、
どの辺りがやりすぎになってしまうのかなども少しずつ考えているところなど物語としての懐が深いなと。
一番懐が深いのは妻の花歩ちゃんですけどね。いい妻だ。細かくなりすぎる夫の軌道修正もできるバランスのいい妻だよ〜。

逢坂さんの絵はすっきりしていて、背景なども必要最小限でみせてくるんだけど、
精神状態や心理描写などの具体化は本当にすごいなと。

話が進んでいくと赤ちゃんも大きく成長してきます。2巻以降も楽しみ。読んだら感想を追記していく予定です。
ラベル:育児
posted by 藤村阿智 at 11:46| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月14日

僕だけがいない街1巻(三部けい)

僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)
僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)

あちこちで「気になる」「面白い」漫画として紹介されてたので、ずっと欲しい本リストに入れていたのですが
先日ようやく購入しました。

WEBで表紙を見てて、「たぶん『おしん』みたいな話なんだろう。何かを背負った苦労してそうな赤いはんてんを着た女の子が雪の中に立っているし。私の好きなタイプの話じゃなさそうだな」っておもってたんですが……

ぜんぜんちがいますね……思い込みって怖い〜(ひとごと)


しかしまだ1巻なので、面白さの判別はできない。私は慎重派なのだ。
1巻を読んだ時点で「2巻以降が気になる!」のは間違いない。
最初に引き込まれることもなかったし、ちょっと読みにくくてわかりづらいんだけど、
1巻の後半からぐっと展開して、2巻へ続くあたりで大きな動きがある。そしてまだいろいろがわからない。
でも、2巻から読んでいけば謎はどんどん解けそうな予感がして、「続きが気になる!」と思うんだろう。


主人公は、デビューしたものの売れてない漫画家・藤沼悟28歳。
バイトしながら「うまくいかない」現実にいろいろなことをあきらめかけているけど、
ひとつだけ人と違う能力がある――不幸を察知すると時間が逆戻りする。誰かが「お前が防げ」と言っているかのように。それが「再上映(リバイバル)」だ!
藤沼の心をつかめなくしているものは過去の出来事なのか、今までの自分なのか、今起こった出来事なのか。それを知ることはできるのか。

……とここまで知らなかったら買わなかったかもしれない。実際は知らずに買ったけど、それは信頼できる漫画好きの人たちが「面白い」って言ってたから。

取り急ぎ次の巻以降も注文したので届いたら読んで感想書きます。
posted by 藤村阿智 at 12:46| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月10日

とめはねっ!13巻(河合克敏)

とめはねっ!鈴里高校書道部 13 (ヤングサンデーコミックス)
とめはねっ!鈴里高校書道部 13 (ヤングサンデーコミックス)

13巻。
久しぶりの新刊のような気がする。
12巻までの展開をわすれかけてて、どこからだっけ?と思ったけど読むうちに思い出してくる。

恋も書も盛り上がってくる。
縁の気持ちを周りも知ってきて、(というかやっぱり気づいている)
ひとつの恋は終わったり、伝えることで動かしたり。
ごまかしている場合じゃないぐらいライバルも攻撃的。

気づかないのはヒロイン望月さんばかり。
もう時間は残されていない。恋も書も気持ちをこめていかなくてはいけない。

……ネタバレしたくないなあ〜と思ったらふんわりした内容しか書けないよ。


縁は書に気持ちをこめるためと、ライバルへの気持ちの整理のために
「尊敬する先生が、かなわないと思った人の書」を観ようと考える。
しかしその書のショックは大きいものだった……
ここで提示される書は本当にすごい。観てしまったからには忘れられないだろう。
その衝撃を縁はどう受け止めて、自分なりの表現を見つけるんだろう?

これまで12巻かけて、書とはなにか、文字を書いて表現するとはどういうことなのかをじっくりかき続けてきた「とめはねっ!」。まさにクライマックスにふさわしい、すごい書が出てきた。ここまで読んだ読者なら、書道をやっていなくてもこの書が伝えようとするもの、どうして伝わってくるのかを少しは理解できるようになっていると思う。改めてこのまんがはすごい。そして実際にこの書を見てみたい。

絵画でこういうまんががないかな……いろんなジャンルの名画が伝えてくるものは一体なんなのかを知りたいんだけど、なかなか言葉にできないから。


いや〜すごくいいまんがで、ずっと読み続けて行きたいんだけど、次巻14巻が最終巻らしい。
とうとう終わってしまう。
絵、テーマ、ストーリー、すべての面ですごく良い漫画作品だと思う。
最終巻も楽しみです。
posted by 藤村阿智 at 18:38| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月05日

おひとりさま出産(七尾ゆず)

おひとりさま出産 (集英社クリエイティブコミックス)
おひとりさま出産 (集英社クリエイティブコミックス)

年収200万以下で独身でアラフォーの女性が、子供が欲しい一念で
結婚せずに妊活・妊娠するというエッセイマンガ。

漫画家の収入で食べていけないということで、バイトを何本も掛け持ちしてるし、貯金はないし、
あからさまにダメンズなパートナーとは結婚もできず、でも年齢は出産のタイムリミットに近づいていき……
と、本当に思い切る必要のある条件下での妊娠はすごいとおもう。

賛否両論いろいろ出てるみたいだけど、私は作者の七尾さんを考えナシとか楽観的すぎるとか言うことはできない。
同世代として、本当に気持ちはわかるし、決めてがんばろうとしている人は応援したい。
私が同じ立場だったらうじうじしそうだな……っていうか今でもうじうじしてる部分もあるし。
子どもが欲しいと思ったときに求められる条件が、今は厳しすぎるよ。
こういう風に「子どもが産みたい」と思う女性が、子どもを産んで、さらに育てられるような環境になって欲しいと思う。
七尾さんの立場と条件の女性から生まれた子どもでも、「なんとかなる」世界が一番いいと思うんだけど。

漫画としては、絵もコマも読みやすいし、明るいタッチでまじめな話も客観的に描かれてて楽しめる。
しかしダーリンはひどすぎる。でも私の場合血縁に似た感じの男がいるものであまりきつく言えない……
お母様も厳しいなあ。心配なら「なんとかなる」で支えて欲しいと思うんだけど。血縁だからといって支える必要はないとおもうので、気に入らないなら放っておいてほしいと思ってしまう私。

どういったことにどれぐらいのお金がかかるとか、どういう条件の人ならどんな支援が使えるのかなども多少は書いてあるけど、流石におひとりさま出産ガイドとして使えるほどの情報ではないのが惜しいかなあ。でもエッセイ漫画だから「あくまで作者の場合」として、必要な人は自分で調べてみるほうがいいですね。「なにか使える制度があるかも」と読者が問い合わせてみるきっかけになればいいね。
ちゃんと編集者が一緒に調査・取材するような、出産準備レポートになっていれば一番よかったのだけど。だから単純に「エッセイ」として読む、ということを忘れないようにしたほうがいい。

一番残念だったのは、やっぱり出産していないところ(で終わってること)かな……
ほかの人のレビューにもあったとおり、無事出産されたのか、その後どうなってるのかが気になります。
お金のために体力の限界ちかくまでがんばってるみたいな印象を受けるし……気になりすぎる。
2巻または「おひとりさま育児」などの続編を希望。

この単行本に重版がかかって、少しでも育児の足しになればいいなあと思うのです。

posted by 藤村阿智 at 00:06| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月26日

げんしけん17巻二代目の八(木尾士目)

読んだ!! 感想を書こう。


げんしけん 二代目の八(17) (アフタヌーンKC)
げんしけん 二代目の八(17) (アフタヌーンKC)


【以下多少ネタバレあり!】

17巻まで来てまだまだ面白い。すごいことだ。
二代目が始まったころは「これが『2』か……いったん終わった作品が続いたっていいこと無いよなあ、もとのげんしけんメンバー好きだったのにほとんど居なくなっちゃったし」って思ってたのに、ココ最近の「斑目モテキ」で完全に燃え上がってますな。

もともと私がオタクということもあって、オタク語りやあるある、ナイナイ、そのへんを楽しんでいたのに、すでに自分もげんしけんの一員かのように登場人物を見守ってしまう。

いまはとにかく斑目だね。斑目がもともと好きなので、ここ数巻の盛り上がりは「オオオッ!」といった感じ。周りの「ちょっと斑目に気があるんじゃね?」って娘がこぞって斑目の周りを固め始める。
全員が少しずつ、自分の気持ちを自覚して前にジリジリ進んでくる。斑目も斑目で、それぞれを正面から……斜めから……みつめ始めたかな?と。

17巻はページをめくるたび、各方面の胸キュン(?)が展開してどきどきしっぱなしでした。
斑目周辺だけでなく、矢島っちのきもちとか。
いまのところ掻き回し要員のスーも、これから盛り上がりが有りそうだし(いままでの展開の感じを見ると、スーをそのままほっぽいたりしないだろう)楽しみ。

いやぁ……それにしてもラストの笹妹ターンは燃えたね。私が誘われてる気分でどきどきしながら読んでしまった。結局斑目がキレイなまんま(笑)で、ほっとしたような、残念なような……
笹妹、二人っきりになったときからちゃんと「斑目」って呼んでるんだね。オマケ四コマの内容も含め、まだまだひと悶着ありそう。

これからの展開も楽しみすぎるシリーズであります。

追記
書くの忘れてた。ぷくーって膨れる斑目マジ総受
posted by 藤村阿智 at 00:58| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

こいつら100%伝説(岡田あーみん)

ちょくちょく読み返してるけど、また読み返したので感想をメモしておく。

子どもの頃りぼん読者だった30代〜40代あたりを中心に、伝説になってるのが岡田あーみんという漫画家。
少女マンガ雑誌「りぼん」に載っていたギャグマンガがその作品だけど、
他にない強烈な印象と想い出を残している漫画だっていう人も多いんじゃないでしょうか。

私も数々のギャグマンガを、新旧問わず読んでいると思うけど、
ギャグマンガは奥が深いな……
笑える漫画、という共通点があるのに、作品はそれぞれ独立したジャンルに思えるものが多い。
岡田あーみんもすでに岡田あーみんというジャンルと言える。と思う。

こいつら100%伝説 (1) (りぼんマスコットコミックス (530))
こいつら100%伝説 (1) (りぼんマスコットコミックス (530))

「こいつら100%伝説」は、時は戦国時代、とあるお城のお姫様はその身分から命を狙われがち。
そこで忍者の少年たちと、その師匠がすむ屋敷に姫をかくまうことになった……というお話なんですが、
基本的に時代考証なんかどうでもいい、時代劇のアイテムやギャップすらギャグのネタに
してしまうという貪欲さ。途中からそういう設定なのもわすれがちだし。

とにかくギャグの密度が高い。くだらないものからハイセンスなものまで、ガンガン出してくる。
惜しみない。
テンポがいい。

岡田あーみん氏は「普通」をちゃんとわかっていて、そこからちょっとずれることで生まれるおかしさを、
きちんと漫画にして見せてくれるギャグマンガ家だと私は思っている。

ゴルゴに似た感じの「未来から来たサイボーグ・ターミネーター」が暴れた上にレギュラーキャラになるとか、
麻は燃やすとやばいガスがでて悪い作用があるから読者は真似しちゃいけないということをちゃんと伝えるこの漫画はえらい!
とか、90年代だから出来た少女マンガらしくないネタも盛りだくさんだと思う。

作者のあーみん自身が忍者たちと一緒に活躍する回なんかはメタ発言通り越しすぎてて笑うしかないもんね。
集英社の兵士たちが侵入を防止しようと「ジャンプ」して飛んでくるんだけど
「ビジネスジャーンプ うわー失敗した」ってくだりは大丈夫なのか心配になってきますが……って
ギャグマンガをテキストで説明することほどばからしいものはない。それぞれ読んでくれ。

私がリアルタイムで読んでた頃一番笑ったのは、お姫はんが極丸に「スキです極丸さん」って告白したって回かな。読んだことのあるひとなら「あれかww」ってなると思うけど。

とくにまとまりもなく感想終了。
この漫画のすごさは、25年ちかくたった今でも、通常コミックスが在庫ありで手にはいるところですよ。
(それだけ重版されてるってこと)
文庫化、愛蔵版化のスキなし!

こいつら100%伝説 (2) (りぼんマスコットコミックス (577))
こいつら100%伝説 (2) (りぼんマスコットコミックス (577))

こいつら100%伝説 (3) (りぼんマスコットコミックス (642))
こいつら100%伝説 (3) (りぼんマスコットコミックス (642))
posted by 藤村阿智 at 15:11| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月12日

進撃の巨人15巻(諌山創)

【ネタバレいやな人は見ないでね、たいしたネタバレもしないけど】

進撃の巨人(15) (講談社コミックス)
進撃の巨人(15) (講談社コミックス)

進撃の巨人15巻購入。気軽に感想書いちゃうよ。

13巻、14巻あたりの感想はいまいちな感じになってたけど、

進撃の巨人13巻(諫山創): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/394786096.html
進撃の巨人14巻(諌山創): ホンヨンダ 漫画の感想ブログ
http://honyonda.seesaa.net/article/403664618.html

15巻はなかなか面白かった。
アクションは控えめだけど、ちょっと「ちりばめられた謎」の回収があって、
読者に見えてこなかった作戦も進んできたし、大きな動きがあったね。

巻のラストも、次巻であのなぞがとうとう明らかになるのか!?って感じの
引きで、実に楽しみ。数巻ぶりにテンポのいい展開でした。

ハンジさん好きには、カッコイイ登場のハンジさんが見られてうれしい。
相変わらず暴力ばかりで気持ちを伝えようとするリヴァイ兵長ですが、
ハンジさんという通訳が居なくてもなんとかやっていけてる感じ。
部下の皆さんとだいぶ信頼関係が築けたようでよかったです。

とりあえず16巻も楽しみ。
posted by 藤村阿智 at 12:15| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月11日

アオハライド1巻(咲坂伊緒)


アオハライド 1 (マーガレットコミックス)
アオハライド 1 (マーガレットコミックス)

珍しく最近の少女マンガを読んだ。
最近の少女マンガ、というか女性向け(BLにアラズ)は「ちはやふる」ぐらいしか読んでないなあ。

1巻はまだ本当に序章といった感じ。
ちょっと気になる男の子、恋ときづいた頃には遠くへ行ってしまったけど、
しばらくして再会。でも全然違う人みたいになっちゃってて……、という始まり。

1巻だけの感想なので、この先ラブが展開していくのかもしれないけど、
1巻での注目は主人公の双葉ちゃんと、他の女の子たちとのかかわり。
私みたいに「女子とは気が合わなくていつのまにか一匹狼タイプだったな」みたいな学生時代だった人は共感するんじゃないでしょうか!
私は高校時代は結構女子の友達も多くなって、いつも一緒にいたり遊びに行ったりする子も何人も居ましたけどね。そうなるまではこういうのがあるよね。
人に嫌われたくないって理由で、人を嫌ったり、Aに嫌われたくないからBとは仲良く出来ないみたいな気持ちは、アホらしいんだけどしょうがないこと。子どものころはAに嫌われないだけで精一杯だもんね……

その辺の「友達ってなんだろ」みたいなところをまじめに描いてるところがいいなあと。
posted by 藤村阿智 at 14:14| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月10日

アオイホノオ(島本和彦)

先日ドラマ化して、最初の予想とちがって面白く最後までみちゃったアオイホノオ
昔から「燃えよペン」「吼えろペン」と読んだので、アオイホノオもそういう感じかなと思って読んでいなかったのですが……
「島本先生の漫画は漫画らしい漫画なんだからドラマにしたらつまんなくなっちゃうだろ」って思って観てたらドラマががんばった作りで面白かったので、原作にも興味がわきました。
でもドラマとか映画とかで話題になってるときに買うのイヤなんですよね、ひねくれてるので。
そんな時Twitterでドラマ化したのに原作が売れてない!と先生がつぶやいてるのを見かけて、「あ、じゃあ、買おう」と思ったわけです(ひどい……)

アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)
アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

エッセイ風ギャグコメディなので、どこまでがほんとにあった話でどこがフィクションなのかがわからないんですが、今までの焔燃ものもそんな感じなので、まあ本当にいる人もチラチラ出てくる、当時の雰囲気を描き出した漫画だと思うと一番楽しめそうです。
島本先生のおおげさな展開とか表現好きです。

1巻は、大学に入学した焔くんが、どういう状況に置かれてるのかの舞台が紹介され、同級生たちと出会い、どんな漫画や人にふれてどう感じたかが中心(ひどい説明になってしまった……)

私は世代がひとまわり以上も下なので、具体的に80年代の記憶があるわけではないのですが、90年代に80年代の古雑誌を読み漁ったり、サンデーが好きでサンデーの漫画を中心に読んでいたり、もともと藤子不二雄が好きでトキワ荘周辺の話に詳しかったりするので、わかる分だけほかの人より読んでて楽しいんだと思う。
さらに、やっぱりどうしても実感できない「リアルタイムの感覚」が伝わってきてすごい。
あだち充は、私が知ったときにはすでに超人気作家で(ちょうど七色とうがらしのころサンデーを読んでた)、焔くんみたいに「俺だけは認めてやろう」みたいに思う時期はなかったわけだからね。
焔くんのその言動も、オタクならだれでも通る「本当はもう人気があって認められているのに、自分だけがこの魅力に気づいているかわいそうな漫画だと思ってひそかに応援する」という状況で、自分を省みてもこっぱずかしくなって来る……ところがいい……

【以下、続巻を読んだら更新するかも】
posted by 藤村阿智 at 10:16| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月06日

散歩もの(原作・久住昌之、作画・谷口ジロー)

文房具で検索していたら出てきた本。

孤独のグルメ」で人気の久住昌之さん原作、おなじく谷口ジローさん作画の黄金コンビの作品。(と裏表紙にも描いてある)

散歩もの (扶桑社文庫)
散歩もの (扶桑社文庫)

裏表紙のあらすじにもはっきり
文具メーカー勤務のサラリーマン・上野原が、勤務中や休日に歩いた都内の風景の数々。
と書いてあるのだけど、これまた文房具に一切関係ない漫画(笑)

上野原さんは文具メーカーに勤務していて、「うちあたり小さいから いつも崖っぷち」って感じなのに商品開発会議のため品川に外出したり、日曜も市場調査をしたり、実務は若い者に任せたりしている。
やっぱり会社の規模がいまいちわからない。
とりあえず文具の話はちっともでてこない。


ま、この漫画の面白いところに文具メーカー勤務はほとんど関係ないからね。
とにかく仕事もそれなりにやってる中年男の、地味な趣味が散歩で、読者は上野原さんと一緒に都内を散歩しましょうということです。

散歩に向いてると有名な場所が出てくるわけでもない。本当に日常にふらっと立ち寄るような、生活感のある路地や商店街を歩く上野原さん。
散歩しようかな、という気持ちにもきっかけがあって、その気持ちのまま雑貨を見つけたりおいしい店に入ったり、路地を歩いたり、絵本や祭りに出会ったりすることで、想いも発展していく。

短い話が8話。二度目以降、最終回を読むと泣くようになってしまった。

文庫でも漫画は80ページもないのですぐに読めてしまう。何度か読んでも、書き込みの中に新しいものを見つけられて楽しいから繰り返し読むのをオススメ。
巻末には、漫画にならなかった取材を取り上げて「こういうふうに取材している」と原作の久住さんが案内するコーナーも。しかも個人的によく知ってる中野だったのでうれしい。

久住さんが一話ずつ、漫画につけた解説も収録。
作画についても細かく言及されていて、なかなか原作者が作画をどう思ってるかって話は聞けないので貴重。
でも作画が谷口ジローさんだから、そりゃもうすごいにきまってるよね。



文庫版の「散歩もの」、ぱっとどのページでも開けばびっくりすると思う。
なんか普通の漫画と違う画面の雰囲気。
細かく書かれた絵柄もあるんだけど、ベタがほとんどないのにメリハリもある作画にびっくりするんです。
これは作品解説でも久住さんが語っていて、薄墨やグラデーションが文庫サイズで出るか心配したというエピソードが。
そうなんですよ、漫画の印刷って結構難しくて、何でも描いたものは印刷に原稿のまま出るわけではなく、キレイに印刷してもらおうと思ったら原稿の制作にも高い技術が必要になるんです。
薄いところをはっきりさせようとすると、線が太くなってしまったり、細かいところがつぶれたり。
線を細くしようとすると、薄いところや細い線がかすれて飛んでしまったり。
特に縮小率の高い文庫化では、繊細な画風の漫画だと台無しになったりするのです……

印刷所の方が原稿の再現をがんばってくれた。そのおかげですごくキレイな文庫版ができたと、あとがきで久住さんは印刷所の技術を称えました。

amazonレビューによると、電子書籍版はそのがんばりが台無しになってしまっているようです。
たしかに紙からスキャンするのも技術がいるからな〜、せめて原稿を版下にするときのようなスキャンデータを利用できれば良いんだろうけど。
ラベル:文房具漫画
posted by 藤村阿智 at 12:30| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月26日

愛しき駄文具(きだてたく)

文具仮面ブログの記事を再掲載です

買った! 読んだ!

愛しき駄文具
愛しき駄文具

発売日に発注して翌日とどく。ネット書店ありがとう。
いえ普通の街の書店も駅前の大型書店もありがとう。

届いたら想像していたより小さめの本だった。
勝手にB6サイズ以上を想像していたけど新書版だった。

中身はまさに、愛しい駄文具たちの図鑑そのもの。
きだてさんがこれまでのイベントや雑誌などで紹介し続けてきた
コレクションの中からよりすぐりの愛しい文具たちがてんこもり。
写真が大きめなのも、実際のスケールを感じながら見られていいですね。

いままでちゃんと言ってこなかったけど、きだてさんの文章が好きなんです。
私は色物文具専門サイトイロブンの結構昔からの読者で、まだお会いするよりずっと前から読んでいたんですが、
ちょうどそのころ私が文具店で働いていたこともあり、
信頼文具舗さんとイロブンさんの文章を読んで文房具を研究し、
「この人たちの文章を読んでいると、いままで知らなかった、まだ手にとってもいない文房具がとってもステキでほしいもののように思えてくる。すごい。こんな紹介を私もできたらいいな!」
とずっとあこがれていたのです(*^-^*)
ほんとに、「なにそれ!」と思いつつも商品の魅力が伝わってくるのを感じるんですよ。


個人的には、こういう写真と文字で楽しめるような本は、寝る前の読書に最適なので
枕元に置いて眠れない夜に再読しようと思います。
どこから開いても楽しめそうだし、途中で眠ってもいい文具の夢見られそうだもん。

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コレクターのお二人との対談記事も面白い。
消しゴム収集家のケシマニさんがおっしゃる、「消せる素材じゃないと興味が持てない、コレクションなのに使いたい(消したい)衝動がある」って話は、すごくわかります。えーと、つまり「収集したくなる消しゴムは消しゴムとして機能するもの」ということだと思うんですが、同じような気持ちになったことがあります。

私も変な電卓を集めているわけですが、これはちょっと違うんです。

★使える電卓だけど見た目や機能が変 → 便利なのか不便なのかわかんない、なんでこれを作ったのか、
 そういう疑問が所有欲をそそる

★壊れちゃってもう動かない、変な電卓 → 動いてた、作られたことに価値があるので問題ない
 (いや、動いていれば一番いいんですけどね)

★もともと動かない、電卓の形や柄がついただけのアイテム → だれがこれを喜ぶと思ったのかと
 考えると私が喜んでしまう


って感じで、結構「動かない電卓」ってのにも興味はあるわけですよ。

しかし、機能がもともと無いものだととたんに魅力がなくなってしまうものがある。
マグネット、消しゴムもおなじだと思う。これらはもともとの自由度が高いのだ。
たとえば、モノ消しゴムと同じ形の、固いプラスチックのフィギュアを作ったとしよう。
これはモノというブランドや形状のパロディということで、コレクションアイテムになりうる。
じゃあ……たとえば四角くて大きさがちょうどいいからと言ってマージャンパイを集めたくなるだろうか。
さらに関係ない、さわり心地がいいけど消せないゴム製の富士山の置物が欲しくなるだろうか。
私だったらならない!(欲しくはなるかもしれないけどコレクションの仲間じゃない)

15年前にテレカ・プリペイドカードを集めていたんですよ。今も当時のコレクションは持ったままだし、
たまには増やしてる。
このジャンルの人なら、機能が重要なのはびしっとわかってくれると思う。
500円の価値がある金券だからではない。
テレカ、プリペイドカードとして使うことを目的として作られたカードだから集めているのだ。
コレクターの中には使用済みでもかまわず集めている人もいる。
でも、そのコレクターが「もう金券として価値のない、グラビアアイドルの写真が印刷された使用済みプリペイドカード」に1000円払ったとして、「最初からプリペイド機能のない、プラスチックにグラビアアイドルの写真が印刷されたカード」を購入することはないのであるよ。
(まったく無いわけじゃないけど、やはりテレカコレクションではない)

いまや、テレホンカードが使えるシーンもなくなってきたし、私が持ってる未使用のオレンジカード(そろそろ使えなくなってきた)やイオカード、Jスルーカードなんかは金券としての価値も無いけど、金券の機能を持たされた! 役割のあるカード! それがあってこそ、表面に印刷された柄が重要になってくるのです!

話が長くなりましたが、つまり消しゴムもマグネットも、それらの機能が最初から与えられてない場合にコレクション対象にならないのは、機能を持った、働くアイテムとしてのバリエーションを楽しんでるからじゃないでしょうか。
働くアイテムは働かせてあげたい。電卓だって無駄な計算をさせたりするし、きっとマグネットも金属の板に貼ったり、くっついてる感を感じながらはがしたりするのが楽しいはず。
消しゴムは消したらミントがグッドぐらいに下っちゃうから(コレクションの状態を表す用語wミントは「キズなし、新品同様」みたいな状態でグッドは「中古ですけど良いです」ぐらい)働かせたいけど使用済みと未使用に大きな差が出ちゃう場合はつらそうですね。働いてるところ見たいのにね。


すっごいずれて、本の感想に乗っかって違う話をしてしまいましたが
とにかく変な文房具たちは眺めてるだけでも楽しいです。
誰かがこれらに、便利な機能をつけて、働くアイテムにして売っているんだよ。買う人と使う人がいるんだよ。変な文房具の魅力もそこだと思うのです。
posted by 藤村阿智 at 10:12| 小説・エッセイなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月23日

中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出(藤子・F・不二雄)


藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出
藤子・F・不二雄大全集 中年スーパーマン左江内氏/未来の想い出

BlackStrawberry.net日記の再掲です

■藤子・F・不二雄先生の命日です。
毎年、何か読み返すことにしているのですが、今年は「中年スーパーマン左江内氏」を読みました。
あ、読み返しじゃなくて初めて読みました。
藤子・F・不二雄大全集を買ったので、たぶんうちにほとんどの藤子F作品があるわけですが、そうなると読んだことのないものも あるのですよ……買ったんだからちゃんと読まないとね。ついついもう読んだことのある好きな本から読んでしまう。

中年スーパーマン左江内氏
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「左江内氏」面白かった。45歳のサラリーマン、係長にはなったけどその後の出世は伸び悩み、後輩が課長になったりして。 まじめなタイプで職場では好かれても嫌われてもいない、そして期待されてもいない。
家庭ではぱっとしない普通のオヤジとして、奥さんとはまさに家族以上のなんでもないし、大きくなった娘や息子からは いまいち尊敬されてもいない感じ……
そんな無害で小市民なところが見込まれて、ある日スーパーマンスーツを受け継ぐことに。
身の回りの揉め事を、解決できるときだけ適当に解決してやってよ……程度のゆるい感じで引き受ける。

■そんな中年向けSFコメディなわけですが、この作品のすごさはギャグとか設定とかじゃないんですよ。
そんなゆる〜いスーパーマンとしての活躍、だれの記憶にも残らない活劇、ヒーローとしていまいちぱっとしない活動の中で! 少しずつ左江内氏の日常が、好転して行っているように見えるのです。
直接じゃないけど結果的に見直されたり。存在を再確認されたり。ヒーローとして、人を「ほっとけない」という動機だけで助けてきた 報いが、ほんの少し左江内氏の人生を、明るく豊かなものに変えてくれそうな予感が全体ににじんでいて、読んでいて楽しい。
最終回は急展開。このあとどうなったのかは見られなくてもいい終わり方だったけど、日常が変化してしまうのかが心配になってしまうな。



未来の想い出

ネタバレあり!
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元は売れっ子漫画家だった納戸理人(なんど・りひと)だが、最近は新作も落ち目でいまいちぱっとしない。
そして突然の死……

振り返るように、納戸氏の人生がつづられていく。
きっかけ、喜び、失敗、決断、成功、没落……
途中で納戸氏は気づく。ちょっと先の「未来の想い出」が自分の中に存在していることに。
この人生は死の瞬間からループしているんじゃないか?
だったら未来の想い出を次のループへ持っていけば、もっとうまく、あの失敗をなくすことさえ出来るんじゃないか……

そして記憶にもある死の瞬間を迎え、きづいたときにはすべて既知の状態で新しい人生を歩みだすことに成功していた!
この後はなぞって、失敗を回避して、つじつまあわせをクリアして幸福をつかむだけ……だがそんなにカンタンには行かないのだった。

はらはらしつつ最後まで気持ちよく読んでしまった。皮肉もいっぱい詰め込まれているけど、さすがとしか言いようのないムダのなさ、スマートさがすごい。
(いまとなっては)よくあるループもの、になりそうだけど、ループものの王道としてきっちり読者の欲望も満たしてくれる内容だと思う。

もしも私が自分の人生の記憶を持ってもう一度やり直すとして、うまくできるだろうか。ぜったいうまく出来ない自信だけはある……
posted by 藤村阿智 at 00:00| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月19日

大人のカバンの中身講座 (玄光社MOOK)

大人のカバンの中身講座 (玄光社MOOK)
大人のカバンの中身講座 (玄光社MOOK)


自サイトの日記と同内容です

9月18日に、玄光社さんからムック「大人のカバンの中身講座」が発売されました。

この中に、私も4ページのイラストコラムを描いています。
「えらべばえらぶほど」というタイトルで、選べば選ぶほど、カバンの中身や持ち物はどうなっていくのかを描いたコラムです。
コラムというよりもうポエムに近いかもしれないけど、ふんわりしてなくて意外に主張が強いからやっぱりコラムかもしれない。
描いてあるものは基本的に私の持ち物。

愛用の筆箱、愛用のペンたち、愛用のPHS端末、愛用の牛革ブックカバー。
イラストはClipStudioPaintPROで描いています。最近お気に入りの、ブラシをテクスチャに見立てたり、紙質を強調したりして 手書きらしく見えるように。やっぱり商業印刷は色がきれいに出ますね。私が考えて描いた混色とかがそのまま出てくれるとうれしいです。
絵描きは色にうるさいって言うけど、やっぱりそこになにか想いがあってその色を塗ったり、違うと思ってやり直したりしたところが、 印刷などの要因で変色しちゃうと「ああ……!!」って悔しい思いをするじゃないですか(笑)
とくにデジタルは、がんばってモニタを色調整しないと、印刷と大幅に違ってしまうから難しい。環境によって見える色が変わってくるんだもんね。

私が描いてる部分以外でも、いろんな人が「どうしてそれ(物)を持って歩くのか」というこだわりが見えて楽しいです。
自分が困ってるところとかも、人の工夫を聞けば解決することもありそう。
低血糖でよくフラフラする私には、ラムネを持ち歩くと言う話が目からうろこだった。チョコ・アメとか、ブドウ糖そのものは持ち歩いたりもしたけど、 ケースがついてるラムネってのはいいかもしれない。試してみる。
「講座」とはいえ、「これがマストアイテム!」みたいな押し付けるものではなく、あくまで「こういう理由でこれを選んで持っている」という話を たくさん聞けることで、自分が物を選ぶときの参考にしようという話。
「あ、そうすればいいんだ」って参考になったり、「この不満はその工夫で解決か」とわかったり。
気になったところだけぱらっとめくるのでも、長く楽しめそうですよ〜。
私のイラストも箸休めぐらいの気持ちで楽しんでね!
posted by 藤村阿智 at 13:50| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月16日

神々の山嶺(原作夢枕獏・作画谷口ジロー)漫画版文庫サイズ【完結】

神々の山嶺(いただき) (1) (集英社文庫―コミック版 (た66-1))
神々の山嶺(いただき) (1) (集英社文庫―コミック版 (た66-1))

「神々の山嶺」は同名の小説を漫画家した作品。文庫版で5巻完結。

昔はまったく山の漫画に興味が無かったんだけど、いまはいろんなメディアの山ものを読んだり見たりしているところ。
そしたら山ものの名作と言われているこの漫画を読むしか!

ネパールと日本を舞台に、伝説級のアルピニスト・マロニーが残したカメラと、それを自分のものだと言うなぞの男・ビカール・サン。主人公の深町はそれを追っていくうちに、カメラをめぐる事件から、ビカール・サンの正体だと思われる日本人「羽生丈二」のことを調べ始める……

神々の山嶺(いただき) (2) (集英社文庫―コミック版 (た66-2))
神々の山嶺(いただき) (2) (集英社文庫―コミック版 (た66-2))

1巻、2巻では山岳カメラマン深町と謎の男・羽生の出会い、羽生という男のこれまでを取材し、追って行く。
エベレストへの人類初の登頂は、マロリーが達成していたのか? 羽生が持っていたカメラがマロリーのものならその中に、登頂の証拠が残っているのではないか?

羽生を追いながら深町は、羽生という男のことが気にかかってくる。
なぜネパールにいるのか。なにを目指しているのか……

神々の山嶺(いただき) (3) (集英社文庫―コミック版 (た66-3))
神々の山嶺(いただき) (3) (集英社文庫―コミック版 (た66-3))

そしてとうとうネパールで、深町と羽生の恋人涼子は羽生に会う。カメラは手にはいるのか。なぜ羽生はネパールにいるのか。その理由もわかって来る。

神々の山嶺(いただき) (4) (集英社文庫―コミック版 (た66-4))
神々の山嶺(いただき) (4) (集英社文庫―コミック版 (た66-4))

神々の山嶺(いただき) (5) (集英社文庫―コミック版 (た66-5))
神々の山嶺(いただき) (5) (集英社文庫―コミック版 (た66-5))

4巻、5巻はエベレストへの最後の挑戦。
羽生も深町も命がけでエベレストへ登り、羽生はとうとう帰ってこなかった。
生存は絶望視され、深町も日本に戻ったが、羽生の山に向かう想いが深町から離れなかった。そしてその想いは深町をエベレストへ再度いざなう。


全巻通して、山男の山へ向かう想いと挑戦する心、山の厳しさと美しさ、わくわくするミステリーが楽しめた。4巻〜5巻のような山のシーンは、読んでるだけでのどが渇いて呼吸が苦しくなるようだった。

途中深町が女のことでもんもんとするシーンもなかなか楽しい(笑)羽生のストイックさを、同じ山男であるのにまじめすぎない深町が和らげつつ引き立ててくれて、そこも見所。
涼子さんも美人だし、無茶するけど「助けられるヒロイン」ってだけじゃない強さを終盤に見せてくれてよかった。
posted by 藤村阿智 at 15:40| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月02日

銀の匙12巻(荒川弘)

銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)
銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)

これまで11巻もかけてじっくり描いた1年が終わって、12巻は2年生に。
八軒の周囲はめまぐるしく前へ進んでいく。
1年間でつないだ人脈をフル活用して、八軒が新しく決めた進む道を前進する。

いいねえ。
社会人をやってるとねえ、子どもの頃って良かったなあって思うんですよね。
子どもの頃は、全力が許される短い期間なんじゃないだろうか。
とくに高校生なんて、大人と同じぐらいの知力・体力を持って、全力を出すことが許される最高の期間だと思う。
もちろん社会人だって全力出してもいいんだよ。でもそれだけじゃなくなる。
八軒くんも「いいと思うほうへまっすぐ」じゃ成り立たないことにぶち当たったりしていると思う。

お客様のため、従業員のため、でフルに力を出すと「割りにあわなく」なっていくのが社会。
誰かが全力を出し切ってつぶれるしかなくなってしまう。
「もっと良くしてあげたい」と個人が思っても、バランスを考えると全力を出すことばかりが最善ではないんだよね。そこがはがゆくもある。

八軒くんは高校生だけど、人や自分の全力に頼ることもあるけれど、いろんな人がいい場所へ着地してそれぞれ歩いていけるような状態を理想にしているところもあって、大人だなと。


ネタバレを避けたら変な感想になってしまった。

新キャラの後輩ちゃんかわいい。最初男かと思ったけど制服が女子で、よく見れば最初からスカートのようなものを履いている……
あと南九条あやめちゃんがオール1を誇るおバカだったのも衝撃w
ここも八軒の人脈で何とかなるのかもな!(笑)すげえな!



【ちょっとネタバレ】


そういえば八軒くんと御影ちゃんは、サンデー的な「お互いが好きで両想いだけどなかなかくっつかないカップル」だと思ってたのに、いや、くっつかないんですけど、「お互い好きで両想いだけどくっつけない」ことを自分たちでも認識してるところが新しいかも(笑)
邪魔さえ入らなければ予約(?)を入れるところですよ!
そんな二人に感心する後輩ちゃんによって新たな縛りが追加されて八軒の恋はより難易度の高いものに……!
posted by 藤村阿智 at 10:55| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月26日

僕の小規模な生活(福満しげゆき)

福満しげゆきさんの漫画で一番楽しみなシリーズがこの「僕の小規模な生活」シリーズ。
「僕の小規模な失敗」という名作自伝のあとにも、もちろん続いていた生活の話を描いたエッセイ漫画だ。
同じくエッセイ漫画の「うちの妻ってどうでしょう?」もあるんだけど、やっぱり私は4コマと普通のページ漫画だとページ漫画のほうが好きだ。

以下、読み返しながら感想を書いていこうと思います。

僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(1) (KCデラックス モーニング)

1巻。最近の巻まで読んでから見ると絵柄の変化があって面白く懐かしい。
私は1巻の頃の絵柄が好きだけど、基本的なところは変わってなくていいな。

全然漫画の仕事がなくてバイトをして毎回やめたくなったり、
少しずつ漫画の仕事が入ったり、妻とけんかしたり。

途中からはこの連載「僕の小規模な生活」が始まるきっかけがあって、その連載、担当さんとのやり取りがあり、他紙の仕事もはいり、「同じような内容の連載を、たくさん書けるタイプでもないのに引き受けた」ことで大手出版社ともめたり……?

1巻はすごく動きがありますね。とにかく妻がかわいい。暴れたり騒いだりするけど支えてくれもするところがもういとおしいですね(人の妻なのにw)私も女なんで大丈夫です心配しないでください(?)

1巻でもうモリタイシ先生出てるんですね。(同い年の漫画家さん)
ここに書かれてる情報だけで「あっ!これモリタイシ先生じゃないかな」って思った私は、そう、モリタイシファンです(笑)確信は持てなかったんだけど、その後にモリ先生の漫画のあとがきでも書かれていてわかりました。

【以下、読み返したら感想書いていきます】
僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(2) (KCデラックス モーニング)

僕の小規模な生活(3) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(3) (KCデラックス モーニング)

3巻は男性目線の出産シーンが描かれていて興味深い。
女性目線で「つらかったー」って話はいくらでも妊娠&子育てエッセイに存在するのですが、
当事者すぎて、しかもそのときはたぶん必死(ほんとの意味で……)の思いだと思いますので
男性目線の客観的な感想もいいですね。相当怖いですね。

3巻の表紙だけカラーなのが、発売当時は「路線を変えるのか」と思ったのに、
6巻まで出た今となっては「カラーはだめだったのかな」と思ってしまうところがなんとも。
短期集中連載「東村山あたりの夕日」が巻末に収録。解像度低いまま描いちゃったんだな……
こういうばかばかしいの(ほめてるんですよ!)も好きです(笑)

僕の小規模な生活(4) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(4) (KCデラックス モーニング)

息子ちゃん生まれて、子育て開始です。
医者に不信感を持ったり。
しかし息子ちゃんいい子だな……いい子に、かわいい子に描かれているなあ。
こちらも出産時同様、目線が客観的なところがいい。子どものしぐさの観察とか、親バカの自覚とか(笑)
嫁姑の問題とかなんかわかりすぎるわ〜。こういう風になって困ること多そう。
最近の私の興味は、「相手の善意は受け取らないと人でなしなのか?」って所。嫁姑問題も、いがみあいじゃなくて善意なのはわかるんだけど、善意だからすべて受け取らなければならないのか?ってのは、受けるほうも与えようとするほうも考えたほうがいいよなあ。

僕の小規模な生活(5) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(5) (KCデラックス モーニング)

5巻〜6巻の、中学生編面白かった。なんかこう胸が締め付けられるというか……
「失敗」のほうにもリンクする内容なので両方読んでるとより心動かされるね。
失敗とはいえ、ほんの少しのズレなところが怖い。だれがこうなってもおかしくないし、
そこからいまの状況まで戻ってきているのがすごい。
戻らず落ちていく可能性だってあったわけだから……
童貞喪失話は、なんかかわいそうになっちゃうんですが、もうコレは忘れて妻が最初で最後の人だってことにしておいたほうがよかやっか(間違った博多弁)

僕の小規模な生活(6) (KCデラックス モーニング)
僕の小規模な生活(6) (KCデラックス モーニング)

6巻まで読み返した!
6巻では第二子のご懐妊も発覚、続きが気になるところで終わってしまっている。7巻マダー?

自分もエッセイ漫画描いてるんですが、確かに「描かれた本人はどう思ってるんだろう?」ってのは気になるところ。
ほかのエッセイ漫画描きさんもどうしてるんだろう。私の場合、本人が見そうだなと思ったら無難な話以外は描かないけど……
posted by 藤村阿智 at 12:15| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月25日

xxxHOLiC 戻1巻(CLAMP)

×××HOLiC・戻(1) (KCデラックス ヤングマガジン)
×××HOLiC・戻(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

「xxxHOLiC」の続編。
読み方は「ホリック・レイ」とのこと。
無印HOLiCとおなじキャラクターで、あの頃の雰囲気でつづられるエピソード。
物語初期のように、屋敷へやってくる「ヒツゼン」がある人たちの状況を解決するお仕事。
でも解決できるかどうかもすでに「ヒツゼン」なんだろうからなあ。

前作は19巻で完結しているので、この世界はなんなのか、どの時期なのか、それとも……というすべてが謎状態。

最近はこんな感じの「ずっと謎を内包する」物語に疲れてしまって、素直に楽しめないなあ。
ただ、HOLiCは細かいエピソードの中で、小さな謎の発生→解決を繰り返すから、まだ見ていてすっきりするのかもしれない。物語全体に流れている謎やわからないことは、気にしない程度でいいのかもな……
前作でそういう気持ちで読んでたら謎を忘れて、「あれ?なんですかそれ」ってなったりもしましたが。
やっぱりあまり伏線は引っ張られないほうがいいのかも。

【以下HOLiCに限った話ではない】
確かに、物語で「あっ!あれはそういうことだったのか!」という、なぞが解けてすごく震える話もあるんだけど、最初から「これはどういうことだと思いますか?」「でもアレがね……」みたいな思わせぶりな、キャラだけが知ってて読者がわからない思わせぶりなことをしなくても、びっくりする仕掛けってできると思うから、あまり訳知り顔のきゃらが言葉を濁してるのも読者には気持ちのいいものじゃないかな。まあ個人的な感想ですけど。
posted by 藤村阿智 at 12:54| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月21日

本気のしるし(星里もちる)1〜6巻(完結)(ネタバレあり)

文具店を紹介する本を購入しようと思って検索したのに、
まだ発売されたばかりだったからかデータベースに反映されていなくて
代わりに検索結果に出てきたのがこの漫画。




中小文具店に勤める男・辻が主人公。

とのことでしたので、文具店モノ……なのかなあ?と思いつつ、紙の本は絶版のようですので
電子書籍で購入!

実は星里もちる先生の漫画は苦手なものもあって……
「りびんぐゲーム」好きで、リアルタイムでも読んでたし、単行本も持ってたし、
数年前に出たコンビニ廉価版コミックも購入しましたよ。でもそのつもりでほかの作品を買うと、大体最後まで読めないんですよ。

だから、「本気のしるし」は文具店モノということがキッカケになって、私にとっては久しぶりに全部読めた星里もちる先生作品ということになります。

まず、文具度ですが、低いです。
文具が出てくることを期待して購入してはいけないです。ほとんど出てこないです。
あと、辻くんが勤めてる文具店はひどいです、(笑)残念ながら旧態依然とした、古い体質の会社で、こりゃたぶんつぶれるな……って感じです。文房具業界は厳しいんですよ。昔ながらのスタイルでやれてるところもあるけど、たぶんこのムラサメ文具(株)に将来はないですよ。文房具の会社だと思って読んでると逆に切なくなってきてしまいますよ……ある意味リアルで……

辻くんは営業マンだけど、なんか倉庫で在庫を数えてるぐらいで、商品としての文具の姿も出てこないし
その倉庫で後輩のみっちゃんとチュッチュするぐらいです。

【あらすじ】
文具店に勤める辻は、表面の顔だけはつくろって波風立たないよう周りに調子を合わせて生きてきた。
流されるようになんとなく、言い寄ってきた二人の女と付き合ってる。片方の後輩女子は完全に遊び。先輩女子ともなんとなくで付き合ってる。正直どっちもめんどくさい。
そんなつまらない毎日だが、踏み切りで車をエンストさせて危ないところだった不器用な女を助けてしまったところから、そのうそつきでいい加減で頼りないうかつな女のことが放って置けなくなってしまった。
これは恋なのか?
女はふわふわとあっちいったりこっちいったりいなくなったりトラブル持ってきたり擦り寄ってきたりで辻を翻弄する。
辻は地獄を見るのか天国を見るのか?


話の内容はとにかくトラブル続き、どろどろしてる。
妙なリアリティ。これが星里もちる先生のすごいところ。(で、苦手なところ)
トラブルメーカーのヒロイン「浮世さん」は、こんな女いねーよといいたいところだけど、
いる…… こういう人は存在している……
断わるのが下手で、八方美人で、困ったらその一瞬だけごまかせる(すぐにばれる)ウソをつき、
怒られたりしたら即座に謝る。反省して見せる。
でもすぐまた同じような失敗を繰り返し、人を裏切り、「信じて」を連発するのに人を信じない。
こういう人間に「あの人は悪い人じゃない」「あの問題以外は申し分のない魅力的な人」というオプションがついちゃったら、かかわった人間は地獄ですよ。

【浮世さんについて】
浮世さんは不器用で断われなくてうそつきだけど、いい子なんですよ。
風俗でもお客さんのために一所懸命奉仕して働いちゃう。
ホレ、いい子でしょ。でも風俗で働くしか道が無いんですよ。ほかに行くところとか、頼れる人とかが少ないという理由でそこに行くしかないんですよ。なにこのリアル。
断われない、嫌われたくないって八方美人の性格の人に、人から狙われる美貌と身体と金がくっついてしまったから浮世さんの人生は転落してしまっている。大人になったらそんな頼りない人間でも一人で何とかしなくちゃいけないことばかり。
途中で、浮世さんに似たタイプで、でも幸せになってる「昔のお友達」という女性が出てくる。
彼女の悲痛な「自分を守るのが下手な人間もいる、それのどこがいけないのか。悪いのは騙し・つけこんでくる人間ではなく、守るのが下手な人間なのか?」という叫びは、私の心にも刺さる。私もどちらかというと自分を守るのが下手なタイプだからだ。

【辻くん】
辻くんは星里作品ではよく見られる優柔不断男。そこに「人間関係めんどくさい」って性格がくっついたから、結構ひどい人間に見える。ただ、一応 人との摩擦を少なくしたい、うまくやりたいという考えを持った人だから、社会はうまく渡っていて、信頼も築いているし、がんばる姿には周りも好感を持って応援したくなるタイプらしい。そこに助けられている。(辻自身も、読者も)
なあなあで付き合っていた二人の女には、こっぴどくやられてから別れることになる。でも二人とも、ひどい仕打ちをしつつも、実際凹んでる辻を見るとちょっとかわいそうだなって思うところもまたリアル。
意外に、浮世さんには厳しいことを言いつつもひどいことはしていない。そこが最終的に幸せになれるポイントじゃないかな……

【たぶん一番良い人】
最初から最後まで、わけアリでインテリヤクザのような裏社会の男、脇田さんがたぶん一番いい人。
わたし脇田さんが好きだわ。この安定感。この人も、浮世さんに実はメロメロな男の一人なんだろうなあ……


【ムラサメ文具(株)と文房具】
最初のほうに書いたとおり、文具店に勤めながら文房具はほとんど出てこない。
箱が置いてある倉庫で箱を数えるシーンばかり。
ムラサメ文具は中小の文具店だというけど、メーカーでなく小売だとこの規模はかなり大きい。だって部署がたくさん分かれてるし、役職がたくさんあるし、店舗も多数運営してるし、女子は制服着てるし……
ただひどい会社です。会社の規則・仕打ちに何度吹いたことか。ブーッ!!
・社内恋愛禁止。発覚した場合はキャリア関係なく女子が辞めることが暗黙の了解
・社内恋愛の証拠写真をプロジェクターで見せながら弁解させ責任を問う
・営業職の不倫は言語道断。仕事に影響がある。即刻関係を清算せよと詰め寄る
・不倫の証拠をプロジェクターで見せ(略)
・社内の役員が「この会社に未来はない。過去の取引にしがみつくばかりで自社を変える気も無い」とばっさり
・他社へ転職しようとしてることの証拠をプロジェクターで(略)
・発注伝票の改ざんなど嫌がらせが可能
すげえやな会社だな。と最初から最後まで。

最後のほうで、ボールペンに名入れがされてなかったという(元文具小売店勤務としては)肝の冷えるエピソードがあったり、「手にはいりにくい商品」として「B4のレターケース40個」が出てくるあたりは燃えた。
B4のレターケースって手に入りにくいんですよ。特殊なサイズだし。でも漫画の原稿用紙やスクリーントーンはこのサイズで、もしかしたら星里先生が入手に苦労したのかも。



【ラスト・ネタバレあり】


最後は結局幸せになったようです。
断われない性格の浮世さんは、辻くんのことをはっきり大事な人だと意識したことで、自分を変えようとしました。そして、会えない期間に、断わるべきときは断われるように成長してきました。それでも周りに隙がある女と思われてしまう。やはり辻くんはそれが不安な様子。
また死ぬようなエピソードを経て、生還した浮世は、きづくんですね。「自分が美しくなければ男はちょっかい出してこない」ことに……
まあそれだけじゃなく、浮世の成長もあってのラストだと思いますけど、自分をこ汚く(失礼)することで無用のトラブルを避け、男関係の不安を払拭しようってのは、昔の怪談であった「美人で夫が心配するからと自分の鼻を削いだ」って話しみたいじゃないですか。そこまでじゃないけど。
浮世さんが多少醜くなっても、辻くんのほうがいい感じに枯れちゃってるから問題ないかもね。


というわけで、なんだかんだ突っ込みながらもとても楽しく読みました。一気に読んでしまったし。
この二人から目が離せない気持ちになった。キャラクターの心理描写がすごい。じわじわずれていくところに説得力がある。
ひとつだけ、辻くんにほかの家族の姿が見られなかったのは残念。なんで家族出てこないんだろ。浮世さんのほうは「愛されたのは生まれたときと名前をつけられたときだけ」ってセリフで、本当に頼る人がいないのはわかったんですけど。成人男性だと家族がちっとも見えてこなくても普通なのかな?

このじわじわ〜っと転がっていく感じはとても感想文じゃ紹介できない魅力なので、ぜひ最後まで読んでみて欲しいです!

    
ラベル:文房具漫画 Kindle
posted by 藤村阿智 at 14:40| マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする